不動産投資の利回りは何%が理想?相場・計算方法をわかりやすく解説

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物件選びでよく聞く「利回り」という言葉について、一体何%が適正なのか悩んでいませんか?

この記事では、不動産投資における理想の利回りの目安や計算方法、エリア別の傾向を解説します。読み終わると、失敗しない物件選びの基準を持てるようになり、具体的なアクションに移せるようになります。

この記事でわかること
  • 不動産投資における理想の利回り
  • 利回りの相場
  • 利回りの計算方法

結論として、不動産投資の理想の利回りは、投資目的で変わります。副業として安定収入を得たいなら実質利回り3〜4%、本業として生計を立てたいなら8%以上が一つの目安です。

ただし『高利回り=good』ではなく、リスクに見合っているかが最重要です。以下で根拠と見極め方を解説します。

目次

不動産投資に重要な「利回り」には種類がある

不動産投資の利回りは、物件価格に対する年間の収入や利益の割合を指します。不動産投資は高額な投資であるため、どの物件を選ぶのか決定する上で利回りは非常に重要な指標です。

なお、利回りには大きく分けて「表面利回り」「実質利回り」の2つがあり、さらに算出の前提によって「想定利回り」「現行利回り」に分けて考えることもあります。まずは基本となる表面利回り・実質利回りから押さえていきましょう。

表面利回りは購入価格に対する年間賃料収入の割合

表面利回りは、物件の価格に対して現時点で家賃収入をどの程度得られているかわかる収益性の指標で、「グロス利回り」とも呼ばれます。この指標は、単純に不動産物件がどれだけの家賃収入を生み出しているかを示すため、初心者でも理解しやすいといえるでしょう。

しかし、表面利回りだけで物件を評価するのは危険です。

なぜなら、この指標は運営コストや空室率などの支出面を考慮していないためです。実際の投資収益を評価するためには、次に解説する実質利回りなど他の指標も合わせて検討することが重要です。

実質利回りは表面利回りから諸経費を差し引いたもの

収入と支出のバランス_画像

実質利回りとは、物件購入時にかかる諸費用なども考慮して算出する収益率です。諸費用を細かく計算するほど、実態に近い数字になります。不動産購入時・運営時にかかる主なコストは以下の通りです。

諸費用の例
  • 登記費用
  • 司法書士への報酬
  • 仲介手数料
  • 不動産取得税
  • 火災保険料、地震保険料
  • 固定資産税
  • 都市計画税
  • 管理委託手数料
  • 修繕費
  • 修繕積立金など

なお、突発的なトラブルで修繕費が大きく膨らむこともあるので、ある程度余裕をもって見積もるように心がけるとよいでしょう。

想定利回りは満室経営を想定した際の利回り

想定利回りは、すべての部屋が入居者で埋まっている満室状態を想定して算出する利回りのことです。

一般的に、広告などで掲載されている利回りは「想定利回り」になっていることが多いですが、物件が常に満室とは限りません。あくまで潜在的な収益性を評価するものと認識しておきましょう。

現行利回りは現行の入居状況に基づいた利回り

現行利回り現在の入居状況に基づいて計算します。想定利回りと異なりリアルな入居状況を反映した数値が分かりますが、諸費用は含まれていない点に注意が必要です。

不動産投資においては実質利回り重視がおすすめ

不動産投資において、最も重視すべき指標は実質利回りです。表面利回りは一見高い数値を示すことがありますが、実際の収益性を反映しているとは限りません。

実質利回りは、管理費や修繕費、税金などの経費を差し引いた後の純利益を基に算出されるため、実際のキャッシュフローを把握する上で非常に重要です。

そのため、実質利回りを基準にすることで、物件の収益性をより正確に把握でき、リスクを抑えた投資判断につなげやすくなります。特に長期運用を前提とする場合、実質利回りを基準に物件を選ぶことで、購入後のキャッシュフローのブレを抑えやすくなります。

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不動産投資の理想の利回りと最低ラインは目的で異なる

不動産投資において、利回りの理想的な数値や最低ラインを一概に決めるのは難しいことです。

なぜなら、不動産投資には多様な種類があり、投資の目的、そして個々のリスク許容度に応じて理想とされる利回りや最低ラインは異なるからです。

たとえば、「本業とは別に月数万円の副収入が欲しい」と考える方と、「不動産投資を本業にしたい」と考える方とでは目的もリスクも違うので、それぞれに合った投資対象が必要ですよね。

