大型店舗やアウトレット店舗の先駆け的存在。話題のアイテムを次々と生み出す「SAKODA」とは?

九州には家具メーカーや工場、ショップがたくさん。その中でも時代の変化に対応し、常に新しいことにチャレンジし続けているのが家具とインテリアの専門店であるSAKODAです。日本のみならず世界中からセレクトした家具やファブリック、家電製品を取り揃え、これまでに数々のヒット商品も生み出して話題を集めてきました。そんなSAKODAの商品開発の裏側に迫るべく、副社長の迫田宜伯(さこだよしとも)さんにお話を伺いました。

SAKODAってどんな会社?


現在、福岡、熊本、大分、鹿児島に計8店舗を展開するSAKODA(家具とインテリアの融合型である「SAKODAホームファニシングス業態」が5店舗、「アウトレット業態」が3店舗)。店舗を運営する「株式会社迫田」は、第二次世界大戦末期の1944年に創業しました。

現社長の祖父である迫田繁治氏が都城市(宮崎県)で「迫田木材制作所」を開業し、1946年に鹿児島市に移転した後「迫田タンス店」として家具の販売を始め、現在の礎を築きます。現在の社員数は544名(※令和3年5月31日現在)。家具やインテリア業界で郊外の大型店舗やアウトレット店舗を展開することは今でこそ当たり前となっていますが、実はその先駆けとなったのはSAKODAなのです
 

副社長の迫田宜伯(さこだよしとも)氏

迫田さん

戦後は高度経済成長と共に生活様式も変化し、“モータリーゼーション(自動車化)”の波が押し寄せ、小売業の立地が繁華街や駅前から広い駐車場を備えた郊外へと移っていきました。二代目社長の迫田博信は「その変化は家具・インテリア業界にも起こる」と想定し、1984年に当時鹿児島市の繁華街にあった本社と本店を郊外にあたる同市与次郎に移転させます。

狙いは見事に的中し、その後は業績を伸ばし続け事業拡大を実現しました。1994年には日本初となるファニチャーアウトレット店を鹿児島市谷山にオープンさせ、家具のアウトレットの原型を築くことになります。


 

SAKODA 小戸公園前店

ー九州だけに店舗展開をしている理由は?

迫田さん

出店地域を限定しているわけではありませんが、まずは九州圏内の各商圏に複数の店舗を出店することが先決だと考えています。当社では完成家具の売上構成が6割となっており、それを販売するには配送拠点の配置が欠かせません。その配送拠点を1店舗だけで運営することは非効率になります。1つの県、または1つの商圏に2店舗以上の店舗を出店させなければ経営効率が上がらないことから、現在のところはエリアを絞った店舗展開となっています。
ただ、九州以外への出店要請もいくつかいただいていますので、社内の体制が整った際には柔軟に対応していきたいと考えています。


  

SAKODA 小戸公園前店の売り場の様子

お客さまに対して定期的にアンケートを実施。時代の「0.5歩先」をいくオリジナル商品

 SAKODAといえばオリジナル商品も魅力のひとつ。時代に合ったアイテムを開発し、続々とヒット商品を生み出しているイメージがあります。その背景には、小売業ならではの“お客さま目線”を取り入れた商品開発が深く関係しているといいます。
 
迫田さん

「SAKODAに行ったらコレが買える」という独自性のあるアイテムを販売することで、競合他店との差別化を図る商品開発を目指しています。当社の商品開発のコンセプトは、「LIKEがLIFEをつくるお手伝い」「ハウスをホームに変える」。そのために欠かせないのが“お客さま目線”です。私たち小売業は毎日お客さまに接し、お客さまの声を直接聞くことができます。ある意味それは特権であり、その特権を商品開発に生かさない手はありません。価格がリーズナブルであることはもちろんですが、お客さまのニーズやトレンドに応えるデザイン・品質・機能といった要素もしっかり取り入れなければならないと考えています。


 
ーお客さまの声や時代のニーズに応えるため、どのような工夫をしているか教えてください。
 
迫田さん

お客さまに対して定期的にアンケートの協力をお願いし、インフルエンサーの方に商品を使っていただくこともあります。また、毎日更新しているインスタグラム(@sakoda_official)にも反響があります。
それらと並行して力を入れているのが常日頃からの情報収集活動です。国内外で行われる展示会に足を運び(今はオンラインが主流)、新規メーカーや新商品の情報にアンテナを張っています。競合店はもちろん、異業種でも参考店をストコン(競合店調査)し、どんな商品があるのか、どんな展開を行っているのか、価格はいくらか…といった情報をリサーチすることも欠かせません。

