■ 福岡は地震がないのか?
福岡市周辺で起きた大地震として記憶にあるのが、19年前の2005年3月20日の福岡県西方沖地震です。福岡市などで最大震度6弱を観測したほどで、1人が命を失い、1,000人を超える人々が負傷、数多くの建築物が損害を受けました。
福岡市には「警固断層」があります。この断層が活発化すれば福岡市にも大きな被害がもたらされると危惧されています。
あれから20年弱経った今、昔と比べて高層ビルやマンションも増えました。建物は耐震構造がしっかりしていたとしても、埋め立て地が液状化するリスクもあります。
■ 本当に福岡は安全なのか?
『全国地震動予測地図2020年版』の『確率論的地震動予測地図』(※)によると福岡市の天神一丁目付近が『30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率は6.2%』といいます。
東京都新宿区で47.2%、茨城県水戸市で80.6%の確率であることを比較しても、福岡市は大地震が起こる確率がかなり低いあることは言うまでもありません。
フクリパの『日本で地震や災害の少ない都市はどこ? 暮らしやすい『福岡』が安全面でもすごい理由』
>>https://fukuoka-leapup.jp/city/202210.890
の記事にもあるように、福岡市は全国と比較しても地震が起こる確率が低い安全地帯ともいえます。
■ 確率が低ければ安全なのか?
ただ残念なことに、同調査では石川県の多くの市町村で『30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率は3%未満』だったのです。記憶に新しい2024年1月1日に発生した能登半島地震では最大震度7を観測し、甚大な被害をもたらしました。
地震予測はあくまでも確率論でしかありません。低い確率だからといって、地震が起きない保証はありません。最近では台湾や沖縄の近郊で大きな地震があったりと、日々、日本全国で地震は起きています。
結局、大地震の発生は予測できません。「福岡は安全」「地震の確率が低い」とは言えるものの、これからの未来はどうなるかわからないわけです。
■ この世の無情さはいつの時代も同じ
人生もまた、いつ何が起こるかわかりません。だからこそどのような状況になっても生き抜けられるようなライフスタイルを構築するのが良いです。
鎌倉時代初期、1212年に書かれた日本三大随筆として名高い鴨長明の『方丈記』は、『この世の無情さ』を800年も前から私たちに教授してくれています。
『ゆく河の流れは絶えずしてしかももとの水にあらず』という有名な冒頭の一文があるように、『人生や世界のすべてのものは常に移り変わっていくもの』であり「人生は儚い」のです。
鴨長明はこの作品を描くまでに「五大災厄」として大火、辻風、遷都、大飢饉、そして大地震を経験しました。特に1185年7月9日に起きた文治地震はマグニチュード7.4の大地震だったとされています。
『山くづれて川を埋み、海かたぶきて陸をひたせり。土さけて水わきあがり、いはほわれて谷にまろび入り、なぎさこぐふねは浪にたゞよひ、道ゆく駒は足のたちどをまどはせり。』とあるように、「山が崩れて川を埋め、海が傾いて陸を覆い、土が割れて水が湧き出し、岩が割れて谷に転がり入る」ほどの影響だったといいます。
これらの自然災害の経験や自身の相続争いにも敗れたことから、鴨長明は一人山奥へ出家し、小さな小屋で隠居生活をしたといいます。
■ 儚いからこそ移動する
隠居生活の場として『方丈庵』という正方形の五畳程度の小屋をつくりました。今でいう「タイニーモバイルハウス」のようなかなり小さめの単身部屋で、なおかついつでも移動できるくらいの身軽さだったのです。
このタイニーモバイルハウスの中で生活しながら、自己追求に励み、方丈記を描いたといいます。四季の流れを感じながら、自分の好きなことを好きなだけ楽しんでいたというのです。
いつでも移動できるような小さな部屋で、最小限のモノで暮らしつつ、やりたいことに最大限の時間を注ぎ込む生き方は、現代のミニマリストにも通じるように感じます。
いつの時代もどんな災いが起こるかわかりません。今の暮らしがいつまで続くかわからない儚いものだからこそ、あるがままに川の流れのように逆らわずに生きていくことを800年前の随筆から学ぶことができます。
■ 備えるのではなく日常にする
日本にいれば地震や台風などの自然災害が起こることは避けられません。もはや災害に「備える」のではなく、常に動けるようにしておくのが最適解です。
今この瞬間に地震が起きたとしても生活できるようなライフスタイルを整えましょう。例えば、防災リュックとして持ち出すものを決めるのも一つです。
僕自身、いつでも移動できるよう常に生活に必要なアイテムを厳選しています。有事の際は、即移動できるよう、コンパクト歯ブラシやペンシェイバー、薬や非常用サプリなどを持ち運べるようにしています。衣類は速乾性が高く圧縮しやすい素材を選び、仕事はスマホで完結できるようデジタル化し、撮影用のサブのスマホをモバイルバッテリーとして持ち歩いています。
備えるのではなく、常に移動できる生活をすることで災害でも生き抜くライフスタイルを試行錯誤しています。
■ 場所を移動する
前回の記事『日本がヤバいなら住む場所を変えよう!フィリピン海外移住編』
>>https://fukuoka-leapup.jp/biz/202404.27982
でも紹介したように、移動生活ができると日本以外の生活拠点を作ることもできます。今のところ日本全国を試した結果、福岡市が最も生活しやすい場所ですが、世界を見渡せばまだまだ住みやすい都市があります。
荷物を減らし身軽になり、知的好奇心の趣くまま好きな場所を移動しながら生活できる時代です。