ここでは、投資目的とリスク許容度別の理想利回りについて確認していきましょう。

不動産投資を副業感覚でする実質利回りの目安は3%から4%

「本業とは別でお小遣い程度の収入がほしい」「老後に向けて安定した資産形成をしたい」など、不動産投資を副業感覚で行う場合は、利回り3から4%が期待できる比較的低リスクな物件への投資がおすすめです。低利回りの物件はさまざまな付加価値を持っていることが多いため、空室率が低く、安定した収入を見込むことができます。

都心の新築区分マンションの場合は実質利回り3〜4%が目安です。物件タイプによって目安は異なるため、後述の物件タイプ別の利回りも参考にしてください。

【関連記事】不動産投資の利回りは何%が最低ライン?収益を確保するための基準と注意点を解説

本業とする実質利回りの目安は8%以上

不動産投資を本業にする場合は、利回りが8%以上の高い物件を購入して運用することを検討しましょう。高い利回りを持つ物件は収益性が相応に高く、成功すれば不動産所得だけで十分な生計を立てられる可能性があります。

ただし、高利回りの物件にはいくつかの注意点があります。

一つ目は、多くが地方エリアに位置するか、築年数が経過した物件であるという点です。そのため、空き室リスクが高めであることを理解しておく必要があります。

また、築年数が経過した物件はリフォームやメンテナンスの必要性も想定されるため、利回りはその分低くなることもあるでしょう。つまり、高利回りの物件はなんらかの理由で賃貸需要が低く、販売価格が安いため利回りが高く見えているだけかもしれないのです。

高利回り物件への投資はより慎重に行う必要があるので、片手間で運用する方よりも、本業として時間をかけられる方のほうが向いているといえます。

【関連記事】「不動産投資はやめとけ」は本当?失敗する人の特徴と成功へのポイントを徹底解説!

物件タイプ別(区分マンション・一棟アパート・一棟マンション・一戸建て)の理想利回り

物件タイプによって理想の利回りは大きく異なります。一般的な目安は下表のとおりです。

物件タイプ新築の目安中古の目安
区分マンション3〜4%5.5〜8%
一棟アパート8%9〜10%
一棟マンション6%7〜8%
一戸建て10%15%

一棟アパートが区分マンションより高い目安となっているのは、建物全体の維持管理や修繕の負担をオーナーが直接負う必要があり、管理の手間や修繕リスクが大きい分、収益性で補う必要があるためです。

一戸建ては地域差が大きく、地方では上記を大きく上回るケースもあります。あくまで参考値として、実質利回りに換算したうえで判断することが重要です。

新築と中古で理想の利回りはどう違うか

新築物件は購入価格が高いため利回りは低くなりますが、修繕費がほとんどかからず空室リスクも抑えやすいという特徴があります。区分マンションなら3〜4%でも、安定収益を見込めるケースは少なくありません。

中古物件は購入価格が低い分、利回りは高くなります。ただし、修繕費・リフォーム費用が発生しやすく、入居率を維持するために家賃を下げざるを得ない状況も起こりえます。そのため、中古物件で収益を上げるには新築より高い利回りを確保することが前提であり、同じ5%でも新築と中古では実質的な収益性が異なると理解しておきましょう。