文字通り足で稼いだ情報を持ち寄り、潜在的なニーズを掘り起こした商品や今の時代背景に沿った商品、「お手頃価格」で販売できる商品を開発するべく、商品部のメンバーを筆頭にSAKODAワンチームで開発に取り組んでいます。
ただし、一歩先を読みすぎてもお客さまの心には刺さりません「0.5歩先」くらいを読み、他では販売していない独自性のあるものをスピーディーに生み出すことを常に心掛けています

 SAKODAのインスタグラムはこちら

SAKODAで10年以上のロングランを誇るヒット商品とは

オリジナルのヒット商品が次々と生まれる中、10年以上に渡って長く支持される定番アイテムがあることもSAKODAの魅力の一つです。「SAKODAといえばコレ!」という定番人気アイテムと、その開発秘話を紹介します。
 

・ラビットファーシリーズ


SAKODAが誇る不動の大人気シリーズ。
フェイクファーながらさらっとした肌触りで、寒い冬でも暖かく過ごせる吸湿発熱素材を使用。こたつ布団、クッション、ラグなど、自宅での使用シーンを考えた幅広いラインナップを展開しています。


この商品は、2006年にオープンしたSAKODAホームファニシングス小戸公園前店の立ち上げに向け、競合店と差別化できる「肌触りにこだわったファブリック」をお手頃価格で提供できないかと考えて開発されたもの。お客さまの意見を反映させながら、毎年触り心地や暖かさを改良し、トレンドのカラーも取り入れてラインナップを充実させているそう。
https://www.sakoda.co.jp/shop/e/e20211004/
 

・meSLEEP


高級ホテルのような寝心地を追求し、累計売上本数5万本を突破したSAKODAオリジナルマットレス。
好みの寝心地が見つかるよう、種類を豊富に展開しているのが特徴です。


この商品の開発に着手した背景には、2008年に起こったリーマンショックの影響があるのだそう。
国内でも消費が落ち込み、家具業界も売上が低迷。そんな時にSAKODAが目をつけたのがマットレスです。ベッドに関してはメーカー主導の商品仕入れが多く、「ベッドフレームとマットレスは同じメーカーのもの」「セットで販売するもの」という考えが常識でした。


当時メーカー品は高額だったので、「なんとかお客さまにお手頃価格で寝心地の良いマットレスを提供できないか」と考え開発に着手し、誕生したのが「meSLEEP」。業界の常識を打ち破る「ベッドフレームとマットレスを自由に選んで購入できる」というスタイルも確立させました。
 

コロナ禍で小売業界の常識が覆った今。SAKODAも時代の変化に対応する


SAKODA 小戸公園前店のキッズパーク

コロナ禍によって私たちの生活様式は激変し、ネットショッピングが若者世代を中心に広まりました。SAKODAではこの時代の変化に対してどんな対策を講じているのでしょうか?
 
迫田さん

いわゆるECビジネスは当社でも数年前から取り組んでいますが、今後の経営にとって大きな役割を果たすと同時に、経営における位置づけも変化してくるはず。商品開発でいえばリアル店舗以上の販売競争激化に対応するため、ECビジネスにおいてもオリジナル商品の開発が不可欠だと感じています。

店舗経営も当社の中核であることには変わりはありませんが、店の形態や構造の変化も起こってくると予測しています。規模でいえばインターネットにはかないませんし、ネットの世界では立地という概念は不要になり、何でも揃っているけれど欲しいものがないというのが大型店舗に対する共通した指摘です。これらの変化や指摘を謙虚に受け止め、新しい店舗構造を模索していきたいと思っています。


 
今年は創業から77年を数えるSAKODA。実店舗の展開はもちろん、「楽天市場」「Amazon」「Yahoo!」など様々な巨大ECモールに出店することで九州のみならず日本全国にファンが増えているそう。
“お客さま目線”を重視した「こんなモノがほしかった」というアイテムが満載なので、ぜひ一度お近くの店舗やネットショップを覗いてみてくださいね。

▼SAKODAの店舗一覧はこちら
https://www.sakoda.co.jp/shop/pages/shoplist.aspx

▼SAKODAオンライン楽天市場店
https://www.rakuten.ne.jp/gold/sakoda-online/

▼SAKODAオンラインストア(Amazon)
https://www.amazon.co.jp/s?i=merchant-items&me=AAI1SI05Z8OHL

▼SAKODAオンラインPayPayモール店
https://paypaymall.yahoo.co.jp/store/sakoda/top/
 

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ライター
山本佳世
福岡県福岡市出身・福岡市在住。地元の大学を卒業後、ペット雑誌「犬吉猫吉」や旅行情報誌「九州じゃらん」の編集に携わり、フリーライターとして独立。ペット雑誌の経験を活かし、ペット関連の取材や執筆をする“(自称)ペットライター”としても活動。趣味はネコグッズ集め、ライブ鑑賞、プロ野球観戦。現在メダカの飼育に奮闘中。

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