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福岡県のタイ漁獲量2,126トンは47都道府県で僅差の第3位
出所:農林水産省『令和5年漁業・養殖業生産統計』(確報)より上位10位までを抜粋
農林水産省は2025年3月24日、『令和5年漁業・養殖業生産統計』(確報)を発表した。
同統計のうち、2023年における『大海区都道府県振興局別統計:漁業種類別漁獲量』によると、福岡県におけるタイ(鯛)の漁獲量は2,126トンであり、47都道府県で第3位だった。
第1位は長崎県の4,121トン、続く第2位は兵庫県の2,134トンであり、福岡県は僅差での第3位となっている。
タイは、スズキ目タイ科の海産魚の総称であるものの、狭義にはマダイを指すことも多い。
タイは古来、縁起の良い「めでたい魚」として尊重されており、またタイは「魚の王様」と称されることもある。
このため、タイにあやかって、魚名の一部にタイとつく魚が多い。アマダイやキンメダイ、メダイ、イボダイなど300種近くあるものの、これらの魚は生物学的には、スズキ目タイ科と異なっている。
日本近海で獲れるスズキ目タイ科の魚は、マダイをはじめ、チダイやキダイ、クロダイ、ヘダイなど10種となっている。
タイを獲る漁法としては、一本釣りや定置網、はえなわ、底引網,吾智(ごち)網、追入網などがあり、海域によって異なる。
タイの漁獲量で第1位だった長崎県では、以西底引網や一本釣りなどで漁獲し、長崎港や松浦港、佐世保港などに水揚げされている。
一方、第2位の兵庫県の場合、一本釣りや吾智網、底びき網などの漁法が用いられ、主な水揚げ港は明石港や岩屋港、垂水漁港などだ。
なお、明石海峡や明石沖で獲れたタイは『明石鯛』として地域団体商標に登録されている。
第3位となった福岡県では、主に吾智網で漁獲し、主に糸島市内の漁港に水揚げされている。
タイの漁獲量で上記3県である長崎県、兵庫県、福岡県でのタイ漁獲量の合計は8,381トンであり、全体の36%を占めていた。
福岡県のタイ漁獲割合11.40%、47都道府県で第2位
出所:農林水産省『令和5年漁業・養殖業生産統計』(確報)より上位10位までを抜粋
2023年における福岡県の漁獲量は18,548トンであり、うちタイの漁獲量2,126トンが占める割合は11.40%だった。
福岡県の場合、獲れる魚の実に9分の1以上がタイであり、タイの漁獲割合では岡山県の18.07%に次いで第2位となっている。
マダイをはじめとするスズキ目タイ科の魚は、温暖な海域を好む。
福岡県が面している日本海や東シナ海は、地理的条件としてスズキ目タイ科の魚にとって、生息に適した温暖な海洋環境となっている。
一方、福岡県内では、マダイを食材とした海鮮料理による地域おこしも行われている。
2012年から2019年までの8年連続※で市町村単位での天然マダイの漁獲量で日本一だった福岡県糸島市では、『糸島真鯛フェア』を2022年から開催している。同フェアでは、糸島産の天然マダイを使った創作料理を糸島市内の飲食店舗で提供している。
また、福岡県福津市では、天然マダイを使用した鯛茶づけを市内の飲食店で提供する『ふくつの鯛茶づけフェア』を毎年、開催している。
福岡県においては、地理的条件や海洋環境に加えて、水揚げされた天然マダイを用いた地域活性化の取り組みも熱心だ。
(※:2020年以降は、農林水産省『海面漁業生産統計調査』で市町村単位での発表は行われていない)
参照サイト
農林水産省『令和5年漁業・養殖業生産統計』(確報)
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00500216&tstat=000001015174&cycle=7&year=20230&month=0&tclass1=000001015175&tclass2=000001226201&tclass3val=0
改訂新版 世界大百科事典『タイ(鯛) 』
https://japanknowledge.com/introduction/keyword.html?i=1731
第3回 糸島真鯛フェア開催 7/10(水)~8/10(土)
https://kanko-itoshima.jp/event/madai2024/
福津市『ふくつの鯛茶づけフェア』
https://www.city.fukutsu.lg.jp/soshiki/kosodate_houkatsu/hoken/2/syokuiku/syokunoibenntonogoannnai/15706.html