今回紹介するのは、福岡市中央区春吉にある和菓子屋「花月堂寿永(かげつどうじゅえい)」さん。
創業130年を超える福岡の名店です。趣ある扉をガラガラっと開けると、出迎えてくれたのはニコニコと優しそうな笑顔がとっても素敵な店主の五島さん。
始まりは約130年前、韓国の地で
花月堂寿永は明治22年、長崎で修行をした初代の五島又六さんが韓国・釜山でお店を開いたのが始まり。その後北朝鮮で新たなお店『花月堂寿永』を開業します。花鳥風月から「花月」、源氏のお家再興にあやかった年号の「寿永」が由来となっています。終戦を迎え、福岡に引き上げた2代目が、昭和23年、現在の春吉の地で新たに『花月堂寿永』をスタート。
趣のある珍しいお菓子を次々と創作し、現在、当店に並ぶほとんどの菓子が、2代目の手によるものなんだそうです。
誕生から70年。愛され続ける看板商品
お店の名物「福うめ最中」はなんと誕生から半世紀。愛され続ける名物最中です。
太宰府天満宮の梅、加賀藩前田家の家紋・剣鉢梅を型取った金沢のお正月菓子である最中「福梅」をモチーフに誕生した最中です。中にはたっぷりの白あんと、アクセントに金時豆が入っています。
香ばしい皮の香りがたまりません!ちなみに最中の皮色はピンク、白、焦の3色があります。(味は全て同じ)
お店に伺った時も近くのサラリーマンの方が「福うめ最中」の詰め合わせを購入されていきました。きっとおもたせだろうなぁ、なんて想像すると、もらう人の笑顔が浮かんでちょっと嬉しくなってしまいます。
フルーティな味わいが大人気のフルーツ羊羹
一方こちらは最近誕生したミニ羊羹。いちじくにアップルシナモン、ピスタチオ、と とても羊羹のフレーバーとは思えない、斬新な素材を使ったミニ羊羹です。素材のイラストが描かれたパッケージも印象的。若い方にも人気なんだそうです。ちょっとしたギフトにもぴったりな羊羹です。
敷居が高く感じてしまいがちな和菓子ですが、この羊羹なら気軽におもたせとしても使えそう。そしてせっかく買いに行ったなら!自分のご褒美としても一緒に買いたくなってしまいました。
店内には「おきうと」や「金印」など福岡らしいお菓子もたくさん。どんなお菓子か気になったあなたはぜひお店に足を運んでみてくださいね。
新ライター せせさんのご紹介
今回より、「福岡おもたせスイーツ」シリーズのライターとして、和菓子コーディネーターのせせなおこさんに登場いただくことになりました。福岡を拠点に、全国の和菓子情報を集めた和菓子メディア「せせ日和」の運営や商品開発、和菓子に合うコーヒーのプロデュースなども行っているせせさん。
可愛らしいイラスト付きの紹介と、和菓子を切り口にしたその町らしさや歴史のお話も、ぜひお楽しみに!
せせ日和:https://sesebiyori.com/
インスタ:https://www.instagram.com/s_nao25/
店舗情報
花月堂寿永(かげつどう じゅえい)
住所:〒810-0003 福岡市中央区春吉2-7-20
営業時間:10:00〜19:00
定休日:日曜日
駐車場:なし
公式HP:https://kagetsudo-jyuei.jp/