「不動産投資ローンの金利はどのくらい?」
「低金利の不動産投資ローンを組む方法は?」
不動産投資ローンとは、不動産を購入するために金融機関から借り入れる融資のことです。
金融機関によって1%〜5%と金利が異なるので、返済負担を抑えるためにできるだけ低金利でローンを組むことが大切になります。
今回は、「【借入先別】不動産投資ローンの金利相場」や「低金利の不動産投資ローンを組む方法」などについて紹介していきます。
これから、不動産投資ローンの利用を検討している方は参考にしてください。
- 不動産投資ローンとは
- 【借入先別】不動産投資ローンの金利相場
- 不動産投資の金利の種類
- 低金利の不動産投資ローンを組む方法
- 不動産投資で金利のシミュレーション
- 不動産投資ローンを利用するときの注意点
不動産投資ローンとは
不動産投資ローンは、アパートやマンションなどの収益物件を購入するためのローンです。
家賃収入でローンを返済し、将来的には安定した資産形成を目指すことができます。
住宅ローンとは異なり、物件の価値を担保に融資を受けるため、自己資金以上の物件を購入できます。
少ない自己資金でより大きな利益を目指せることが魅力の一つです。
審査基準は、物件の収益性や将来性、借主の属性などを総合的に判断されます。
賃貸需要があり、安定した家賃収入が期待できる物件であれば、融資を受けやすくなります。
また、金融機関によって金利や返済期間、融資条件などが異なるため、自分に合った商品を選ぶことが重要です。
各金融機関を比較し、自身の条件に合ったローンを選びましょう。
- 自己資金以上の物件購入が可能
- 家賃収入でローンの返済が可能
- 将来的に安定した資産形成を目指せる
【借入先別】不動産投資ローンの金利相場
不動産投資ローンは、さまざまな金融機関が取り扱っており、「メガバンク・都市銀行」「地方銀行」「信用金庫・信用組合」「ノンバンク」など、金融機関によって審査基準が異なります。
それぞれの金融機関の金利相場について解説していきます。
メガバンク・都市銀行
金融機関 | 店頭金利 | WEB金利 | 特徴 |
三菱UFJ銀行 | 年率2.475% | 年率1.425% | WEB申込で大幅金利優遇 |
みずほ銀行 | 年率2.475% | 年率1.425% | 三菱UFJ銀行と同様のWEB優遇 |
三井住友銀行 | 年率2.474% | 年率1.475% | WEB申込でやや低金利 |
金融機関の中で、大手メガバンクは審査が厳しく、一方で金利は最も低い傾向があります。
審査に通過すれば、最も有利な条件でローンを利用できます。
一般的に、大手メガバンクの不動産投資ローンの金利相場は、1%〜2%です。
ただし、不動産投資の経験や頭金となる自己資金がない場合、審査は通過しにくいことがあります。
初心者の場合は、少し金利が高くても融資を受けやすい金融機関から始めることをおすすめします。
地方銀行
金融機関 | 店頭金利 | 特徴 |
西日本シティ銀行 | 年率3.225%~ | 団体信用生命保険付だから安心 |
福岡中央銀行 | 年率1.5%~ | 融資期間が最長35年 |
横浜銀行 | 年率1.2%~ | 融資上限:個人は1億円 |
メガバンクや都市銀行に次いで、審査が厳しいとされるのが地方銀行です。
しかし、地方銀行は地域経済の発展や活性化に貢献する役割を持つため、各地域の地方銀行が営業エリアとしている地域で不動産投資を行う場合、審査がやや緩和されることがあります。
地方銀行の不動産投資ローン金利は、申込者の属性や物件の収益性などに応じて大きく変動します。
一般的には、金利は1%~4%の範囲で設定されています。
信用金庫・信用組合
地域に根差した営業スタイルを持つ信用金庫と信用組合は、地方銀行よりもさらに地域に密着した金融機関として知られています。
そのため、ローンの利用は実質的に各金融機関の営業エリア内に限定されます。
地域経済の活性化に積極的な融資を行う傾向があり、地方銀行で審査に通らなかった場合でも、信用金庫や信用組合であれば審査に通る可能性があります。
金利相場は、信用金庫や信用組合の方がわずかに高めです。
一般的に2%~3%となっており、地方銀行と比較すると最低金利がやや高く設定されています。
ノンバンク
ノンバンクは、銀行法ではなく貸金業法に基づく貸金業者を指します。
消費者金融やリース会社、事業融資、不動産投資融資など、さまざまな種類があります。
ノンバンクの不動産投資ローンの金利相場は、約3〜5%前後と、これまで紹介した金融機関よりも高くなります。
- 審査が早い: 銀行よりも審査基準が緩く、審査が早い傾向があります。
- 特殊な物件にも融資可能: 銀行では扱わないような物件や、築古物件などにも融資が可能な場合があります。
- 柔軟な返済プラン: 希望に合わせた返済プランを組むことができる場合があります。
