地元地権者有志で再開発準備組合を立ち上げて計画を検討中
現在の天神一丁目15・16番街区付近の状況
『天神』という地名の由来である水鏡天満宮をはじめ、国の重要文化財である赤煉瓦文化館などが建ち並ぶのが、天神一丁目15・16番街区だ。
天神ビッグバンの東側に位置する同エリアにおいては、“歴史・文化資源と水辺・緑の魅力を活かしたまちづくり”に向けた再開発計画の検討が進められている。
2019年3月、同エリア内の地権者有志らで「天神一丁目15・16番街区再開発準備組合」が設立された。
同準備組合では、歴史・文化資源と水辺の恵まれた環境を最大限に活かした、街区を越えたまちづくりの可能性が検討されている。
2022年12月、福岡市が進める天神地区に新たな空間と雇用を創出するプロジェクト『天神ビッグバン』の制度に則り、福岡市に対し、今後のまちづくりに先立って天神ビッグバンボーナスの取得に向けた計画概要書を提出し、受理された。
「歴史・文化資源と水辺・緑の魅力を活かしたまちづくり」をコンセプト・イメージに掲げる同計画では、下記の点を踏まえながら今後、取り組んでいく。
◎歴史文化資源や公園と一体となった魅力ある水辺空間の創出
◎回遊性の向上(那珂川に顔を向けた豊かな緑と賑わいのあふれる回遊空間の創出等)
◎都市機能の強化(老朽化建物の更新を含む防災性能の向上及び高度利用)
同計画における対象地区の面積は街区面積約2.5ヘクタールであり、うち敷地面積約1.2ヘクタールとなっている。
2023年10月に地区計画の変更が都市計画決定
画像提供:天神一丁目15・16番街区再開発準備組合
那珂川沿いに位置する15・16番街区は、築30~70年の建物が多く建つ地域でもある。
天神一丁目15・16番街区の提出した天神ビッグバンボーナスの取得に向けた計画概要書によると、約400年前に黒田長政によって福岡城の鬼門である現在地へ移設された水鏡天満宮は、方角を変えずに水辺に近づくことを検討している。
そして、那珂川沿いの水辺と緑の魅力を活かした空間づくりに取り組んでいく計画だ。
また、赤煉瓦文化館前の県道については、天神一丁目14番街区との間で計画されている都市計画道路「天神通線」へ付け替える。
そして、15・16番街区を一体的に整備することで魅力的な空間を創出していく方針だ。
一方、新たに建設する高層ビルでは、地下鉄天神駅につながる地下通路を新たに整備するとしている。
同計画では、建物の耐震性向上をはじめ、福岡市が取り組む感染症対策(換気、非接触、身体的距離の確保、通信環境の充実など)や環境負荷低減、「FukuokaArtNext」を推進する。同計画は、2030年以降の実現を目標に、検討が進められている。
参照サイト
(仮称)天神一丁目15・16番街区計画~歴史・文化資源と水辺・緑の魅力を活かしたまちづくり~
https://www.city.fukuoka.lg.jp/data/open/cnt/3/47658/1/221223_tenjin1_1516bangaiku.pdf?20221223103752