【関連記事】不動産投資の利回りは何%が最低ライン?収益を確保するための基準と注意点を解説

不動産投資における利回りの計算方法

不動産投資における利回りの計算方法は、以下の2パターンあります。

  • 表面利回り
  • 実質利回り

表面利回りの計算方法は、比較的シンプルな計算方法で、誰でも利回りを計算できます。

一方で、実質利回りの計算方法は、表面利回りよりも少し複雑なため、これから紹介する計算式を参考に計算することがおすすめです。

表面利回りはシンプルな計算方法

表面利回りの計算式

個人による不動産投資の世界で「利回り」と表現される場合は、表面利回りを指すことが一般的です。

計算方法はシンプルで【年間の家賃収入 ÷ 税込物件価格 × 100 = 表面利回り】となります。ここでの物件価格は、諸費用を含まない購入価格(税込)を指します。

実質利回りは複雑な計算方法

実質利回りの計算式

実質利回りは不動産投資における重要な指標の1つで、運営時や購入時のコストも加味した収益割合がわかります。

この指標は、ネット利回りやNOI利回り(NOIはNet Operating Incomeの頭文字をとったもの)とも呼ばれます。

表面利回りがコストを含めず算出するのに対し、実質利回りは購入時や運営時のコストを考慮するため、より実際の収益性を反映した指標となります。

「表面利回りは高いけれど、実質利回りを計算してみたらそこまでコストパフォーマンスが良くなかった」というケースはよくあるので、不動産を比較する際は実質利回りで判断することがおすすめです。

不動産投資における利回りの相場

ここでは、不動産投資における利回りの相場について確認していきましょう。

日本不動産研究所によると3.7%〜5.0%

2025年11月27日に発表された日本不動産研究所の「不動産投資家調査(第53回)」によれば、ワンルームタイプの期待利回りは3.7%〜5.0%が相場となっています。なかでも東京の城南地区は3.7%と、他都市と比較しても利回りは比較的低い水準となっています。

ファミリータイプの物件は3.8%と、ワンルームタイプと近い水準ながら若干利回りが高いものの、その分リスクが増すとも考えられます。

いずれにせよ、東京の不動産市場は投資家にとって資産価値の増加と将来の需要が魅力的である一方、利回りが低い傾向です。これを踏まえて、投資家はリスクとリターンをバランスよく考え戦略を検討する必要があります。

参考:【公表資料】第53回不動産投資家調査(2025年10月現在)を公表|一般財団法人日本不動産研究所

健美家の調査では6.50%から18.13%

高い利回りであれば多額の収益を得られると期待しがちですが、利回りの数値だけが成功への鍵ではないという点に注意しましょう。

たとえば、首都圏の物件は他のエリアに比べて利回りが低い傾向にあることがわかります。この情報から、「首都圏は不動産投資には向いていない」と考えるかもしれません。

しかし、東京は地方からの移住者が絶えず流入し、賃貸需要が常に高い状態にあります。このため首都圏の物件は、地方に比べて空室リスクを抑えやすい傾向があります。ただし同じ首都圏でも駅距離や築年数によって空室リスクは変わるため、個別物件ごとの見極めは欠かせません。

不動産投資を検討する際は利回りの数値だけにとらわれず、最新の市場動向や立地調査なども含めて判断することが大切です。

参考:区分マンションの全国平均利回りが調査開始以降最低の6.50%に「収益物件市場動向マンスリーレポート」2026年5月期|不動産投資の健美家

参考:「収益物件市場動向マンスリーレポート」2026年5月期 PDF|不動産投資の健美家

不動産投資の利回りは首都圏よりも地方が高い

不動産投資において、一般的に地方の物件の利回りは首都圏よりも高い傾向があります。なぜなら、地方物件の価格が比較的低いため、同じ賃料収入でも利回りが高く計算されるからです。

しかし、地方では人口減少や経済的な影響で賃貸需要が減少するリスクが高く、空室率が上昇しやすい点がデメリットです。そのため、地方物件の利回りの高さだけでなく、将来的な賃貸需要や地域経済の動向にも目を向けることが重要になります。

【関連記事】地方マンション投資は危険?メリット・リスクと失敗しないエリア選び

成長都市福岡

【物件例あり】不動産投資の利回りをシミュレーション

シミュレーションを行う際は、できるだけ詳細な情報を基に計算することが大切です。物件の間取りや構造、エリアの家賃相場、運用経費の内容などを調査し、より実態に近いデータを用いることで、精度の高い結果が得られます。

不動産に関する計算をする人_画像

ただし、利回りはあくまで指標の一つであり、投資の成果を保証するものではありません。賃貸需要や立地条件など、他の要素も考慮しながら総合的に判断することが重要です。

新築区分マンションの利回りシミュレーション

【新築区分マンションの例】

・物件:新築(2LDK)
・購入価格:5,500万円
・想定家賃収入:330万円(27.5万円×12か月)
・購入時の諸費用:275万円
・年間管理費:36万円(管理費3万円×12か月)

