賃貸退去時の費用相場について知りたいと悩んでいませんか?
この記事では「賃貸退去費用の相場」について紹介をしていきます。
賃貸退去時の費用相場は、居住年数・部屋の間取り・部屋の広さ・修繕費用によって大きく異なりますので、注意する必要があります。
ぜひこの記事を参考に、賃貸退去時の費用相場について理解を深めてみてください。
賃貸退去時の費用とは?
賃貸物件から退去する際の費用は、以下の2つに分けられます。
- ハウスクリーニング費用
- 原状回復義務を果たす費用
それぞれの費用を解説します。
ハウスクリーニング費用
ハウスクリーニング費用とは、専門業者による清掃サービスにかかってしまう費用を指します。
具体的なサービス内容については、以下が挙げられます。
- キッチン
- トイレ
- 浴槽
- エアコン
- ベランダ
- 床の清掃
- 汚れた壁紙の清掃
- 張り替え
- 床のワックスがけ
しかし、ハウスクリーニング費用は必ず発生するわけではなく、入居時の契約書に記載がある場合のみ費用が発生するので、あらかじめ契約を確認しておきましょう。
ハウスクリーニング費用が明らかに高額である場合には、法律違反となっている可能性があるので、少しでも違和感を覚えたら不動産会社やコールセンターなどに相談することをおすすめします。
原状回復義務を果たす費用
「原状回復義務を果たす費用」とは、住み始めた部屋の状態に戻すために必要な費用を指します。
借主だけではなく、大家さんの双方が負担する費用で、負担する費用については国土交通省が出しているガイドラインによって定められています。
以下で、原状回復費用の負担区分と通常損耗・経年劣化について解説します。
原状回復費用の負担区分
原状回復費用の負担区分は、以下のとおりです。
負担区分 | 項目 | 内容 |
借主の負担 | 手入れを怠ったもの | ・飲みこぼし等の手入れ不足によるカーペットのシミ・冷蔵庫下のサビを放置した床の汚損・風呂・トイレ等の水垢、カビ等・日常の清掃を怠ったため・付着した台所のスス・油・結露を放置して拡大したカビ・シミ・ クーラーからの水漏れを賃借人が放置して発生した壁等の腐食・戸建て住宅の庭に生い茂った雑草の除去 |
用途違反 | ・日常の不適切な手入れもしくは用法違反による設備の毀損 | |
不注意によるもの | ・賃借人の不注意によるフローリングの色落ち・引越作業等で生じた引っかきキズ・鍵の紛失または破損による取替え | |
通常の使用とは言えないもの | ・喫煙によるヤニ等でクロスが変色したり臭いが付着している場合・重量物をかけるためにあけた壁等の釘穴・ビスで下地ボードの張替えが必要なもの・天井に直接付けた照明器具の跡・落書き等故意による毀損ペットにより柱等にキズが生じ、または臭いが付着している場合 | |
大家さんの負担 | 通常の住まい方で発生するもの | ・家具の設置による床・カーペットのへこみ、設置跡・テレビ・冷蔵庫等の後部壁面の黒ずみ(電気ヤケ)壁に貼ったポスター等によるクロスの変色、日照など自然現象によるクロス・畳の変色、フローリングの色落ち・賃借人所有のエアコン設置による壁のビス穴・跡下地ボードの張替えが不要である程度の画鋲・ピンの穴・設備・機器の故障・使用不能(機器の寿命によるもの) |
建物の構造による発生するもの | ・構造的な欠陥により発生した畳の変色、フローリングの色落ち、網入りガラスの亀裂 | |
次の入居者確保のために行うもの | ・特に破損等していないものの、次の入居者を確保するために行う畳の裏返し・表替え、網戸の交換、浴槽・風呂釜等の取替え、破損・紛失していない場合の鍵の取替え・フローリングのワックスがけ、台所・トイレの消毒、賃借人が通常の清掃を行っている場合の専門業者による全体のハウスクリーニング、エアコン内部の洗浄 |
参照元:全国賃貸不動産管理業協会
また、ガイドラインに記載されている原状回復の定義として、通常の使用が可能で、故意に付けた傷などがない状態であれば借主には支払い義務は生じないとされています。
そのため、借主は退去時に住み始めた際の綺麗な状態に戻す必要はないので、事前に確認をしておきましょう。
通常損耗と経年劣化の費用は含まれない
通常損耗と経年劣化の費用については、家主が負担するので、借主が支払う費用には含まれません。
具体的に、通常損耗と経年劣化の項目については、以下があります。
- 家電の裏にある電気焼け
- 壁紙やポスター、時計の設置などによる軽度の穴
