大手ゼネコンが14階建て自社テナントビルを最新工法で建設
画像提供:鹿島建設
大手ゼネコンの鹿島建設株式会社(東京・元赤坂 天野裕正社長)は今年6月の完成を目指して、福岡市・中洲中島町の昭和通り沿いに地上14階建ての『(仮称)鹿島中洲中島町オフィスビル』を建設している。
総貸床面積約1万1,220平方メートル(約3,400坪)の同ビルにおける基準階の事務所部分は、有効面積約1060平方メートル(約320坪)だ。
天井高は2.8メートル、奥行きは14メートルの無柱空間となっている。
共用部のトイレは男女の個室数をフレキシブルに変更できるプランだ。
さらに利用者の行先階に応じて、エレベーター運行を自動制御するシステムを採用することで混雑の度合いに応じた運行を可能にしている。
各フロアに共用のリフレッシュバルコニーを設け、10階以上のフロアには専有バルコニーを設置する。
屋上には、入居者専用のルーフトップガーデンとリフレッシュラウンジを設置しており、入居者らのコミュニケーションやリフレッシュ空間としての活用も可能だ。
鹿島建設では、柱や梁などの構造材にハチ巣状の穴空き鋼板(ハニカムダンパ)を組み込むことで建物の揺れによる歪みを吸収する『付加制震』という自社保有技術を採用する。
また、電力は2つの系統から供給を受けることで冗長性を確保する。
さらに連続72時間稼働の非常用発電機を備えるなど、BCP対策も施している。
昭和通り側である南東部に設けたメインエントランスには、天井高で約10メートルのピロティを設ける。
独立した柱で建物を支える造りで吹き放した空間を生み出すピロティを1階部分に設けることで開放的な屋外空間を提供していく。
一方、北西側には植栽帯を設けることでポケットパークも設置しており、地域の人々やビル利用者らの憩いの空間を設けている。
入居者への健康配慮で九州のテナントオフィスビル初の『CASBEE-スマートウェルネスオフィス認証』
画像提供:鹿島建設
事業主体の鹿島建設では、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロとする『カーボンニュートラル』を目指し、環境に配慮した取り組みを行っている。
(仮称)鹿島中洲中島町オフィスビルは、遮熱性のあるLow-Eガラスや高効率空調機の導入、明るさセンサーによるオフィス照明の適正設定などの省エネ効果で使用エネルギーを従来比で50%以下に削減し、年間の一次エネルギー消費量の収支ゼロを目指した先進的な建築物である『ZEB』(Net Zero Energy Building)の評価制度である、『ZEB Ready認証』を取得した。
さらに、ビル利用者の健康面や、快適性の維持・増進する取り組みを評価した『CASBEE-スマートウェルネスオフィス認証』のSランクを九州地区のテナントオフィスビルで初めて取得している。
大手ゼネコンが、最新工法や建築手法を用いて建設している最新のオフィスビルの登場は、福岡の賃貸オフィスビル界隈において話題と注目を集めそうだ。
物件概要
所 在 地/ 福岡市博多区中洲中島町2番 外
用 途/ 事務所
事業主体/ 鹿島建設株式会社 開発事業本部
階 数/ 地上14階
敷地面積/ 2,068.13㎡(約626坪
延床面積/ 1万6,124.01㎡(約4,878坪)
着 工/ 2022年1月4日
完 成/ 2023年6月(予定)
備 考/ 『CASBEE-スマートウェルネスオフィス認証』のSランクを九州地区のテナントオフィスビルで初取得
参照サイト
鹿島建設『(仮称)鹿島中洲中島町オフィスビル着工、基準階の貸床面積300坪超のハイグレードオフィス』
https://www.kajima.co.jp/news/press/202202/1a1-j.htm
環境省『ZEBの定義』
https://www.env.go.jp/earth/zeb/detail/01.html
環境省『評価・認証・表示制度』
https://www.env.go.jp/earth/zeb/detail/09.html