  • 表面利回り
    (27.5万円×12か月÷5,500万円)×100=5.94%
  • 実質利回り
    (27.5万円×12か月−3万円×12か月)÷(5,500万円+275万円)×100=5.09%

新築の2LDKマンションを仮定した場合、表面利回りは5.94%、実質利回りは5.09%となります。ただし、ここでは管理費だけを諸経費として計算しているので、実際の諸経費(修繕費など)を含めた実質利回りはもう少し低くなることが予想されます。

中古区分マンションの利回りシミュレーション

【中古区分マンションの例】

・物件:中古(2LDK)
・購入価格:4,200万円
・想定家賃収入:192万円(16万円×12か月)
・購入時の諸費用:210万円
・年間管理費:36万円(管理費3万円×12か月)

  • 表面利回り
    (16万円×12か月÷4,200万円)×100=4.57%
  • 実質利回り
    (16万円×12か月-3万円×12か月)÷(4,200万円+210万円)×100=3.53%

上記の中古区分マンションの場合、表面利回りは4.57%、実質利回りは3.53%です。ただし、中古物件はリフォームやメンテナンスに費用がかかることを考慮しておく必要があります。

一棟アパート・マンションの利回りシミュレーション

【一棟アパートの例】

・物件:中古一棟アパート(1K×8室)
・購入価格:8,000万円
・想定家賃収入:576万円(6万円×8室×12か月)
・購入時の諸費用:400万円
・年間管理費:96万円(管理費8万円×12か月)

  • 表面利回り
    (6万円×8室×12か月÷8,000万円)×100=7.20%
  • 実質利回り
    (6万円×8室×12か月-8万円×12か月)÷(8,000万円+400万円)×100=5.71%

中古一棟アパートを仮定した場合、表面利回りは7.20%、実質利回りは5.71%となります。ただし、ここでは管理費・維持費のみを諸経費として計算しているので、実際の諸経費(修繕費・固定資産税など)を含めた実質利回りはもう少し低くなることが予想されます。一棟物件は区分マンションと比べて管理コストが大きくなりやすいため、諸経費を細かく見積もることが特に重要です。

不動産投資においてはシミュレーションを行い、収益性を慎重に評価することが重要です。利益が見込めない場合やリスクが高すぎる場合は、他の物件への投資を検討しましょう。

【関連記事】マンション区分投資の始め方を解説!メリット・デメリットや成功のコツも紹介

高利回りのリスクを見極める6つのチェックポイント

高利回り_チェックポイント

設備が極端に古くないか

設備の老朽化は、空室長期化と購入後の出費増につながるリスクです。バランス釜(古いガス給湯器)や単独浄化槽が残っている物件は、入居者から敬遠されやすく、交換費用が数十万円単位で発生することもあります。現地確認だけでなく、仲介業者に設備のメンテナンス履歴を確認することが重要です。

建物の状態が劣悪ではないか

外壁のひび割れやタイル剥がれ、過去の漏水履歴、シロアリの発生などは、購入後に大規模な修繕を迫られるサインです。こうした問題を抱える物件は、表面上の利回りが高くても、修繕費を加味した実質利回りは大きく下がります。修繕記録や点検履歴の開示を求め、直近の大規模修繕の有無を確認しましょう。

告知事項(事故物件)はないか

自殺・他殺などが発生した物件は、告知義務の対象となります。なお、自然死(老衰・病死等)は原則として告知不要ですが、長期間放置され特殊清掃等が行われた場合は告知が必要です。

事故物件は入居付けが難しく、家賃を相場より低く設定しなければ空室が続くケースがあります。事故物件情報サイトで事前確認したうえで、仲介業者にも直接確認することが望ましいです。ただし、宅建業者にはインターネットサイト等を自発的に調査する義務はないため、仲介業者が把握していない場合もある点には留意が必要です。

参考:国土交通省「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン(PDF)」

再建築が可能か(接道要件・用途地域)

接道要件(建築基準法上、敷地が幅4メートル以上の道路に2メートル以上接していること)を満たさない物件は、建て替えができません。再建築不可物件は融資が通りにくく、売却時にも買い手がつきにくいため、出口戦略を立てることが困難です。役所や現地での接道幅の確認を行うようにしましょう。

