福岡天神駅から徒歩2分、貸事務所機能も備えた警固神社の社務所ビル
九州最大の繁華街・天神の中でも西鉄福岡天神駅から徒歩2分という一等地にある警固神社。
その警固神社内で建設が進む地上9階建ての社務所ビルの工事が近く完了する。
1934年完工の現社務所が手狭になり、老朽化したことによる建て替えである同工事では、本殿や拝殿、社殿など他建物は現状のまま維持するため、名称として『社務所ビル増築工事』となっている。
国体道路側に建つ社務所ビルでは、国体道路の歩道が狭いためにセットバックして、バス停利用客向けの休息スペースを設ける。
1~2階に社務所と共に参拝者休憩所として喫茶店や飲食店が入居する。
3階は社務所、4~6階は神職の支度や氏子崇敬者の控室である斎館となっている。
7~8階は貸事務所、9階は直会会場として飲食店が入居する。
建物内では、福岡まつり月華祭で用いる神輿も常設展示する。
建物の環境負荷低減に配慮、災害時には地域防災の拠点
福岡市都心の一等地に社を構える警固神社内に建つ社務所ビル(画像提供:警固神社)
警固神社社務所ビルでは、各階に大きなひさしを設けることで夏場の日光を遮り、冬場は日差しを取り込むことで温熱環境をつくり、環境負荷の低減を図っている。
さらにバルコニーに植物を配置することで建物の環境負荷のさらなる低減に努める。
建物内の感染症対策としては、厚労省推奨水準の換気性能を備え、さらに非接触キーをはじめ各種非接触仕様を採用している。
一方、災害時には、隣接する警固公園との一体的利用に備えて、社務所ビル内に防災備蓄倉庫を設置。
災害時のトイレ開放やマンホールトイレなどを設置して、地域防災拠点の機能も強化している。
警固神社についての社伝によると、神功皇后による三韓征伐の際に自陣を守護して、勝利に導いた警固大神を福崎(現福岡城本丸周辺)に祀ったとされる。
1601年、福岡城の築城に伴って、小烏神社(福岡市中央区警固3丁目)に一時合祀された後に現在地へ移され、1608年に福岡藩主の黒田長政によって現社殿が造営された。
なお、社名や周辺の地名である『警固』は、鴻臚館内にあった役所『警固所』に由来するという。
建物概要
事業名称:警固神社 社務所ビル増築工事
所在地:福岡市中央区天神二丁目2番20号
用途:社務所、斎館、店舗、事務所
構造及び階数:鉄骨造・地上9階建
延床面積:6,547㎡