ノンバンクの不動産投資ローンには、審査が早く、特殊な物件も融資対象で、柔軟な返済プランを組むことができるというメリットがあります。
しかし、金利や諸費用が高く、早期返済違約金などのリスクも存在するため、慎重な検討が必要です。
不動産投資の金利の種類
不動産投資の金利の種類は以下の通りです。
- 変動金利
- 当初固定金利
- 全期間固定金利
それぞれの特徴について解説していきます。
変動金利
変動金利は、返済期間中に金利が固定されていないローンタイプです。
基準金利(例えば短期プライムレート)の変動に応じて、不動産投資ローンの金利が上下し、返済額が見直しされます。
このタイプのローンは固定金利よりも金利が低く、利用しやすいですが、将来的に金利が上昇するリスクがあります。
金利が上昇しない限り、返済総額を抑えることができますが、急激な上昇があれば、返済が難しくなる可能性もあります。
- 金利が低い: 固定金利よりも低い金利で利用できるため、返済総額を安く抑えられる可能性があります。
- 金利上昇時の繰上げ返済が可能: 金利が上昇したタイミングで繰上げ返済を行うことで、返済総額を抑えることができます。
- 金利上昇リスク: 将来的に金利が上昇すると、返済額が増加し、返済負担が重くなる可能性があります。
- 家計への影響: 金利上昇による返済額増加は、家計に大きな負担となり、生活費の確保が困難になる可能性もあります。
変動金利は、急激な金利上昇の際に利用できる、5年ルールと1.25倍ルール(125%ルール)という制度があります。
5年ルールは、変動金利の影響で金利が変動しても、5年間は返済額が変わらないというものです。これにより、急激な金利変動でもキャッシュフローが安定します。
また、1.25倍ルール(125%ルール)は、5年ごとの見直しで返済額が増える場合でも、前回の返済額の1.25倍までしか返済額が上昇しないというものです。
例えば、5年目の返済額が10万円なら、6年目以降の返済は12.5万円が上限になります。
しかし、返済額は同じでも金利が上昇すれば、支払利息が増えるため、元本がなかなか減らず、返済期間が終了時に残った元金を一括返済しなければならない状況になるかもしれません。
金利が急上昇した場合、このルールの下で、繰り上げ返済などの対策を検討する必要があります。
当初固定金利
当初固定金利は、借り入れ申し込み時に期間を選択し、その期間中は金利が固定されます。
期間が終了すると、金利の見直しが行われ、その時の金利状況に応じて金利が再設定されます。
- 期間中の金利安定: 選択した期間中は金利が変動しないため、毎月の返済額が一定となり、家計管理がしやすくなります。
- 金利上昇リスクへの備え: 将来的な金利上昇リスクに対して、選択期間中は備えることができます。
- 期間後の金利再設定: 選択期間満了後は、その時点の金利状況で金利が再設定されるため、金利上昇時には返済額が増加する可能性があります。
- 金利上昇時の借り換え困難: 金利上昇時には、他の金利も上昇している可能性が高いため、借り換えが困難になる可能性があります。
当初固定金利のメリットは、期間中金利が固定され、例えば10年間は金利上昇による返済変化がなく、教育費などの支出に対応できることです。
ただし、期間終了後の金利の再設定で返済額が増加し、借り換えも難しくなります。
金利変動リスクに備え、期間終了時の出費とタイミングを注意深く確認する必要があります。
全期間固定金利
全期間固定金利は、利率が融資実行から完済まで一定です。
- 返済総額の確定: 融資実行時点で返済総額が確定するため、資金計画が立てやすく、家計管理がしやすくなります。
- 金利変動リスクの回避: 返済期間中の金利変動リスクがないため、将来的な金利上昇による返済額増加の心配がありません。
- 金利が高い: 変動金利よりも金利相場が高いため、利息の負担が大きくなります。
- 金融機関の選択肢が少ない: 不動産投資ローンで固定金利を取り扱っている金融機関が少ないため、好条件での融資が難しい可能性があります。
融資時に返済総額が確定し、収支管理がしやすくなります。また、金利変動リスクがなく、修繕や設備投資の計画も立てやすいです。
一方、固定金利は変動金利よりも金利相場が高く、利息負担が増えます。
また、固定金利を提供する金融機関が少ないため、融資条件が良いローンを組むことが難しいことがあります。
低金利の不動産投資ローンを組む方法
低金利の不動産投資ローンを組む方法は以下の通りです。
- 変動金利を選ぶ
- 自身の属性評価を高める
- 複数の金融機関を比較する
それぞれのポイントについて紹介していきます。
変動金利を選ぶ
変動金利には、金利が上昇するとローンの返済額が増加し、結果として返済総額が増えるリスクがあります。
