そふ珈琲

渦巻き模様のカフェモカが名物のネオ喫茶「そふ珈琲」【福岡市城南区】

いつの時代でも「カフェ」という存在は人々をトリコにします。近年のSNS人気も相まって、おしゃれなカフェ巡りを楽しむ女性も多い中、脚光を浴びているのが「昭和レトロな喫茶店」や「ネオ喫茶」と呼ばれるお店。中年以上の方はノスタルジックを感じ、若者にとってはおしゃれなカフェにないレトロ感が斬新だと感じるんだそうです。この記事では福岡にあるそんな「昭和レトロを感じられる喫茶店」や「ネオ喫茶」をご紹介していきたいと思います。

「そふ珈琲」の場所は別府橋高架下そば「別府一丁目商店街」の一角

 

今回ご紹介する「そふ珈琲」の場所は福岡市城南区別府です。

 

六本松の西側を流れる樋井川に架かる「別府橋」の交差点から高架下の道に入ると角にファミリーマートがあるので、その横の路地に入ります。

 

ちなみにこの道は、かつて旧筑肥線が走っていた線路跡に作られた道路で、この先にある城南区役所付近には「国鉄鳥飼駅」があったという歴史があります。

 

 

この路地は「別府一丁目商店街」となっており、道沿いに数店舗のお店が並んでいます。かなり昔からある商店街で、年季の入った建物からも当時の面影が偲ばれます。

 

昔ながらのお店が残る一方、近年は古い物件をリノベーションした個性的なお店が増えており、別府エリアの新たな穴場スポットとしても注目されているんです。

 

 

そうして歩いているうちに、道の左手に「珈琲とケーキ」のシンプルな立て看板が出現します。

 

 

ここが「そふ珈琲」の外観。真っ白い壁に茶色のオーニングが目印です。

ここまで六本松駅から徒歩で8分ほど。車の方は近隣にコインパーキングもありますよ。

 

 

ガラスに印されたかわいいフォントのロゴマーク。さて、ドアを開けて入店しましょう。

 

スタイリッシュであたたかみのある店内空間

 

入店すると右手にはドライフラワーで彩られたレジがあり、ここでコーヒー豆やスイーツなどが購入できます。

 

 

コーヒー豆は「さんみ」「かろやか」「ほろにが」「にがみ」の4種類のブレンドと、「エチオピア」「ブラジル」「コロンビア」「グアテマラ」の4種類のストレートコーヒーがあり、200gで1,200円より。

よく見るとシャーレの中に並べたコーヒー豆で「オイシイコーヒー!」の文字が模られていました。

 

 

ショーケースに並ぶ美味しそうなスイーツメニュー。スタンダードかつシンプルなラインナップです。

 

 

淡いグレーの壁面とシックなブラウンの床で構成されたメインフロアには、5席のカウンターと2人掛けのテーブル席が2つ設けられています。

 

 

さらに、入り口横にはガラス張りの半個室席も完備されていますよ。ここはまさに「そふ珈琲」の特等席。

 

 

店内の至る所にマスターご贔屓のお花屋さんによる季節の花々が飾られており、店内に彩りのある雰囲気を醸し出しています。

 

 

奥には焙煎室があり、日々ここで美味しいコーヒーが焙煎されています。

 

「そふ珈琲」ができるまで

こちらがマスターの吉田大祐さん。丸いメガネとおヒゲがチャームポイントなのです。

 

この「そふ珈琲」を営むのは吉田さんご夫妻。

旦那様の大祐さん(以下マスター)は岡山のご出身。地元の高校を卒業後は飲食の道を志し、お兄さんが福岡に住んでいた縁もあり、市内の中村調理師専門学校に入学。

 

卒業後は「フレンチの鉄人」として有名な坂井シェフがオーナーを務める「ラ・ロシェル 福岡」に就職。奥様の信乃さんは当時パティシエとして同店で働かれていた同僚として知り合い交際をスタートされました。「ラ・ロシェル 福岡」ではおもにギャルソンとして2年間勤務されましたが、体調を崩してしまい退職されることに。

