福岡は世界に名だたる食都なのか?! グルメパラダイスの真相

「さすが福岡!美味しいものばかりやね」と県外からの出張者に言ってもらうまで、美味しいお店に連れていく福岡人は多いはず!それだけ新鮮な食材を活かした多彩な料理に自信を持っていることの証だといえます。それは福岡人の独りよがりではなく、世界も認めるものなのか?2月1日に開催され、筆者がモデレーターをつとめた「福岡100食サミット〜『食☓観光』セッション」にヒントが多くありました。そこでの展開をもとに、真相を究明してみましょう。

刺身の厚さは他都市の1.5倍?! ミシュラン★付きレストランの密度が高いクオリティ


福岡名物の刺身。この分厚さは福岡ならでは

そもそも「福岡100食サミット」は、福岡市保健福祉局・経済観光文化局の主催。市が取り組んでいる~健寿社会モデルをつくる「福岡100」プロジェクトのうちの1つ。

福岡市出身で、本場フランスにおいて外国人最年少でミシュラン一つ星評価を獲得した松嶋啓介氏が原宿で開催している「原宿食サミット」からヒントを得て、さまざまなテーマから食の大切さに切り込む1日限りのイベントでした。


「食からのルネッサンス」=食を見直そう。というテーマで家庭料理や地域の食の大切さを語る松嶋啓介氏

私が登壇させていただいたのは、「食☓観光」のセッション。(株)ぐるなび九州沖縄セクション セクション長 兼 福岡営業所長 大塚史也氏と(株)JTB福岡支店 営業第二課長 加藤大輔氏のお二人とのパネルディスカッションでした。


右から加藤大輔さん、大塚史也さん、左が私・帆足です

1990年代から旅行・観光マーケットに関わっている私は、常日頃感じていることを提起させていただきました。「食は生活文化そのもの!地域の食材、料理を食べ、地域の人に触れることで真の魅力に触れることができる」と。

各地域に独自の食文化があり、たとえ観光地でなくても、地域の『食』を、その地域の人から提供されて味わうことで、旅の醍醐味を感じることができるのです。

観光庁が実施している「訪日外国人旅行者の消費動向調査」では、「訪日旅行で最も期待することは」という設問の定番の1位は「日本の食を味わうこと」なのです。

とりわけ福岡は、オリジナルの郷土料理も多彩で、独自の食文化があります。福岡の魅力の真髄といってもいいでしょう。

「食を通した日本の観光大国化」を目指す(株)ぐるなびの大塚さんは、福岡の食のクオリティの高さを語り尽くしました。

「福岡の刺身の厚さは他都市の1.5倍!(大塚さん調べ) 理由は諸経費、家賃等が安いので食材原価率を上げる事ができ、いい素材を安く提供できる」

「人口1,000人あたりのレストランの数は「4.20店舗」と台北よりも多いが、それだけでなく『レストランの数に対して、ミシュラン★付きレストランの店舗数は105.9店舗に1店舗』とエリア密度は、東京やパリ、ニューヨークよりも高い」と納得のデータを連発 (下図参照)。


人口1,000人あたりのレストラン数は、台北やシンガポールよりも多い (福岡市「Fukuoka Facts」より引用)


(大塚さん作成資料) 福岡は、レストラン総数に対してミシュラン★付きレストランの店舗数が、105.9店舗に1店舗。パリよりもエリア密度が高いという結果に!

JTBの加藤さんは、世界一の美食の街といわれるスペインの人口18万人の街・サン・セバスチャンの事例を説明。この街があるバスク地方はもともと食材の宝庫。

若いシェフたちがレシピやテクニックを教えあい、地域のレベルをアップしたことで徐々に有名になっていた、サークルのような「美食倶楽部」が存在するなどいくつかの理由があるとのことですが、「地産地消」も進んでいるとのこと。

スペインの首都・マドリッドからサン・セバスチャンまでは約450km。福岡から鹿児島までは約280kmだと考えると、福岡は「九州」各地からの食材を利用できる恵まれた環境にあるといえます。

世界も注目する「グルメパラダイス」

アメリカのCNNトラベルは「2020年の訪れるべき20のエリア」として、コペンハーゲンやジャマイカと並んで「九州」を選出しました。

その中で、福岡はこう評されています。「九州最大の国際都市・福岡は、“foodie paradise”(グルメパラダイス)」だと。


アメリアのCNNトラベル「2020年の訪れるべき20のエリア」より

今や世界各国に支店を持つ「一風堂」や「一蘭」といった豚骨ラーメンが、福岡からスタートしていることを知っている人はそう多くはないと思いますが、こうやって紹介されることは世界に知られる第一歩ですね。

