持続可能な花のある文化や社会を根付かせるには、地道な努力が必要
これまでは僕は、長崎・ハウステンボスの「ガーデニングワールドカップ」や福岡・PayPayドームの「みんなのガーデン」、栃木・益子町の「ましこ花の博覧会」など、様々な花のイベントに関わってきました。
「ハウステンボス」のイベント会場にて
イベントは限られた期間やスペースの中で一時的に大きな成果を得ることができます。しかし、持続という部分では弱い面をもっています。これまでのコラムでも何度も述べてきましたが、一人一花運動は、一過性でなく持続可能な花のある文化や社会を根付かせることが大切です。そのためには底辺からの地道な努力が必要だと考えています。今回はある方との出会いから、新たな可能性を感じた話をします。
PayPayドームのイベント会場風景
僕は立場上、とにかくいろんな人と、よく会います。ある意味、人に会うことが仕事だと思っています。
また僕の流儀は「“できます”と言って、やり方はその後考える」で、文字どおり考える前に行動します。「行動なくして成功なし!」と思っていて、人と会って話すことで何かが起こると信じているのです。
今、僕は人と会うたびに、一人一花運動のことを話すようにしています。きっとその中からキーパーソンが出現し、思わぬ展開が待っていると考えているからです。
人との出会いは、何かが起きる可能性を秘めている
前回のコラムでも紹介しましたが、11月より福岡のLOVE FM「Top of the Morning」という番組の中で「石原和幸のフラワーレター」のコーナー(毎週木曜日午前9時20分~)を持たせてもらっています。その番組の中で、花の育て方やシーンに合った花の使い方など、リスナーの質問に応じて話をさせていただいています。
LOVE FMのサテライトスタジオにて
見えないリスナーに向けて、花を身近に感じていただき、「誰かがどこかで、花苗を1個でも植えてくれる」ことを願って発信しています。
先日は、福岡・天神のソラリアプラザ1階にあるLOVE FMのサテライトスタジオに初めて出かけ、生出演しました。
そこで同じ建物内に店舗を構えておられる、「チョコレートショップ」の佐野隆社長との出会いがありました。いろいろ話すと佐野社長も一人一花運動については好感を持たれていて、福岡をさらに魅力的な街にするために必要な運動だと考えておられました。
佐野社長(右)とともに
佐野社長とは初対面でしたが、僕は同じにおいを感じました。テンポがよく、推進力もあります。職人であり、経営者という点など共通点も多い。意気投合するのに時間はかかりませんでした。佐野社長は「福岡のために」という気持ちを非常に強くもたれていて、僕がアンバサダーを務めているということもあり、一人一花運動に今度はより一層協力をしていただけることになりました。
やはり人との出会いは、何かが起きる可能性を秘めています!
話題性があれば、パブリシティ効果で花をPRして広めることにも繋がっていく
さて、「畑違いの二人で何ができるのか」と考えたときに、まずはそれぞれの一番の武器を合わせてみようと思いました。僕の「花」と佐野社長の「チョコレート」を合わせたSweets & Flower(仮称)。花にチョコレートという付加価値を付けることで、新たな形態となり、花の利用シーンや頻度を増やすことができるように感じました。
花とお菓子が一緒になった商品は既にあります。ですが、日常的に根付いていないのが現実です。おそらく畑違いの二業種が一つの商品を作るということの難しさもあり、多くを供給できない上にPRも不足しているのでしょう。
二社が円滑に回るような仕組みを構築した上で、PR面については自分でいうのもなんですが、この一流の二人がコラボした本気の商品であれば価値が違いますし、なにより話題性があります。話題性があれば、パブリシティ効果で花をPRして広めることにも繋がっていくのではないかと思います。
花とチョコレートを合わせた商品「Sweets & Flower (仮称)」
花を別な物と組み合わせる。そこから、新たなものを生み出す予感
これまで花単体での活用や展開をイメージしてきました。ですが、今回の佐野社長との出会いでは、まったく別な物との組み合わせによって新たなものを生み出せることが分りました。
福岡だったら他にどんな組み合わせができるだろうか?
「明太子と花」、「ホークスと花」、「どんたくと花」、「屋台と花」、「HKTと花」などなど。それぞれコラボする形態は変わると思いますが、無限大の可能性を感じます。あとはどんな化学反応を起こさせるか、です。
固定概念を捨てる。目に見える姿だけにとらわれることなく、広い視野と本質を見抜く目を養う。行動を起こさないと何も始まりません。まずは会ってみる。そこから新たなチャレンジがスタートするのです!
石原和幸著『まず「できます」と言え。やり方は帰り道で考えろ。』(中経カドカワ出版)