藤堂ママ
酒井法子さん
熱中症警戒アラートが連日なり続ける福岡は中洲のとある金曜の夜。
九州一の歓楽街・中洲で伝説を作り続ける会員制クラブ「ロイヤルボックス」のママ・藤堂和子さんに、女優の酒井法子さんがママ業を伝授してもらっている。
何が起きたのか。
8月上旬、ボーナス景気も手伝ってか、満席御礼のロイヤルボックスの個室で、藤堂ママと酒井さんの組み合わせを目の前に、エンタメデスクも緊張を隠せない。
ロイヤルボックスのママ「藤堂和子」さんとは
中洲で遊ぶ人で知らない人はいない名店・会員制クラブ「ロイヤルボックス」。
同店ならびに航空スタンドバー「リンドバーグ」の経営者でありママをつとめる藤堂和子さんは、これまでに数多くの伝説を作ってきた人だ。
「ジャンケンママ」の異名も持ち、2020年には中洲人生50年を迎えた。
春の風物詩でもある中洲のメイン通り「中洲大通り」に咲く桜の木も、藤堂ママが発起人となって植え替えを実現した。
そしてコロナを経て、昨年2022年10月には、藤堂ママの中洲人生50周年を祝うパーティが東京の帝国ホテルで行われるなど、福岡はもとより、全国からママを訪ねて店を訪れる人が後を絶たない。
藤堂ママ
40周年の際に自伝を出版させていただいたのですが、そのときと、今回の50周年と、二度に渡り帝国ホテルでパーティをさせていただきました。
当店のお客様は全国にいらっしゃいますので、中洲に来ていただくよりも、私たちが出張っていったほうが皆さまにお集まりいただきやすいと思ってですね。
藤堂ママの行動には、深淵に渡る気遣いがある。
目配り、気配り、心配りの積み重ねで築かれてきたお客様との信頼関係が、限られた人にしか開放しないという帝国ホテル「孔雀の間」の全スパンのパーティを叶えさせた源とも言える。
藤堂ママの自伝『中洲通信 親子三代ママ稼業』
藤堂ママは、祖母・河邊マツさん、母・駒沢アヤさんに続くママ稼業。本人曰く「水商売のサラブレッド」だそう。
「自分は水商売には入らない」と決めてOLになったものの、運命の糸は確実に藤堂ママを中洲へと引き寄せた。祖母を目標、母をライバルとし、自分なりのセオリーを築き上げ、中洲では知らない人のいない有名店へと育て上げた。
藤堂ママ一家三代のママ稼業については、こちらの自伝『中洲通信 親子三代ママ稼業』に詳しいのだが、なんとこの自伝をもとに、ネオン街のマンガを数多く監修してきた倉科遼氏がマンガ化したことから今回の話は始まる。
アル・カポネ全盛の禁酒法時代に、アメリカはシアトルでバーを経営した祖母・マツ。
シアトルで生まれ博多で育ち、同じ道を歩んだ母・アヤ。
兄が経営していた「リンドバーグ」、そして「ロイヤルボックス」を受け継ぎ、多額の借金も完全返済、波乱万丈の四文字では捉えきれない藤堂ママ。
『中洲通信 親子三代ママ稼業』は、親子三代の人生がつづられた、濃いけれどもおもしろくて一気に読めてしまう一冊だ。
藤堂ママの人生を知るにも、ネオン街事情を知るにももちろんうってつけなのだが、同時に移り変わってきた博多や中洲、天神の街並みの描写が数多く出てくるので、「あ、もしかしてここにこの店があったのかな?」と想像しながら読むのもまた一興だ。
藤堂ママの自伝が『ごりょんさん~親子三代ママ稼業~』として明治座で舞台化
この『中洲通信 親子三代ママ稼業』が倉科先生の手によりマンガ化され、ついに舞台化が実現。しかも場所は、東京の三越劇場。
しかも、その主役である藤堂ママの役を、同じく福岡出身の女優・酒井法子さんがつとめることになったのだ。
藤堂ママ
この『中洲通信 親子三代ママ稼業』を舞台にまとめるのは至難の業だと思われるが、製作総指揮も倉科氏。かなり濃厚でセリフも場面も多いのではないかと想像に難くないのだが、全国にファンを持つ藤堂ママを演じる酒井さんに、意気込みを聞いてみた。