しかし、低金利時代には固定金利よりも返済総額を少なくすることができる点がメリットです。
現在は超低金利時代が続いているため、変動金利でローンを組むのが有利な場合があります。
この方法では、一定期間ごとに金利を見直すことができます。
金利が低い期間は返済額が抑えられ、その分を他の投資や貯蓄に回すことができます。
一方で、将来的に金利が上昇するリスクに備えることも大切です。
例えば、急な金利上昇に対応できるように、余裕を持った返済計画を立てておくことが重要です。
また、必要に応じて固定金利への切り替えを検討することもリスク管理の一つとして有効です。
このように、現在の超低金利の状況を活かし、変動金利でローンを組む方法は有利ですが、金利の動向に注意を払い、柔軟に対応できる準備をしておくことが大切です。
自身の属性評価を高める
不動産ローンの審査では、返済能力が重要視され、ローン申込者の属性が融資額や金利に影響します。
属性評価が高ければ、融資額の上限が増えるだけでなく、低金利の特典も得られることがあります。
自身の属性を高めることで、不動産投資ローンにおいて金融機関から低金利などの好条件で融資を受けられる可能性が高まります。
- 自己資金を用意する
- 使用頻度の低いクレジットカードを解約する
- 他のローンを繰り上げ返済する
上記の対策をとることで、不動産投資ローン審査を有利に進められます。
自己資金を用意することで、借入額を抑えることができ、毎月の返済の負担を軽減できます。
また、使用していないクレジットカードの解約や他のローンの繰り上げ返済は、返済比率を下げ、不動産投資ローンの審査に通過しやすくなります。
ただし、繰り上げ返済は資金の使途やローン条件を総合的に考慮してから検討するようにしましょう。
このように、属性評価を高めることで、審査にも通りやすくなり低金利で融資を受けることもできます。
複数の金融機関を比較する
不動産投資ローンの金利を抑える方法の一つは、複数の金融機関に相談することです。
金利や審査基準はそれぞれ異なるため、複数の金融機関で条件を比較検討することで、より低金利の金融機関を選ぶことができます。
例えば、メガバンク、地方銀行、信用金庫などに問い合わせて、各金融機関が提示する金利条件を確認します。
金利が低いほど、返済総額が少なくなります。また、審査基準も金融機関ごとに異なるため、ある金融機関で審査に通らなかった場合でも、別の金融機関で審査に通ることがあります。
また、既に口座を開設している金融機関でローンを申し込むと、審査が通りやすくなる可能性があります。
過去の取引を通じて信用を築いている場合、その金融機関でのローン審査が有利になることがありますので、活用することもおすすめです。
このように、複数の金融機関を比較し、適切な条件を見つけることで、不動産投資ローンの金利を抑えることができます。
不動産投資で金利のシミュレーション
不動産投資ローンを利用する際は、返済額を把握することが肝要です。
例えば、2,000万円を25年で返済する場合、金利の差がいかに返済額に影響するかを把握しましょう。
金利 | 毎月の返済 | 返済総額 | 利息 |
金利1%のケース | 75,000円 | 22,500,000円 | 2,500,000円 |
金利1.8%のケース | 83,000円 | 24,900,000円 | 4,900,000円 |
金利2.5%のケース | 90,000円 | 27,000,000円 | 7,000,000円 |
金利3%のケース | 95,000円 | 28,500,000円 | 8,500,000円 |
金利3.5%のケース | 100,000円 | 30,000,000円 | 10,000,000円 |
金利4%のケース | 106,000円 | 31,800,000円 | 11,800,000円 |
金利4.5%のケース | 111,000円 | 33,300,000円 | 13,300,000円 |
金利5%のケース | 117,000円 | 35,100,000円 | 15,100,000円 |
都市銀行で1%前後の金利で借入する場合と、ノンバンク系で5%程度の金利で借入する場合では、月々の返済負担には約3万円の差が生じます。
そして、総返済額には1,000万円以上の差が出ることもあります。
返済負担をできるだけ軽減するために低金利のローンを選択し、できる限り短期間で返済を完了させる計画を立てることが重要です。
不動産投資ローンを利用するときの注意点
不動産投資ローンを利用するときの注意点は以下の通りです。
- 利息がかかる
- 金利上昇リスクがある
- ある程度の頭金が必要になる
それぞれの注意点について紹介していきます。
利息がかかる
不動産投資では、融資額が大きく、返済期間も長いため、支払利息が大きな負担となります。
