資金調達だけじゃない、クラウドファンディング

“だし”と“味覚形成”が決め手。クック・チャムに聞いた理想の離乳食

子育てにおいて必ずと言っていいほど、パパとママがぶち当たる「離乳食」という壁。「ぜんぜん食べてくれない!」「この量で合ってる?」なんていうお悩みや疑問は数知れず。そこで、福岡をはじめ全国に展開しているお惣菜専門店クック・チャムグループのクックチャムプラスシー経営企画統括マネージャーの江連理恵さんに、“お惣菜のプロ”の視点で離乳食に関するアドバイスを伺いました。さらに同社が開発した新感覚離乳食「かいじゅうのごはん」にまつわるストーリーもご紹介します。

福岡で知らない人はいない!?西日本を中心に展開するクック・チャム


手づくりにこだわったお惣菜を販売するクック・チャム。肉料理や魚料理、煮物、麺類など、バラエティ豊かな料理に定評があります。同社の始まりは約40年前、愛媛県新居浜市の肉屋に嫁いだ創業者がコロッケといった手づくりのおかずを販売したことが創業のキッカケ。現在(2021年11月)は福岡県内に22店舗、日本全国に72店舗の路面店型のお惣菜屋専門店を展開しています。人々を惹き付ける秘訣は「日替り・出来立て・手づくり」のメニューにあるそう。

江連さん

それぞれの店舗では1日に約30種類ものメニューを用意しています。唐揚げやポテトサラダといった定番のお惣菜をはじめ、各店舗によって異なるメニューを日替り&出来立てで販売するのも当社の強みです。加えて全店に共通するのが“お母さんが作る手料理"をテーマとしていること。旬の食材や出汁を使って誰の心にもある“懐かしい味”を再現し、お母さんが家族のために毎日献立を考え、作るのと同じような気持ちで料理を手づくりしています。

理想の離乳食のポイントは“出汁”と“味覚形成”

赤ちゃんに、食のたのしさ、おいしさを伝えるための離乳食。3歳までに培われた味覚が、人の一生の味覚傾向を左右すると言われています。離乳期から味覚を育てることが重要です。

「出汁」はその中でも、大切な要素のひとつです。離乳食は薄味が基本ですが、出汁を加えることで、味わいに奥行きを出したり、素材のうまみをより引き立てたりしてくれます。
でも、いざ出汁をとるとなると、なんだか億劫に感じてしまう人も多いのではないのでしょうか。そんなときはぜひ市販の出汁パックに頼ってみてください。
 
約7年前に通販事業に参入したクック・チャムですが、まず通販用の商品として開発したのが、子育て家庭に向けた「やさしい出汁パック」でした。鹿児島産かつお節と北海道産昆布だけを原材料に、食塩や化学調味料は一切使わない安心・安全な出汁パックです。この商品を開発した背景には、「我が子に安心なものを食べさせたい」というパパママのリアルな声が反映されていました。

江連さん

「やさしい出汁パック」を開発したのは、私自身も出産して職場復帰したタイミングでした。子どもがアレルギーを持っていたので出汁には興味があり、いろいろと調べてみると塩分や調味料が入っているものが多く、原材料だけで作られている商品がなかなか見当たらなかったんです。クック・チャムでは毎朝店舗で料理に使う出汁をとっており、それを活用してかつお節と昆布だけの安心な出汁を作れないかと考えたことが開発のキッカケでした。

赤ちゃんの舌が味を感じる力は大人の2倍近くと言われています。そんな赤ちゃんの離乳食には、かつお節と昆布だけのシンプルな和風出汁がおすすめなのだそう。赤ちゃんに離乳食を食べさせる際、パパママには“味覚形成”についても意識してほしいと江連さんは言います。

江連さん

味覚形成のファーストステップが3歳、次は10歳までとされていて、その時期までに“正しく美味しい味”を体験していれば「甘味・塩味・酸味・苦味・うま味」という5つの味をきちんと感じられるようになると言われています。この大切な時期にジャンクフードのようなものばかり食べて育ってしまうと正しい味覚が形成されず、大人になって成人病といった病気になるリスクが増えることも。子どもの時の食事は、将来自分が健康でいられるかどうかを大きく左右するということも知っていただきたいですね。

お惣菜のプロに聞く!よりかんたんにするには、冷凍離乳食もあり!?

「安心な出汁を使って体に良い離乳食を食べさせたい」と思っていても、メニュー作りや食材選び、硬さや味の調整などなど、思い通りにいかず悩んで疲弊してしまうパパママも多いのでは。離乳食づくりに困った時はどうすればいいのでしょうか?