 

一旦地元の岡山に帰郷し、今後どうしようかと考えた結果、コーヒー店への転身を決意。

1980年創業の地元の有名自家焙煎コーヒー店「エスプリ珈琲店」に入り、コーヒーに関する様々な修行を積まれました。

 

そして7年後、奥様のご実家もあり、住み慣れた福岡での開業を決意。出店地を探す中、当時築50年だった現在の物件と出会い、2012年4月、奥様と一緒に「そふ珈琲」を開業されました。

 

ちなみに店名の「そふ」とは、文字通りマスターのお爺さんの事。とても真面目で勤勉だったお爺さんを常々尊敬していて、そんなお爺さんへのリスペクトの思いを込めて名付けたんだそうですよ。

 

コーヒーの抽出はまろやかな口当たりが特徴のネルドリップ方式

 

それではメニューを見てみましょう。

ドリンクはコーヒーをメインに紅茶やハーブティー、ジュースなど豊富なラインナップです。

ケーキについては、先ほどのショーケースの中をチェックしてみてくださいね。

 

 

コーヒーはマスターが修行した「エスプリ珈琲店」と同じネルドリップ方式にて抽出。ネルのフィルターにお湯を注いでいくと、フィルターの中のコーヒー粉がドーム状に膨らみ、あたりに芳醇な香りが広がっていきます。

 

 

こちらがネルドリップで抽出したブレンドコーヒー(600円)。ネルドリップのやわらかでまろやかな口当たりが楽しめます。味は先述した「さんみ」「かろやか」「ほろにが」「にがみ」の4種類の中から選べますよ。

 

ふとしたきっかけで生まれた大ヒットメニュー

 

そしてこちらが、そふ珈琲の名前をSNSで知らしめた名物メニューのカフェモカ(600円)。

今回は一緒にプリンもオーダーしてみました。プリンは通常450円ですが、ドリンクセットにすると50円引きになります。

 

 

そもそもこのカフェモカが出来たのが、たまたま奥様の信乃さんがカフェモカの上のチョコソースを遊び心で渦巻き模様にしてみたんだそうです。

それを見たマスターが「それ、かわいいね」とメニューとして出してみたところ、SNS上で「かわいい!」と大バズり。たちまち人気メニューになったんだそうです。

 

決して狙ったわけではなく、ふとしたきっかけで生まれたメニューがバズるとは想像すらしていなかったそう。

 

ちなみにマスター曰く「城南区で一番チョコソースをぐるぐるしてると思います」とのこと!(笑)

 

 

プリンはトッピングされた生クリームを絡めていただきます。クラシカルで素朴な味はコーヒーとの相性もばっちり。

 

また、季節限定メニューとして、夏場は「かき氷」、秋から春にかけては「焼きリンゴ」がそれぞれ登場し、こちらも大人気なんだそうですよ。

 

 

オープン当初は近隣に住む方を中心に幅広い年齢層の方が来店していたのですが、ここ数年はSNSでお店を知った若い方がかなり集中してしまい、当初のお客さんがなかなか入りづらかったんだそう。しかし、SNSブームもひと段落した現在は、当初の客層に回復しているとのことでした。

これからも「地域密着型の珈琲店」として多くの方に愛される存在であり続けて欲しいと願います。

 

 

そふ珈琲

住所:福岡市城南区別府1-3-11

営業時間:13:00〜18:00

定休日:水曜日

喫煙:全席禁煙

Instagram:https://www.instagram.com/sofucoffee/

 

 

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ライター
久原茂保
2001年より福岡発のカフェ情報サイト「CAFE@TRIBE(カフェ・トライブ)」を開設。以来、20年以上に渡り福岡県を中心に数多くのカフェを訪れ、日々取材活動に励んでいる。近年はカフェアドバイザー業やカフェのリブランディング、カフェプロモーションなどカフェ業界の知見とネットワークを活かしたオンリーワンな事業を展開中。グラフィックデザインやWEBデザイン、広告コンサルも。

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