樋井川について
今回ご紹介する「樋井川(ひいかわ)」は、福岡市南区の油山付近を源流とし、城南区、中央区(および一部の早良区)を経て博多湾に注ぐ全長約13kmの二級河川です。
流域によって表情が大きく変わるのが特徴で、南区・城南区に位置する上流部は、油山の豊かな自然に囲まれ、澄んだ水にアユやシロウオが遡上する高い透明度を誇ります。
城南区北部から中央区にかけての中流部は、住宅街の中を穏やかに流れ、歴史ある友泉亭公園の緑とも調和しています。
下流部になると、鳥飼や今川を抜け、地行浜付近で博多湾へと注ぎ、みずほPayPayドームなどの近代的な構造物群と、水辺の景観が見事に融合しています。
都市の利便性と豊かな生態系、そして防災への知恵が一つに流れる、福岡を代表する河川なのです。
樋井川の優良ポイントは「シーサイドももち海浜公園」
全長約13kmの樋井川ですが、メインとなる釣り場は河口部となります。
樋井川河口部は「シーサイドももち海浜公園」となっており、樋井川を挟んで東側の「地行浜(じぎょうはま)地区」と、西側の「百道浜(ももちはま)地区」に分かれています。
なお、海浜公園より上流部の樋井川の大半は市街地を流れているので、釣りをするのにはおすすめできません。
樋井川で釣れる魚

シーバスのイメージ画像
樋井川河口に位置する「シーサイドももち海浜公園」は、都会で手軽に釣りが楽しめる好ポイントとして知られています。
汽水域(淡水と海水が混ざり合う場所)であるため、多種多様な魚を狙うことができます。
ターゲットとしてもっとも人気なのがシーバス(スズキ・セイゴ)。一年中狙えますが、特に春の「バチ抜け(ゴカイなどの産卵行動)」や秋の「落ちアユ」のシーズンには大型も期待でき、夜釣りのルアーフィッシングが盛んです。
河口付近の石畳や橋脚まわりにはチヌ(クロダイ)が居着いており、「チニング」と呼ばれるルアー釣りやフカセ釣り、落とし込み釣りなどで狙えます。
夏から秋にかけてはアジ・イワシ・カマスが回遊してくることがあり、サビキ釣りや小型のルアーで狙えます。
特に9月〜11月頃はハゼ釣りが盛ん。ハゼは砂地や泥地を好むため、河口の底を探ると初心者でも比較的簡単に釣ることができますよ。
樋井川の釣りポイント

今回は「地行浜(じぎょうはま)地区」の方から行ってみることにします。
みずほPayPayドームの北側に地行浜駐車場があり、ここへの駐車が便利です。
利用料金は2時間までが300円、以降30分ごとに100円となり、5時間を超えると一律1,000円となります。
ただし営業時間は7:00〜23:00となっているので気をつけましょう。

駐車場のそばにはトイレや自販機も完備され、ベンチも置かれているのでかなり快適です。

松林の先には砂浜が広がっており、夏場には多くの海水浴客で賑わいます。

シーサイドももち海浜公園を含む、福岡市の人工ビーチ全体は「海っぴビーチ」と呼ばれています。
案内板を見ると「海浜公園内に向けての魚釣りをしてはいけません」と記載されています。ビーチ側での釣りは禁止です。くれぐれも注意しましょう。

ビーチを過ぎて、樋井川河口の東側堤防にやってきました。ここには河口に沿って約200mの堤防が伸びています。堤防の先には白い灯台がありますが、灯台から先は立ち入り禁止となっていますのでご注意ください。

堤防から水面を覗くとこのような感じです。河口ということもあり透明度は高くありません。また、全体的に水深が浅いのも特徴です。

また、堤防の袂には階段があり、その先には橋が伸びています。

この橋は「なぎさばし」という橋で、地行浜側と百道浜側が徒歩で行き来できるようになっているんです。

なぎさばしから見下ろす樋井川の眺望。先述したように、樋井川は福岡市の区境になっており、川を挟んで東側が中央区、西側が早良区となっています。
ちなみに、なぎさばし付近の川幅はなんと100m以上もあるんですよ!

