喫茶百葉

築50年の古民家を活かした極上空間!「喫茶百葉」【福岡市城南区】

いつの時代でも「カフェ」という存在は人々をトリコにします。近年のSNS人気も相まって、おしゃれなカフェ巡りを楽しむ女性も多い中、脚光を浴びているのが「昭和レトロな喫茶店」や「ネオ喫茶」と呼ばれるお店。中年以上の方はノスタルジックを感じ、若者にとってはおしゃれなカフェにないレトロ感が斬新だと感じるんだそうです。この記事では福岡にあるそんな「昭和レトロを感じられる喫茶店」や「ネオ喫茶」をご紹介していきたいと思います。

「喫茶百葉」の場所は油山観光道路と並走する県道557号線沿い

 

今回ご紹介する「喫茶百葉」の場所は福岡市城南区神松寺。

六本松から油山を繋ぐ油山観光道路の西側を並走するように走る「東油山唐人線」と呼ばれる県道557号線沿い

六本松からなら、友泉亭公園を過ぎて南下していくと「神松寺交差点」があり、そのまま進むとパチンコ屋さんやドラッグストアコスモスの道向かいに石垣のある一軒家が見えてきます。

 

 

こちらが全景。立派な石垣と石階段が特徴です。駐車場はないので、近くのコインパーキングに車を停めましょう。

 

 

重厚な石造りの階段を登ります。

 

 

階段を上ると、真っ赤な鳥居が出現します!こちらは「荒駒大明神」というお稲荷さんが祀られているそう。

敷地の中に神社があるとは、実にご利益がありそうです!

 

 

こちらが建物の全景。入り口右手が「喫茶百葉」です。

 

 

お店の外には石灯籠を構えた日本庭園も。なんとも風情があります!

 

 

こちらの建物は「FOUR SHARE SHINSYOJI.」という古民家シェアテナントになっており、5店舗のお店が入居しています。レトロ調のタイルも時代を感じてしまいます。

 

 

建物の中に入ると、左手壁面にフロアガイドと入居する各店舗の名前が表記されています。

 

 

その向かいにあるのが「喫茶百葉」。土間風のエントランスや砂壁が実にレトロ!

 

 

お店の看板は小さくてなんともシンプル!靴は脱がず、そのまま入店しましょう。

 

古い良き古民家の雰囲気を活かした、心地よい店内空間

 

縁側や欄間など、築50年以上の古民家の作りを活かした店内は、至る所に懐かしさを感じさせてくれます。

 

 

喫茶百葉のアイコンとも言えるべきカウンターは、なんと障子戸を嵌め込んだもの。古き良き空間の中に凛とした雰囲気を醸し出しています。

 

 

ヒノキの板を使ったテーブルや椅子は、店主の猿渡さんが設計してくれた建築家の町谷一成さんからレクチャーを受けつつセルフビルドで作り上げたもの。昭和時代の主流だった模様入りの窓ガラスも当時のものをそのまま活用されています。

 

 

天井板が外され、屋根裏が剥き出しになった天井には、躍動感のある木の枝がディスプレイされています。

 

 

こちらは昭和時代の家によく採用されていた金のラメが入った砂壁と、剥き出しになった骨組み。

 

 

年季の入った古壁もこの空間を演出するパーツのひとつ。このように店内のあちこちに古民家だった当時の名残が生かされています。

 

 

風に吹かれてカランコロンと心地よい音色をたてる竹炭の風鈴。

 

 

縁側席からは日本庭園が見渡せる特等席。ちなみに手前の畳とアルミを組み合わせたベンチは、プロダクトデザイナーの坂下和長氏による作品。

 

 

店内にちらほら点在する木彫りのりんごのオブジェは、社会福祉法人「MUKA」で作られたもの。店内にて購入もできますよ。

 

「喫茶百葉」が生まれるまで

 

店主の猿渡優さん。2000年代の福岡カフェブームの頃よりカフェ業界に携わってきたお方です。

 