参考:国土交通省住宅局市街地建築課「接道規制のあり方について(PDF)」

違法建築ではないか(建蔽率・容積率オーバー)

建蔽率・容積率のオーバー、廊下幅員不足など、建築基準法に違反した状態で建てられた物件は、金融機関からの融資を受けにくくなります。売却時にも同様の問題が生じるため、出口戦略が描きにくい物件です。建築計画概要書と現況を照合し、必要に応じて建築士への調査依頼を検討しましょう。

参考:国土交通省「建築基準法の手続DXのための制度改正について(報告)(PDF)」

入居状況に問題はないか

高入居率に見える物件でも、審査基準を引き下げた強引な入居促進が行われているケースがあります。こうした物件では退去後に同条件での入居が決まりにくく、当初の想定賃料を維持できないリスクがあります。賃貸借契約書の内容や入居者属性を確認し、不自然に低い家賃設定がないかも確かめましょう。

参考:サブリース契約に関するトラブルにご注意ください!|消費者庁

利回りが低くても購入を検討すべき物件の特徴

利回りが低くても購入を検討すべき物件の特徴_図解

利回りが低い物件がすべて候補から外れるわけではありません。低利回りでも長期的な安定収益や資産保全を実現できるケースがあります。

人気エリアで出口戦略が取りやすい

不動産投資は売却して初めてその成否が確定します。人口が流入し続けるエリアの物件は買い手が多く、売却時に適正価格での取引が成立しやすいです。たとえ利回りが3〜4%であっても、出口で損失を出さずに済む可能性が高ければ、投資全体の収益性を確保しやすいといえます。

資産性が高く家賃・物件価値が下がりにくい

立地が優れ、RC造(鉄筋コンクリート造)で管理状態が良い物件は、長期にわたって家賃水準と資産価値を維持しやすいです。月々のキャッシュフローがわずかでも、借入返済を資産形成の手段として活用できますし、インフレ局面では実物資産としての価値が相対的に上がることもあります。

低金利で融資を受けられる可能性がある

資産性の高い物件は金融機関からの評価も高く、低金利での借入が実現しやすい傾向があります。金利が低ければ返済負担が減り、低利回りでもキャッシュフローを黒字に保ちやすくなります。高利回り・高金利の物件と、低利回り・低金利の物件とでは、手元に残る収益が結果的にほぼ変わらないケースもあります。

定期的なメンテナンスが行き届いている

外壁塗装・屋上防水工事・室内の原状回復工事が適切に施されている物件は、購入後の突発的な出費リスクが低くなります。利回りがやや低くても、予期せぬ修繕費が発生しにくい分、収益の安定性は高いといえます。修繕履歴の開示を求め、管理状態を確認することが判断の出発点です。

不動産投資の利回りを改善する方法

利回りは物件購入時に固定されるわけではなく、運用次第で改善できます。

家賃収入を増やす(満室率向上・空室期間短縮)

利回りを高める最も直接的な方法は、家賃収入を増やすことです。そのためには満室に近い状態を保ち、空室が出ても短期間で次の入居者を確保する仕組みが必要です。

具体的には、退去後すぐにクリーニングと修繕を実施する、無料Wi-Fiや温水洗浄便座など入居者に人気の設備を導入するといった取り組みが有効です。周辺の家賃相場を定期的に確認し、適正価格に設定することも空室期間の短縮につながります。

ローンを繰り上げ返済する

まとまった資金を元本返済に充てる繰り上げ返済によって、支払利息の総額を減らし、キャッシュフローを改善できます。

返済期間を短縮する「期間短縮型」は利息の削減効果が大きく、長期的な利回り改善に有効です。月々の返済額を下げる「返済額軽減型」は短期的なキャッシュフローの安定に向いています。なお、金融機関によっては繰り上げ返済に手数料や条件が設けられているため、事前に契約内容を確認しましょう。

リフォーム・設備投資をする

壁紙や床材の張り替え、キッチン・トイレの設備更新といった小規模なリフォームでも、内見時の印象が改善され、入居が決まりやすくなります。空室期間の短縮は実質的な家賃収入の増加につながり、結果として利回りを押し上げます。