主演をつとめる酒井法子さんの意気込み
酒井さん
まもなくデビュー40年を迎える酒井さんだが、はっきり言ってデビュー当時からまったく印象が変わらない可愛さで驚愕。
そんな酒井さんが、今回の舞台では17歳から現在までの藤堂ママを演じるという。
酒井さん
舞台はあくまでも別の世界。酒井さんなりの「藤堂ママ」を当日はステージで観ることができると思うが、どんなイメージでのぞまれるのかを聞いてみた。
酒井さん
ママはとっても身のこなしが優雅で、言葉の節回しも素敵だなと思っています。そこをしっかりとらえながら、ポイントとしては、“目の表情”を盗みたいなと思って、今日も勉強させていただきに中洲まで来ました。
ママって、目の奥がとっても優しいんです。そして、色んなことを瞬時に見ていらっしゃる。その奥の深さをしっかり演じたいと思っています。
藤堂ママ
どこを切り取ってもドラマにしかならない藤堂ママの半生を、酒井さんが自身の解釈で演じる。博多っ子のDNAとDNAがぶつかり合う舞台、ぜひ福岡でも実現してほしい。
『ごりょんさん~親子三代ママ稼業~』公演概要
■演目
ごりょんさん~親子三代ママ稼業~
■日時
2023/9/10(日)
開演:11:00~ (開場 10:00~)
2023/9/10(日)
開演:17:00~ (開場 16:00~)
2023/9/11(月)
開演:13:00~ (開場 12:00~)
■料金
プレミアム席 [1F・1列目~10列目] オリジナルラベルワイン(赤・白セット)付 ¥15,000
A席 [1F・11列目~17列目] ¥10,000
B席 [2F・A列目~E列目] ¥5,000
■公式サイト
http://www.f-hand.co.jp/goryonsan/
■出演
風祭ゆき 酒井法子 大竹一重
田村幸士
大和龍之介 松田幸樹 奥野裕介 宮崎ちはる 白須慶子
渋木美沙 水嶋ミナ 奈良平愛実 小鮒幸子 川崎貴子 前城有紀
大谷麻乃 森谷花香 今井 瞳 澤田和哉 岡田幸治 山田直樹
中山佳大 平塚うどん 宮川 岳 西田和政 上杉 潤 橋爪亮磨
小川智弘 原田雄平 梁 錦川 陽向晃弘 太田憲伸 田中杜和
根本楓花
■ストーリー
中洲の小さな店から始まり、九州随一のクラブのオーナーママとして政財界を始めとする幅広い人脈を持ち、ネオン街の“女帝”との呼び声も高い藤堂和子。彼女には祖母の代から続く“ママ”としてのDNAが宿っていた。
大正時代にアメリカ・シアトルで酒場を成功させた祖母マツ、戦後の博多で夜の街の復興に尽力した母アヤ、そして和子…。
祖母から三代に渡る“親子三代ママ稼業”の物語―。
■スタッフ
原作・脚色・製作総指揮/倉科 遼
演出/笹浦暢大
脚本/吉田なが乃
舞台美術/根来美咲(青年座)
照明/奥田賢太(株式会社コローレ)
音響/高橋秀雄(株式会社アントラクト)
LEDディスプレイ/株式会社SPACEWA
舞台監督/入倉津
演出助手/福田麗(東宝芸能)
衣装・ヘアメイク/佐藤友美
ヘアメイク/安達知江
取材協力/ニュー・パルテノン
撮影衣装/わび庵
デザイン/前竹光太
コーディネーター/松尾千恵
方言監修/今井瞳
当日運営/イチロー
プロデューサー/大場敬幸
製作/株式会社フリーハンド 株式会社オフィスケイ
製作協力/株式会社WITHYOUエンタープライズ
■協力(50音順)
有限会社インターフレンド
株式会社エムズクリエイションズ
株式会社KとS
サイアン・インターナショナル
GCPTOKYO株式会社
スタークラスターエンターテインメント
株式会社テンダープロ
有限会社ぱあとなあ
有限会社ひまりり舎
株式会社フィット
株式会社フラリッシュエンタテインメント
株式会社まんてんぼし
株式会社みなもと
株式会社MIRAI
吉本興業株式会社