百道浜側に来てみました。こちらも、川に沿って200mほどの堤防が伸びています。この堤防の先にも赤い灯台があり、奥は立ち入り禁止です。くれぐれも河口側で釣りをするようにしましょう。

この堤防からは百道浜越しにそびえ立つ福岡タワーやマリゾンが見渡せます。

そして樋井川越しにはみずほPayPayドームやヒルトン福岡シーホークホテルも間近に見ることができます。
この樋井川の東西にある堤防はアクセスが良いうえに足場も良く、魚のつきやすい橋脚まわりも狙えるので、ファミリーフィッシングにもおすすめですよ。
ただし、近隣には観光客や散歩をしている人も多いため、竿を振る時などは周囲に十分注意し、ゴミは必ず持ち帰るよう、ルールやマナーを守って釣りを楽しんでくださいね。
樋井川の源流を求めて川を遡ってみました!
この「福岡の釣りスポット」シリーズで、福岡の川を紹介する時に恒例となっているのが「川の上流まで遡ってみました」。
この樋井川の上流部がどのようになっているのか、個人的に興味があったので今回も行ってみることにしました。

先ほどの「なぎさばし」の上流に架かる「百道浜橋」。現在の地行浜は埋め立てによって作られた人工のビーチですが、埋め立て前はこのあたりに「百道海水浴場」があったそうで、近くにはその石碑も建てられています。

上流にあるアーチ状の構造物。樋井川の下流域には堰がなく、海が満潮になるとこの界隈まで海水が上がってきます。しかし近隣は閑静な住宅地となっていますので、モラルやマナーの観点からも釣りはしない方が良いでしょう。

さらに数本の橋を越えると、城南線の城西橋付近で樋井川と七隈川に分かれます。そのまま樋井川を遡り、城南区と中央区の境界に位置する鳥飼の塩屋橋付近までくると、水深は底が見えるほど浅くなります。

さらに遡っていくと、中央区六本松までやってきました。こちらは六本松と別府を繋ぐ「別府橋」です。

この辺もご覧のように、かなり水深は浅く、まるで川というよりは水深数センチほどの、せせらぎのような水量で、魚の影もほとんど見られません。

そのまま油山観光道路と並走するように流れる樋井川を遡っていくと、城南区の友泉亭公園西側付近でようやく堰が現れました。
この周辺は河川敷地となっており、階段で河岸付近まで降りられるようになっています。
ちなみに、友泉亭公園の中にある美しい池の水は、もともとこの樋井川から水を引き込んで造られたんだそうですよ。

さらに川を遡ります。城南区長尾付近まで来ると、川幅は極端に狭くなります。

さらに川を遡り、川の名前が地名にもなっている城南区樋井川付近までやってきました。ここまでやってくると、川というよりもただの水路のようです。

城南区から南区に入り、花畑園芸公園を過ぎてさらに上流を目指します。
そしてここが目視で確認できる最上流部となる、油山の中腹付近です。
あの大きな樋井川の源流部が油山だということを、改めて確認することができました。

せっかく油山まで行ったので、最後は油山牧場と、その奥に見える福岡の街並みを撮ってみました。冬の寒い1日でしたが、素晴らしい眺めと澄んだ空気は最高でした!
ということで、今回は福岡市中央区・早良区・城南区・南区という福岡市の4つの区を流れる「樋井川」についてご紹介してみました。
樋井川で釣りが楽しめるのは河口部だけですが、樋井川沿い(特に城南区付近)には桜並木が多く、春には絶好のお花見コースとなっており、川沿いの遊歩道をゆっくり歩くのがおすすめです。
また、樋井川の最上流部となる油山には、もともとあった「油山市民の森」と「油山牧場(も〜も〜らんど)」が統合され、複合体験型アウトドア施設「ABURAYAMA FUKUOKA(アブラヤマ フクオカ)」として2023年にリニューアルオープンしています。油山の自然を満喫できるようになっているので、ぜひ行かれてみてはいかがでしょうか?