この喫茶百葉の店主を務めるのは、早良区出身の猿渡優さん。

 

福岡市内の高校を卒業後、福岡大学に進学。その当時の福岡は一大カフェブームの真っ只中。カフェに興味を持った猿渡さんは、かつて西新にあった人気カフェ「オーストラリアン・ビーンズカフェ」でアルバイトを始められ、さらにカフェに魅了されていきます。

大学卒業後は一般企業に就職されますが、「自分のカフェを開きたい」という思いが募り、1年で退職。いずれ自分の店を持つべく本格的に飲食業界に転身されました。

以来、当時大名にあった「エスプレッソスタンド・デミタス」にはじまり、現在は渡辺通りにある「オルトカフェ」で経験を積まれました。

 

そして26歳になったタイミングでカフェの起業を考えますが、経験不足であることを痛感し一旦挫折することに。

「より経験を積み、自分の思うタイミングで開業する」ことを決め、ONOグループやCOMATSUグループといった福岡を代表する飲食企業に勤務し、店長職や唐津のカフェの立ち上げと運営、そして再びオルトカフェや系列店のバールヴィータで様々な経験を積まれました。

 

そして2年ほどの準備期間を経て、2024年7月1日、念願の「喫茶百葉」をオープン。実に15年越しの夢を叶えられたのです。

 

店名の由来は、学校の校庭に設置されていた観測器具が搭載された設備「百葉箱」のように、様々なものを感じ取っていけるようにという想いと、”「百様」百の様態で、「百用」百の用途で、「百葉」葉や実りの多い木のようにあり続けたい”という想いをこの漢字二文字に込めて名付けたんだそうです。

 

ゆるやかに流れる空気の中で楽しむ喫茶メニュー

 

それではメニューをチェック。構成はドリンクとデザートのみのシンプルな構成。

同じ城南区にある「トモノウコーヒー」の豆を使用したハンドドリップコーヒーやエスプレッソがメイン。コーヒーが苦手な方には特製レモネードや果汁ドリンク、チャイもラインナップされています。

 

 

手書きで書かれた「本日のデザート」には珈琲ゼリー、謹製ティラミス、エスプレッソアフォガードなどが並びます。

 

 

今回は人気の「謹製ティラミス」550円と「ハンドドリップコーヒー」550円をチョイスしてみました。

真っ黒なティラミスは見た目にもインパクト大!ドリップコーヒーのカップは百葉のロゴ入りです。

 

 

謹製ティラミスの黒さの秘密はブラックココアパウダーを使用しているから。ティラミスはきび砂糖を使用し、甘さを抑えています。

ミルフィーユ状になっており、中にはバニラアイスが隠れています。バニラアイスとティラミスの温度差となめらかさも楽しめる一品なのです。

 

 

フィナンシェやスコーンなど自家製の焼き菓子も販売されているので、お土産にもおすすめですよ。

 

 

なお、喫茶百葉が同居する「FOUR SHARE SHINSYOJI.」には、お花屋さんの「gabi」、アジア系のアパレルショップ「didi」、創作かき氷店「MISO」、うつわ屋さんの「mohimaru」といった個性的なショップが入居しているので、こちらもぜひ尋ねてみてはいかがでしょうか。

 

 

喫茶百葉

住所:福岡市城南区神松寺1-21-9 FOUR SHARE SHINSYOJI

営業時間:10:00〜19:00

定休日:木曜日

喫煙:全席禁煙

Instagram:https://www.instagram.com/hyakuyou100/

 

 

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ライター
久原茂保
2001年より福岡発のカフェ情報サイト「CAFE@TRIBE(カフェ・トライブ)」を開設。以来、20年以上に渡り福岡県を中心に数多くのカフェを訪れ、日々取材活動に励んでいる。近年はカフェアドバイザー業やカフェのリブランディング、カフェプロモーションなどカフェ業界の知見とネットワークを活かしたオンリーワンな事業を展開中。グラフィックデザインやWEBデザイン、広告コンサルも。

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