江連さん

離乳食に関する悩みの多くは、「食べてくれない」という初歩的なことだと思うんですよね。私もそうでしたが、量や内容の“正解”が分からないんです。しかも焦ってしまうと、子どもに気持ちが伝わってますます食べてくれない…という悪循環になることも。そこで深く思い悩まずに、「いつかは食べてくれる」と割り切って気長に構えることも大切なのかなと思います。特に初めてのお子さんだと完璧を求めがちで、市販の商品を使うことに罪悪感を感じる人も多いようです。そこは無理して100%を求めず、辛いときには市販のものに頼るのもいいのではないでしょうか

下ごしらえ不要、アレンジ自在!栄養・味・安全にこだわった冷凍離乳食「かいじゅうのごはん」

離乳食づくりに悩むパパママの力になりたい、仕事や家事に忙しいパパママがお子さんと向き合う時間を少しでも作ってほしいという思いから、クック・チャムではレンジでチンするだけで簡単に離乳食が完成する、冷凍離乳食「かいじゅうのごはん」を通販で販売開始。「調理の時間を短くして家族の時間を長くする離乳食になること」「離乳食期を味覚だけでなく、家族の絆を育む期間にすること」をコンセプトに商品が開発されました。

江連さん

「やさしい出汁パック」を通じてさまざまなパパママのお声を伺うと、「離乳食づくりはやっぱり大変だ」ということがよく分かったんです。特に共働きのご家庭では、食材をすり潰したり、ストックするために製氷機に入れて冷凍したり…という作業を仕事や家事と並行してこなすのは大変。そこで時間がない時や赤ちゃんがぐずっている時にサッと使えるような離乳食を作れないかと開発したのが、冷凍キューブ状の離乳食「かいじゅうのごはん」です

「かいじゅうのごはん」は、かぼちゃやほうれん草などの野菜と出汁だけを使い、冷凍することで香料や発色料などの添加物・保存料不使用を実現。さらに腐敗や食中毒の原因となる細菌が繁殖しない温度帯で保存できるので、衛生的にも安心できます。何よりお皿に入れてレンジで温めるだけという手軽さが、子育てに追われるパパママに受け入れられているようです。

江連さん

赤ちゃんって世界一かわいい“かいじゅう”なんですよね。食べものはこぼすし、ものを散らかすし、よく泣くし…。頭を抱えたくなる日もあるけれど、やっぱり我が子は可愛くてたまらないんです。そんな世界で一番愛おしい“かいじゅう”と日々過ごすパパママのサポートができるように、私たちは「かいじゅうのごはん」を開発しました。

クラウドファウンディングで想像以上の反響が。下ごしらえ不要、アレンジ自在の「かいじゅうのごはん」

今年4月、「かいじゅうのごはん」はクラウドファウンディングに挑戦。離乳食の事業を立ち上げたばかりだったので、「本当にこの商品が世の中に受け入れられるのか」という反応を知るためだったのチャレンジだったと言う江連さん。応援購入総額は目標金額の382%と大幅に上回り、反響を呼びました。

江連さん

クラウドファウンディングの結果を見て「これは世の中にニーズがある」と確信し、正式販売することにしました。サポーターから寄せられた声を見ていくと、「赤ちゃんに何をどう食べさせていいか分からない」という方が多かったんです。そのような方にとって「かいじゅうのごはん」は“この時期に食べさせるものはこれ”という目安になったのが良かったのかなと思っています。また今は働くママが多く、職場復帰も早くなっていますよね。“時間を買う”ではありませんが、忙しい方のニーズにもマッチしたのではないでしょうか。

「かいじゅうごはん」は生後5~6ヶ月を対象とした離乳食ですが、7~8ヶ月の“もぐもぐ期”、9~11ヶ月の“かみかみ期”と、今後は赤ちゃんの月齢や状態に合せて食べられる離乳食を展開していく予定なのだそう

江連さん

クック・チャムでは離乳食を「モグニコbaby」というブランドで展開しています。現在は豆腐やうどんのような、やや食感のある離乳食を開発しているところ。将来的には幼児食も提供できればいいなと考えています。

赤ちゃんに離乳食を食べさせるのは、わずか1年ほど。短い期間に思えますが、その間にも赤ちゃんはすくすくと成長していきます。仕事や家事に追われる中で、離乳食の悩みを解決するためのキーワードは「頑張りすぎないこと」。栄養管理も大切だけれども、我が子と向き合って育児を楽しむために、時には「かいじゅうのごはん」のようなプロのサービスに頼ることも大切ではないでしょうか。

▶「かいじゅうのごはん」公式サイト

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ライター
山本佳世
福岡県福岡市出身・福岡市在住。地元の大学を卒業後、ペット雑誌「犬吉猫吉」や旅行情報誌「九州じゃらん」の編集に携わり、フリーライターとして独立。ペット雑誌の経験を活かし、ペット関連の取材や執筆をする“(自称)ペットライター”としても活動。趣味はネコグッズ集め、ライブ鑑賞、プロ野球観戦。現在メダカの飼育に奮闘中。

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