低金利のローンを利用することで、長期的な利息負担を大幅に軽減できます。
また、繰り上げ返済を行うことで返済期間を短縮し、総支払利息を減らすことも効果的です。
繰り上げ返済とは、毎月の返済額とは別に余剰資金を投入して、前倒しで返済する方法です。これにより、元本が早く減少し、利息の支払いも少なくなります。
例えば、毎年のボーナスや臨時収入がある場合、その一部を繰り上げ返済に充てることで、返済期間を短縮できます。
このように、低金利のローンを選び、繰り上げ返済を積極的に行うことで、不動産投資における支払利息の負担を抑えることができます。
金利上昇リスクがある
不動産投資において、変動金利を選択する際は金利上昇リスクに注意が必要です。
変動金利は半年ごとに見直されるため、途中で金利が上昇する可能性があります。
金利は固定金利より低く、利息も減る傾向がありますが、途中で金利が上昇すると実質利回りが低下します。
金利上昇リスクへの対策は、以下の通りです。
- リスクを考慮したローン選択:ローンの借入額や返済期間を慎重に検討することで、金利が上昇した場合でも支払いの負担を軽減することができます。
- 固定金利の選択:固定金利を選択することで、一定期間金利が変動せず、支払い額が安定します。
- 繰り上げ返済の検討:余裕資金がある場合、金利上昇に備えて繰り上げ返済を行うことで、ローン残高を減らし、支払いリスクを軽減します。
これらの対策を組み合わせることで、金利上昇リスクに対する適切な対応が可能です。
このように、返済期間が長いほど金利上昇リスクが高まるため、変動金利を選ぶ際は慎重に検討する必要があります。
ある程度の頭金が必要になる
不動産投資ローンを組む際には、一般的にある程度の頭金が必要です。
通常、物件価格の10%〜20%程度の頭金を用意することが求められることがありますが、条件や金融機関によって異なります。
費用 | 内容 | 費用目安 |
不動産仲介手数料 | 物件を売買する際に仲介業者が受け取る報酬 | 物件価格の3%+6万円 |
不動産投資ローンの事務手数料 | 融資を受ける際に金融機関に支払う手数料 | 定額制:3万円ほど(定率制:借入金額の1%~3%) |
不動産投資ローンの保証料 | ローンの保証会社に支払う手数料 | 一括払い:借入金額の2%金利上乗せ:0.2%~0.3% |
印紙代 | 契約書に貼り付ける印紙の代金 | 契約書の内容による累進課税 |
登録免許税 | 不動産登記にかかる税金 | 所有権保存登記:4% 所有権移転登記:2% 抵当権設定登記:借入金額の0.4% |
固定資産税・都市計画税 | 毎年1月1日時点の不動産所有者が納税する地方税 | 固定資産税:固定資産税評価額の1.4% 都市計画税:固定資産税評価額の0.3% |
司法書士報酬 | 不動産登記の手続きを依頼する際の報酬 | 10万円ほど |
火災保険料 | 物件の火災に備えて加入する保険料 | 10年間で10万円程度 |
頭金を用意することで、ローンの借入額が減少し、返済負担が軽減され、金利負担が低減されるため、投資家にとってもメリットが大きいです。
このように、不動産投資ローンを利用する際は、物件価格の10%〜20%程度の頭金が必要になるので準備するようにしましょう。
まとめ
今回は、「【借入先別】不動産投資ローンの金利相場」や「低金利の不動産投資ローンを組む方法」などについて紹介してきました。
【借入先別】不動産投資ローンの金利相場 | |
金融機関 | 金利相場 |
メガバンク・都市銀行 | 1%~2% |
地方銀行 | 1%~4% |
信用金庫・信用組合 | 2%~3% |
ノンバンク | 3%~5% |
上記のように、金利が低いのはメガバンク・都市銀行・地方銀行になります。
しかし、メガバンク・都市銀行は金利が低い分、審査を通過する難易度が高くなる傾向があります。
一方、ノンバンクや信用金庫は、独自の審査基準を設けているため、比較的審査に通る可能性は高いです。
メガバンク・都市銀行・地方銀行の審査で落ちても、ノンバンクや信用金庫では審査に通ることもあります。
- 変動金利を選ぶ
- 自身の属性評価を高める
- 複数の金融機関を比較する
変動金利は金利上昇時の返済増加リスクがあるが、低金利時は返済総額が少なくなります。
現在は超低金利なので変動金利でのローンを組み、一定期間で金利見直しをすることがおすすめです。
また複数の金融機関の条件を比較して、低金利で利用できるローンを選ぶことも大切です。既に口座開設していて取引実績があれば審査が通りやすくなることもあります。
不動産投資ローンは、低金利で借入することで返済額を抑えることができ、経済的負担を軽減することができるので慎重に選ぶようにしましょう。
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