歴史アレルギーからの解放
コテンラジオの法人COTEN CREWでもあるフクリパの運営会社・株式会社えんメディアネットの代表取締役・坪倉伸一さん。
この「コテンリレー」も2年目に突入しましたが、「フクリパ」での連載のきっかけは、坪倉さんご自身がコテンファンだったことにあります。
コテンの深井龍之介さんと対談された記事。
『自分たちが走る先を COTEN が先に走っている。この社会実験がうまくいかなかったとしても、それもまた学び。 | 坪倉 伸一 × 深井 龍之介』
詳しくはこちら ☞https://note.com/coten_inc/n/n378e7c8f0233
コテンラジオにどっぷりハマってしまった坪倉さんですが、実は学生時代、大の歴史アレルギーだったそうです。
坪倉
もう、とにかく今の日本語にはないような用語や名前のオンパレードですし、年号をひたすら覚えることに「何の意味があるんだろう?」と…。
おそらく、歴史にアレルギーがある方の多くが、この「ただ覚えるという授業の苦痛」を経験されているように思います。
では、そんな歴史アレルギーだった坪倉さんが、コテンラジオだと聴き続けられる理由はどこにあるのでしょうか?
坪倉
コテンラジオのことを知って、とはいえ歴史が苦手なのでどうしようかなと迷いまして。三国志ほど詳しくないけど興味のあった、チンギス・カンのエピソードを最初に聴きました。
なるほど。中国史だとすんなり入るかなと思われたわけですね。
モンゴル最強伝説はここから始まった!チンギス・カン一族の仁義なき戦い【COTEN RADIO #115】
坪倉
年号なんて覚えなくても、この当時、モンゴル帝国がどんなことをして、それが次の時代や世界にどんな影響を与えたのかを、『筋』で知ることができるので、すいすい頭に入ってきました。
あぁ、そうそう、欲しかったのはこういう学びだな、と。
しかもこの回で深井さんが
「あまり情報がないんだけど、ないから何もわからないのではなく、ないことを前提として、この時代をどう解釈するのかがおもしろい」
と言われていて、これってまさに「暗記するものがない」なら学ばなくてもいいのか?という学校教育への逆説的なメッセージにも感じました。
『勉強』以外の歴史との出合い、それがまさにコテンラジオの『歴史』だったんです。
まさしくコテンが提唱する「メタ認知」のきっかけですね。
ここで1話から聴かなかったことも、よかったのかもしれませんね。
坪倉
どこから聴いても大丈夫ですので、まだ聴いたことがない方や、「歴史って苦手なんだよなー」と思ってる方は、ぜひ「あー、このあたりならちょっと興味あるかな」というところから聴いてもらえたらと思います。
社会人こそ、学びの連続である
コテンビギナーへの「聴き方」レクチャーまで飛び出したところで、次の質問です。
歴史アレルギーからの解放を果たした坪倉さんですが、とはいえ趣味として通勤中にPodcastを楽しむにとどまることだってできたのではないかと思う中、なぜ「フクリパ」でのコテンの連載を決断されたのでしょうか。
坪倉
福岡の歴史ももちろんそこに入りますが、何よりも、コテンラジオを通して歴史を学ぶことがおもしろくなることで、仕事にも良い影響があるなと実感できているため、ひとりでも多くの方に同じような体験をしてもらえたらと思ったんです。
そのためにも、コテンラジオのことも、コテンのことも、もっともっと知ってもらいたいなと。
それに、コテンは福岡のスタートアップ企業ということもありますしね。
かつて歴史が嫌いだったとは思えないほどの熱いトークが続きます
なるほど!ただ単に「コテンファンを増やしたい」から自社メディアを活用するということではなく、「読者にとっての価値になるものがそこにある」ことが大きかったと。
これはコテンが提唱するポスト資本主義にも近いように思います。
坪倉
フクリパ自体が、この媒体で直接的に利益が出る仕組みになっていない時点でポスト資本主義にとても考え方が近いなと思うのですが、コテンに同じような想いを感じていたのだと思います。
ちなみに、「歴史がおもしろくなると、仕事にも良い影響がある」とのことですが、具体的にはどのようなことでしょうか?
坪倉
株や不動産など、一通りのジャンルを学びながら、「あぁ、人生で一番勉強してるなぁ」と思っていました。
そんなお金にまつわる知識に付随して、歴史ってやっぱり関係があるんですよね。どんな事業にも、サービスにも、必ず歴史的背景がありますし、資本主義より以前にどんな営みが行われていて今があるのか、と、必ずつながっている。
そして学べば学ぶほど、「投資とは何か」「そもそも、お金ってどうして必要なのか」といった風に哲学に入っていくんです。
確かに、どんな業界にも必ず歴史があり、その歴史の先には教科書に出てくるような「いわゆる」歴史もつながっていきますね。あまりに色々考えてしまうと、哲学的な問いも立ててしまうこともあります。
ちなみに投資でいくと、どんなエピソードがありますか?
坪倉
ナポレオンのエピソードを聴いたあとに再度自分で調べてみまして、フランス革命の最中、ナポレオンとイギリスが戦争をしていて、彼がイギリスに対して『大陸封鎖令』を出すんですね。
そのことでイギリスは貿易ができなくなり商品が暴落し、逆に周辺国はイギリスから商品が入ってこなくなり暴騰しました。
そこに目をつけたイギリスのロスチャイルド家は、ヨーロッパ各国にいる兄弟のネットワークを使って安くなったイギリスの商品を買い、ヨーロッパ中で売ったんだそうです。こうして莫大な富を得た、と。
なんだか今のロシアに対する経済制裁による世界の情勢とかぶってるなぁとも思います。
お金を学ぶ上で、ロスチャイルド家は避けては通れない名家ですが、なぜ彼らがここまでになったのかを誰も知らないし、生まれたときから「ロスチャイルド家はロスチャイルド家」じゃないですか。
僕の説明なのでちょっと解釈が間違っていることもあるかもしれませんが、大事なことは、今みたいな情報技術がなかった時代に、兄弟という絆の太いパイプで正確な情報をキャッチしたからこそロスチャイルド家の繁栄につながったし、その経済上の動きが政治にも影響を及ぼしたのだと考えると、どの時代でも、国民の動きと政治には必ず関係があるとわかるんです。
ですから、いまのこの時代を生きる私たちの活動も、必ず様々な側面に影響しているし影響されている、そう考えて株価を見ると、ただの数字じゃないんだなぁと解像度が上がるんですね。
戦争天才・ナポレオン!敵は、全欧州。【COTEN RADIO #55】
実にわかりやすいエピソード!
先人の知恵に恩恵を被っていることを改めて実感することもできますしね。歴史を学ぶことで、自分の仕事の解像度が上がる。素晴らしい連鎖です。
坪倉
きっと彼なりのヒトラーの解釈が醸成されつつあって、「独裁者でした、同じようなことはしないようにしましょう、以上!」みたいな学校での勉強とは違う学びになっているのだろうな、と。
息子と共通のコンテンツで一緒に成長できるって最高だし、これからたくさん語り合いたいですね。
すでにお子さんにも浸透しているんですね!
確かに、学生時代に歴史を通したメタ認知の感覚が身に付くと、職業選択や人生の歩き方にも大きな影響をもたらしてくれそうです。
より深く、より豊かな感度で日々を生きることのできる次世代、とてもワクワクします。
これからも、コテンラジオとコテンの魅力を精一杯届けようと思います!
坪倉
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