20政令指定市の消費者物価地域差指数での最安は福岡市
出所:総務省『小売物価統計調査(構造編)』消費者物価地域差指数(2023年年6月30日発表分)
第1位:福岡市97.8 、第2位:岡山市97.9、第3位:北九州市98.2、第4位:浜松市98.4、第5位:広島市98.9……。
総務省が2023年6月30日に発表した『小売物価統計調査(構造編)2022年(令和4年)結果』によると、全国に20ある政令指定都市の消費者物価地域差指数で最も低かったのは、福岡市の97.8だった。
総務省では、地域別の物価を明らかにするために小売物価統計調査(構造編)結果で消費者物価地域差指数を毎年、発表している。
消費者物価地域差指数とは、世帯が購入する各種の財やサービスの価格を総合した物価水準について、地域間の差を指数値で表したものだ。
全国平均価格を100として、指数を地域別・都道府県別・都道府県庁所在市および政令指定都市別に調べて作成している。
同調査で対象とする品目は57品目(58銘柄)となっており、大きく分けると、下記の10項目となる。
◎食料、◎住居、◎光熱・水道、◎家具・家事用品、◎被服および履物、◎保健医療、◎交通・通信、◎教育、◎教養娯楽、◎諸雑費
福岡県の県庁所在地である福岡市は、10項目のうち、食料について全国平均(指数100)を-0.79下回っていた。
同じく住居で-0.87、光熱・水道で-0.05、家具・家事用品で-0.07、被服・履物で-0.16、保健医療で0.02、交通・通信で-0.23、教育で-0.29、教養娯楽で-0.20、諸雑費-0.07だった。
その結果として2022年度、消費者物価地域差指数で97.8だった福岡市は、20政令指定都市で指数の低さで第1位となり、〝最も物価の安い〟政令指定都市となっている。
なぜ、福岡市は小売物価統計調査(構造編)の消費者物価地域差指数で指数が低かったのか
画像提供:福岡市
総務省では、物価について2007年まで5年ごとの全国物価統計調査で把握してきた。
しかし、消費・流通構造の変化が加速する中、5年周期の統計では、物価構造の変化を的確に把握できないため、全国物価統計調査を2007年の調査を最後に中止した。
かつて全国物価統計調査で把握してきた地域別価格差や銘柄別価格などを小売物価統計調査に盛り込み、小売物価統計調査(構造編)とした2013年1月から実施している。
一方、従前の小売物価統計調査については、小売物価統計調査(動向編)として調査している。
今回の消費者物価地域差指数については、小売物価統計調査(構造編)による調査結果だ。
なぜ、福岡市の消費者物価地域差指数が低いのか。
この点については、消費者物価地域差指数の低い上位9都市は、いずれも三大都市圏外であり、地理的な要因も大きいといえる。
福岡市の場合、食料品の安さに加え、住居の安さなども大きく貢献しているものと考えられる。
中でも福岡市の『住宅賃料水準の低さ』については、森記念財団都市戦略研究所『世界の都市総合力ランキング』において、世界主要48都市の中で第6位だった。消費者物価地域差指数においても寄与しているものとみられる。
参照サイト
総務省『消費者物価地域差指数-小売物価統計調査(構造編)2022年(令和4年)結果-
https://www.stat.go.jp/data/kouri/kouzou/pdf/g_2022.pdf
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