- フローリング・畳・壁紙の日焼け
- 家具の設置跡など、通常利用によるへこみや傷
しかし、借主自身が物件に汚れや傷を付けてしまった場合は、借主の負担による原状回復義務が生じます。
原状回復をめぐるトラブルを予防するためにも、退去時の費用で判断が難しい場合には、ガイドラインを確認するようにしましょう。
賃貸退去時の費用相場
賃貸退去時に原状回復及びハウスクリーニングを行う場合、費用は以下の要素が影響します。
- 居住年数
- 部屋の間取り
- 部屋の広さ
- 修繕費用
これら要素が費用にどの程度影響するのか、相場もあわせてご説明します。
居住年数
居住年数の費用相場は、以下のとおりです。
居住年数 | 費用相場 |
~3年 | 約49,000円 |
4年~6年 | 約61,000円 |
~7年 | 約87,000円 |
基本的に、居住年数が長くなると、賃貸退去時の費用が高くなります。
しかし、居住年数が10年を超えたあたりで、退去時の費用が安くなることもあります。
その理由は、経年劣化です。
壁の色褪せや汚れ、台所や風呂などの設備は、長年使い続けることによって劣化します。
そうしてできた細かな汚れやシミは経年劣化とみなされるため、借主が原状回復を行う必要がなくなります。
そのため、長年住み続けた場合、ハウスクリーニングや原状回復の負担が借主ではなく大家さんの負担になるため、退去費用が安くなる可能性があるのです。
部屋の間取り
部屋の間取りの費用相場は、以下のとおりです。
間取り | 費用相場 |
ワンルーム、1K、1DK、1LDK | 約50,000円 |
2K、2DK、2LDK | 約79,000円 |
3DK、3LDK、4K、4DK、4LDK | 約90,000円 |
上記のように、部屋の数が多ければ費用負担が大きくなる傾向です。
しかし、部屋の形などによっても、費用負担が高くなるケースもあるので、あらかじめ注意が必要です。
部屋の広さ
部屋の広さの費用相場は、以下のとおりです。
平米数 | 費用相場 |
91~ | 約3,000円 |
90~81 | 約2,300円 |
80~71 | 約2,200円 |
70~61 | 約1,800円 |
60~51 | 約1,500円 |
50~41 | 約1,400円 |
40~31 | 約1,200円 |
30~21 | 約1,100円 |
20~15 | 約1,000円 |
部屋が広くなると、修繕しなければならない範囲も広くなるので、費用相場が高くなります。
逆に、部屋が狭いことによって、傷や汚れなどが目立ってしまい、退去費用が高くなってしまうケースもあります。
修繕費用
修繕費用の費用相場は、以下のとおりです。
修繕の種類 | 費用相場 |
壁や天井のボート取り替え | 30,000~60,000円 |
壁や天井の壁紙の張替え | 30,000~40,000円 |
キッチンの汚れのクリーニング | 15,000~25,000円 |
カビや水垢のクリーニング | 5,000~20,000円 |
床材のクリーニング | 8,000~15,000円 |
修繕の費用相場はあくまで相場で、傷や汚れの範囲によっても変わるので、あらかじめ注意が必要です。
修繕費用をなるべく抑えるには、自分で掃除ができる範囲で行うようにしましょう。
退去費用を抑えるコツ
退去費用を抑えるコツについては、主に以下の3つが挙げられます。
- 可能な範囲で掃除をする
- 管理会社と交渉する
- 日頃から掃除をしておく
それぞれの項目を解説します。
可能な範囲で掃除をする
退去する前に、可能な範囲で掃除をすることで、退去費用を抑えることにもつながります。
例として、キッチンの油汚れやお風呂場の水垢・カビなど掃除をすることで、業者に依頼する費用を抑えることが可能です。
また、業者に依頼しない場合でも、部屋を綺麗な状態にしておくだけでも、管理会社が受ける印象が良くなり、費用を抑えることにもつながります。
このように、自分のできる範囲で掃除することをこころがけましょう。
管理会社と交渉する
管理会社と交渉することで、退去費用を抑えられるケースがあります。
交渉する際には、ガイドラインをもとに交渉をすることで、お互い納得して交渉を行うことにつながります。また入居時に「証拠となる写真を撮って比較する」などをしておくことで、紛争をスムーズに解決する有効な手段になります。
もし管理会社と交渉と感じる場合は、友人や家族と一緒に交渉するのも良いでしょう。
