【経済・ビジネス短信@フクリパ】 

こども病院跡地に内科総合病院や高層マンション等で持続可能な〝健康のまち〟が誕生【福岡市中央区】

アイランドシティへ新築移転した福岡市立こども病院の跡地(福岡市中央区唐人町)1.7ヘクタールにおいて、「過ごすだけで心も身体も健康になる持続可能なまちづくり」が始まります。今回、『こども病院跡地活用事業』として動き出した新たな都市開発の動向に注目してみます。

こども病院跡地で〝健康になる持続可能なまちづくり〟

画像提供:福岡市

福岡市を代表するランドマークの一つである『福岡ペイペイドーム』、大型商業施設『MARK IS(マークイズ)福岡ももち』にも程近い福岡市中央区唐人町の旧福岡市立こども病院の跡地━━━。
2027年春、〝過ごすだけで心も身体も健康になる持続可能なまち〟が、広さ約1.7ヘクタールのこども病院跡地に登場する。

全国の政令指定都市で唯一の子ども専門病院である福岡市立こども病院は2014年、老朽化に伴ってアイランドシティへ新築移転した。
こども病院跡地については、2020年3月に策定した『こども病院跡地活用方針』において、民間事業者に売却した上で跡地の有効活用を進めていくという方針が示された。

2022年7月からの『こども病院跡地活用事業』の事業者公募に3グループが応募。代表企業:積水ハウス株式会社~構成企業:学校法人福岡大学のグループが優先交渉権者に選ばれた。なお、同グループの購入提案額は122億円だった。
今後、土地の売買契約を経て、内科総合病院をはじめ、地上23階建ての高層分譲マンション、同9階建ての分譲マンション、健康プラザ、コミュニティハウス、オープンガーデンなどを建設していく計画だ。

内科総合病院や高層マンション、健康関連施設などを整備

画像提供:福岡市

『WELL BEING GARDEN CITY(ウェルビーイング・ガーデンシティ)』を事業の基本方針として掲げた積水ハウス・福岡大学のグループによる事業プランでは、「自然」「交流」「持続可能」「健康」という4テーマでの実現を目指す。
同施設内の医療施設として、オンライン診療やAI画像診断などのIoT機能を充実させた内科総合病院を開設する。
同院については、福岡市医師会からの成人病センターの事業譲渡で発足した福岡大学西新病院を移転させる形で設置する計画だ。

また、1階に小児科クリニックや調剤薬局、カフェが入居し、 2〜3階に健診センターが入る健康プラザも建設する。
居住施設として地上23階建ての高層分譲マンション(178戸)と同9階建ての分譲マンション(44戸)を新設していく。さらに木造ハイブリッド構造を採用したコミュニティハウスを集会室と共に防災備蓄倉庫を兼ねて建設する。

施設内のすべての建築物は、福岡市建築物環境配慮制度(CASBEE福岡)でSランクを取得する予定だ。
また、建物のデザインとして低層部に木質系素材を採用するなどの一体化に取り組み、建物の内外装材に福岡市内産および近郊産木材を活用していく。
一方、地域の交流スペースやイベント広場となる約3,000平方メートルのガーデンスペースも含めて敷地面積の30パーセント以上を緑化する。

敷地内での使用電力は、太陽光発電と再エネ電力購入で再生可能エネルギー100パーセントを推進していく。
さらに太陽光パネルや電気自動車(EV)の充電が可能なスタンドも設置する計画となっている。
こども病院跡地活用事業としてのプロジェクトは、2027年春の開業を予定する。
なお、23階建て高層分譲マンションについては、2027年11月に完成する予定だ。

画像提供:福岡市

物件概要

所 在 地/ 福岡市中央区唐人町二丁目 133 番 2(地番)
用     途/ こども病院跡地活用事業
事業主体/ 代表企業:積水ハウス株式会社、構成企業:学校法人福岡大学とするグループ
階     数/ 内科総合病院(117床):5階建て、健康プラザ:3階建て、分譲マンションA(173戸):23階建て、分譲マンションB(44戸):9階建て、コミュニティハウス:1階建て、
敷地面積/ 1万6,925.85 ㎡
延床面積/ 内科総合病院:約8,300㎡、健康プラザ:約2,000㎡、分譲マンションA:約1万8,100㎡、分譲マンションB:約5,000㎡、コミュニティハウス:約200㎡
開  業/ 2027年春予定(分譲マンションAは2027年11月予定)

参照サイト

福岡市住宅都市局地域まちづくり推進部跡地計画課「こども病院跡地活用事業 優先交渉権者を決定しました!」
https://www.city.fukuoka.lg.jp/data/open/cnt/3/99432/1/yuusenkoushoukenjakettei.pdf?20230129185018

 

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編集者兼ライター
近藤 益弘
1966年、八女市生まれ。福大卒。地域経済誌『ふくおか経済』を経て、ビジネス情報誌『フォー・ネット』編集・発行のフォーネット社設立に参画。その後、ビジネス誌『東経ビジネス』、パブリック・アクセス誌『フォーラム福岡』の編集・制作に携わる。現在、『ふくおか人物図鑑』サイトを開設・運営する。

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