“勝手に企画します”シリーズ その2

いま注目の「移動販売」の“その先”を勝手に企画してみた!

福岡イチ企画書を書いてきた伝説のプランナー・中村修治さんによる「勝手に企画します」シリーズ第二弾。今回は、コロナで新たなビジネスモデルとして注目されている「移動販売」について、その先を企画してくれました(本記事は、あくまでも妄想であり実在するものではありませんのでご了承ください)。

“勝手に企画します”シリーズ その2

プランナーなんて肩書きのオトナには、眉唾のハナシが、どんどん持ち込まれる。事業家の方々から、思いつきを企画書にしたいからと呼び出される。そんな時に、胡散臭いとは思いながらも“どんどん乗ってみる”ことにしている。だって、ワタシだって十分に怪しい。

それであるなら「冗談から出たマコト」ってこともある。その怪しい事業計画の何十分の1かはカタチになって、たんまりとお金になることもある。そうやって生かされてきた。勝手にホイホイとふろしきを広げて見せるのもプランナーがプランナーたる所以であるわけだ。

企画の考え方① 勝手に“移動販売のその先”を企画してみた!!

アブねぇじゃん。コロナ騒動以降、急いでいる自転車が増えた。その大抵は、デリバリーのお兄ちゃんだったりする。こんなにも、出前を頼む人がいるのか!?スマホから簡単に注文できる、そのテクノロジーが作り出した事実には、人間は抗えない。

ネットスーパーも、とうとう収益を生み出すようになった。「移動販売」は、間違いなくアリなのだ。でも、車に何をのっけて売るのか!?を考えているだけでは面白くない。そこらへんを勝手に膨らませてみた。“移動販売のその先”を考えてみた

企画の考え方② 利便性だけが付加価値で良いのか!?

ネット販売も、ネットスーパーも、注文をすれば自宅に、欲しかった商品が届く。確かに便利である。時間も浮く。合理だけで考えたら正しい。しかし、そこには、ワクワクといった高揚感はない。自分の注文したものが届く。すべてが想定内である。当たり前と言えば当たり前。そんな既存の“移動販売”ビジネスを考えるなら、結局、何を届けるか!?その商品を何にするか!?という企画になってしまう。

“自宅”へ届けるのではなく“生活圏”ヘ入っていく「新しい移動販売」ってないのか!?何を売るのか!?ということを考えるよりも、その“生活圏”自体をどのように“移動販売”でワクワクさせ切れるか!?である。

企画の考え方③ “移動専門店”をDX化できたとしたなら!?

注文したものが届く。知っているスーパーから欲しいものが届けられる。それは、日常である。日常が便利になるだけである

それよりも、その“生活圏” にはないものがニーズに合わせて届けられている。なぜだか時間もバッチリ。そうすれば、通勤や通学が楽しくなるはずである。外出することをもっと楽しくする非日常を演出できる移動販売ビジネスのネットワークって創出できないのか!? “移動専門店”をDX化できたとしたなら、素敵な偶然が日常を彩るのではないか!?

企画の考え方④ “場価”&“時価”への挑戦ができる移動販売!?

予約して手にするものは、安心である。偶発性が低いものは、いくらでも再現できる。その先にあるのは、時間の早さと価格の競い合いである。新しい資本主義なんて言っている割には、お先は暗い。

しっかりとしたDATAと研究分析により、偶発性をもっと演出できる移動販売ビジネスができたら面白いのになぁ!?日常の生活圏に、絶好のタイミングで、絶好のいくつかの場所に、移動専門店が出店している。通勤時や帰路や散歩する道が、偶発性の高いショッピングを誘導する道にもなる。そうすれば定価ではなく“場価”や“時価”への挑戦もできるはずである。

企画の考え方⑤ 「売れる地図」を描く!!

なにがどこで売れるか!?いつどこで売れるか!?その実績データを分析・研究すれば「売れる地図」ができるはずである。これは、偶発性の高いショッピングを演出し続けることのできるDATAビジネスである。売ることが目的ではなく「売れる地図」を描き続けることを目的とする。GoogleマップにマーケティングDATAまでが搭載されていくイメージ。そこで、配車手配と“場価”や“時価”の調整もされるっていうのはどうだろう!?

Just one!! 欲しい専門店の商品が
Just now!! 欲しい時に生活圏に現れる
ワゴン販売のネットワーク!!

コロナ禍の中、Uber Eatsや出前館というビジネスは定着した。移動販売ビジネスも隆盛だ。そこをがっちゃんこして「売れる地図」を創る。不動産への定額賃料を払い続けなきゃいけないから定価ビジネスをせざるをえなくなる。点ではなく、面で押さえる。場所と時間を価格に反映させて定価ビジネスから脱却することが”移動販売のその先”である。

企画の考え方⑥ おせっかいだけどステップまで書く!!

どんなに眉唾のハナシでも。
どんなに相手が胡散臭くても。
事業企画には、ステップまで書いて提出する
おせっかいで、余計なことだと思うけど、書き切って見せる。
相手は、要らんかもしれないが、書き切ってみる。
この勝手に企画シリーズのコラムにも必要ないとは思いながらも、書いてみた。
こういうところに、意味がないようであるのではないかと考えている。
そうじゃなきゃやってられない。笑
良い勘違いと遠回りばかりしている。

余計なことを
書き切るってことが
大事なのだよ。

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プランナー
中村修治
1986年に立命館大学を卒業。1989年にバブルの泡に乗って来福。1994年に㈲ペーパーカンパニーを設立し独立。福岡に企画会社など存在もしなかったころから30年も最前線で生きているプランナー。企画書を書いた量とプレゼン回数は、九州No.1だと言われている。JR博多シティのネーミングやテレQのCIなどが代表的なお仕事。コラムニストとしても多誌で執筆。

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