福岡はなぜ食の都なのか、名物グルメは

その理由については、自然が豊かで野菜など新鮮な素材が揃い、玄界灘の新鮮な海の幸が揃う「食材の豊かさ」が挙げられます。

全国主要産地市場(漁港)取扱金額は、平成24年から平成28年まで4年連続日本一!お隣の糸島市は、天然真鯛の漁獲量が7年連続日本一なのです。

魚の新鮮さはいうまでもなく、青魚を生で食すことができます。その代表例がごま鯖。居酒屋や和食の店でも提供されますが、私も時々作る家庭の味でもあります。


ふんだんにごまを入れ、砂糖と醤油ダレに漬け込んだごま鯖

有名なラーメンはいうまでもありませんが、福岡人がソウルフードと思っているのが実は「うどん」。ダシの効いたスープと柔らかい麺の相性もよく、「ごぼう天」という独自の具も愛されています。

それに「かしわめし」(鶏の炊き込みご飯ですね。県外の友達は、名称だけではわかりませんでした)をあわせて食べるのがベストマッチ!


ごぼう天はこの形のと、かき揚げ風にしているものの2種があります。甘めの味付けの肉うどんもいいですね

水炊きやもつ鍋といった鍋も人気ですね。


もつ鍋の味も各店で違います

そんな新鮮な食材を使いつつ、美味しい料理を提供するべく切磋琢磨する福岡の飲食店。舌が肥えた飲食店に慣れている福岡人を満足させるクオリティでないと生き残れないのが福岡の活況を促進しているのです。

 世界の旅行者が目指してくる福岡に

『ガストロノミーツーリズム』という言葉をご存知でしょうか。

定義はさまざまありますが「その土地の気候や風土によって育まれた独自の食、食文化を楽しむ旅」を指します。各地に独自の食文化がある日本はまさに宝の山。

我が福岡はそのポテンシャルが十分にあるのですが、さらに弾みをつけるコラボレーションが待っています。

「Asia’s 50 Best Restaurants(アジアのべストレストラン50)」や「The World’s 50 Best Rstaurants(ワールドベストレストラン50)」の常連であるタイ・バンコクの名店「Gaggan」のオーナーシェフ・ガガン・アナンド氏と、福岡・西中洲のフレンチの名店で、2016年からアジアのベストレストラン50に入賞している「La Maison de la Nature Goh」のオーナーシェフ・福山剛氏が2017年に発表した計画です。

それは、2021年には「福岡に”Gohgan”という二人の店を出す」という衝撃のコラボレーションです。

(ガガン・アナンド氏は、アジアのベストレストラン 50で4年連続1位の座をキープしてきたバンコクの『Gaggan』は2019年8月にcloseし、2019年12月に 自分のフルネームをつけた『Gaggan Anand(ガガン・アナンド)』をオープンしています)

私はこの経緯について2018年に最初にお二人にお話をおききしました。

ガガン氏は友人に九州への旅行をすすめられ、実際に訪れた福岡で、食事をしたのが福山氏のレストランでした。

「人生が変わった気がした。日本の四季や自然、文化の豊かさをもっと追求したいと考えた」そうです。もともと日本に興味のあったガガン氏が、福山氏にコラボを持ちかけたといいます。

しかし、なぜ福岡なのか。その問にガガン氏は自信をみなぎらせて答えてくれました。

「バンコクでやりたいことはやり尽くした。福岡・九州の素材は素晴らしいものがたくさんある。そして、有名な店でなくても屋台や居酒屋など九州の飲食店、食文化はもっと評価されるべきで、世界に広めていくべきもの。

Gohgan では、Goh(福山氏)と一緒に、食材などさまざまなものを探求して、みんなで新しいものを作り上げたい。福岡・九州に世界中からこの美食体験を求めて、旅行者がやってくることになる」


(左)ガガン・アナンド氏 (右)福山剛氏

この革新的なレストランのオープンは2021年の秋ごろの予定。世界から「Gohganを食べる」ことを目的に旅行者が殺到するかもしれません。

ビルの谷間の屋台では、地元の常連客と国内外各地の人が、一緒に楽しく、盛り上がる風景も福岡ならでは。美食 or グルメパラダイスの奥深さをあなたも福岡で体験してみませんか。


いろんな人が集う屋台の風景は福岡名物

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編集者
帆足 千恵
福岡のタウン情報誌の編集者として1990年代から海外30カ国、60エリアを取材し、世界の旅行情報を発信。2001年より外国人旅行者向けの編集制作や企画、調査、マーケティング、プロモーションを行い、九州インバウンドのパイオニア的な存在。2020年4月 海外旅行情報サイトを公開予定。

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