日頃から掃除をしておく
日頃から掃除をしておくことも、退去費用を抑える上で重要なポイントです。
床や壁などの汚れが蓄積してしまうと、取替えが必要となり、余計な費用がかかってしまう原因となります。
また、日頃から掃除をしておくことによって、部屋を綺麗にする意識を持つことができるメリットも挙げられます。
賃貸退去時によくあるトラブル
賃貸退去時によくあるトラブルとして、以下があります。
- 入居前からある汚れやキズなどの修繕費が請求された
- 敷金が返金されなかった
- 法外な請求をされてしまった
それぞれのトラブルを解説します。
入居前からある汚れやキズなどの修繕費が請求された
賃貸退去時によくあるトラブルとして、入居前からある汚れやキズなどの修繕費が請求されたというケースもあります。
入居前からある汚れやキズは借主が支払う必要はありませんが、写真のような証拠を残しておかないとトラブルの原因にもなるので注意が必要です。
また、不意にものを落として床を傷付けてしまったなどの事故による損傷は、借主が支払う必要があります。
しかし、入居者が「家財保険」に加入することで、万が一、事故や火災などによって損害を与えたときに補償してもらうことが可能ですので、少しでも不安な方は加入することをおすすめします。
敷金が返金されなかった
入居時に敷金を支払ったのにも関わらず、敷金が返金されなかったというケースもあります。
一般的には、入居時に敷金を支払っていれば、退去費用は敷金から差し引かれて、その差額が戻されます。
しかし、差額分があるはずなのに敷金が戻ってこないというトラブルも多いので注意が必要です。
その他、敷金礼金無し物件に関するリスクと対策はこちらの記事でご紹介しています。
法外な退去費用を請求をされてしまった
退去費用として、本来支払う必要のない法外な費用を請求されてしまったというケースもあります。
具体的には、ガイドラインを無視して、払う必要のない原状回復費用まで請求されるというケースです。
請求金額の中に支払う必要のない費用が含まれていることに気付かず、そのまま支払ってしまっている方も多くいます。
請求金額が高額な場合、請求書の内容がガイドラインに沿っているか確認し、支払う必要がない費用まで含まれていないかをチェックしましょう。
退去費用が高い場合に確認すべきポイント
退去費用が高い場合に確認すべきポイントについては、以下があります。
- 高額になってしまう要因がどこにあるか確認する
- 消費生活センターに相談してみる
それぞれのポイントを解説します。
高額になってしまう要因がどこにあるか確認する
退去費用が高い場合に確認ポイントとして、高額になってしまう要因がどこにあるか確認しましょう。
例として、以下のような場合は、退去費用が高額になりやすいです。
- 鍵の破損
- タバコのヤニがひどい
- ペットの臭いがひどい
- 部屋のキズや汚れがひどい
上記のようなケースで、全面張り替えやクリーニングが必要だと「10万円以上」の退去費用がかかってしまう場合もあります。
このように、余計な出費をしないためにも、部屋でタバコを吸ったり、鍵を破損してしまわないように注意しましょう。
消費生活センターに相談してみる
退去費用が高くて、大家さんと揉めている場合には、消費生活センターに相談するようにしましょう。
消費生活センターとは、消費者関連の法律に基づいて、解決のためのアドバイスをしたり、被害の回復を目的としています。適切なアドバイスや助言をもらえるので、お互いが納得して解決することにもつながります。
また、消費者生活センターホームページには賃貸住宅関連のトラブルに関する事例が掲載されていたり、過去の事例の解決策が掲載されていたりと、トラブルの対処法も調べられます。
無料で相談もできますので、解決が難しいのであれば消費生活センターに相談してみましょう。
まとめ
今回は、賃貸退去時の費用相場について知りたい方に向けて、退去費用を抑えるコツや退去費用が高い場合に確認すべきポイントを紹介しました。
賃貸退去時の費用については、以下の2つに分けられます。
- ハウスクリーニング費用
- 原状回復義務を果たす費用
また、賃貸退去時の費用が高い場合に確認するべきポイントを把握しておくと、トラブルを防ぐことにもつながります。
ぜひこの記事を参考に、賃貸退去時の費用相場を把握しましょう。
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