ただし、費用対効果の見極めが重要です。100万円のリフォームで家賃が月1万円上がる場合、回収に約8年かかる計算になります。改修内容ごとに費用対効果を試算したうえで実施を判断することが大切です。

不動産投資の利回り以外にみるべきポイント4つ

チェックリストと家の模型と電卓

不動産投資において利回りは重要な指標ですが、優良物件を選ぶ際には他の要素も確認しておかなくてはいけません。ここでは、需要が見込める物件の選び方について見ていきましょう。

立地条件が良く利便性があるか

不動産投資において、物件の立地条件は極めて重要です。優れた立地条件を持つ物件を選ぶことは、安定した運用につながりやすいといえます。

利便性の確認
物件の周辺環境を詳しく調査し、利便性を確認することが重要です。駅や買い物施設が近くにあるかどうかは、入居者にとって重要な選定要素になります。これらが遠い物件は、利便性が欠けていると見なされて空室率が高くなる傾向にあります。

災害リスクのチェック
物件が災害に見舞われやすい地域かどうかを確認しましょう。自治体が公表しているハザードマップを活用して、災害リスクを把握することができます。

価格とリスクのバランス
立地条件が悪い物件は一般的に販売価格が安く、それに伴って利回りが高くなる傾向があります。しかし、このような物件には空室リスクなどが潜んでいることがあるため、不動産投資初心者は要注意です。
一方で、利便性に優れた物件は利回りが低くなる傾向にありますが、空室になりにくく安定的な収益を見込むことができます。

不動産投資においては、物件の立地条件も加味してリスクとリターンのバランスを考えましょう。

10年間で地価が147%UP

築年数が経っていて古くないか

築年数が経過している物件でも、メンテナンス(外壁塗装、原状回復工事など)が行き届いている場合は購入しても問題ないといえるでしょう。

一方、メンテナンスを行っていない物件は高利回りであっても、物件購入後にトラブルが発生し、場合によっては数百万円もの突発的な費用がかかるリスクがあります。

メンテナンスが適切に行き届いている物件は、将来的なリスクやコストの上昇が抑えられ、投資の安定性が高まるといえます。

告知事項で物件の欠陥がないか

告知事項とは、物件に関する重要な情報のことで、購入者が知っておくべき事項を指します。
具体的には、以下のとおりです。

  • 過去の火災履歴
  • 自然災害による被害の履歴
  • 周辺環境の問題(騒音、悪臭など)
  • 建物の構造上の欠陥
  • 土地の履歴(土壌汚染など)
  • 法的制限(建築規制など)

過去に火災があった物件は、入居者の確保が難しくなる可能性があるのです。また、周辺環境に問題がある場合、賃料の低下や空室率の上昇につながる恐れがあります。

したがって、物件を購入する前に、売主や不動産業者から詳細な告知事項を確認することが重要です。

震度6以上の耐震基準を満たしているか

揺れる家の模型

耐震基準を満たしているかどうかも、不動産投資物件選びでは大切なポイントです。耐震基準とは、建築基準法によって定められた基準で、強い地震に耐えられるように設計された建物を指します。

たとえば、1981年に改正された新耐震基準では震度6〜7程度の地震で倒壊しないように設計することが定められています。この新耐震基準を満たしていないと、将来的に売却を検討する際、建物の改修や建て替えリスクが発生するので注意しましょう。

不動産投資は将来にわたる運用を考えるものであり、耐震性が高い物件を選ぶことはリスクを軽減し、資産の保全にも役立ちます。投資用物件を探す際は、耐震基準の確認も怠らないようにしましょう。

【関連記事】不動産投資の物件選びのポイントは?種類や初心者におすすめの物件を紹介

【初心者向け】不動産投資の利回りに関するQ&A

FAQ

ここからは、不動産投資の利回りに関してよくある質問を確認していきましょう。

不動産投資は何年で回収する?

不動産投資の回収期間は多くの要因に左右されますが、一般的な目安は5年~10年程度です。

これは、物件購入時に投じた自己資金を回収するまでの期間を指します。回収期間が長期化した場合は、修繕費用など新たなコストが発生します。

一方で、回収期間を短縮しようとすると、エリアの家賃相場よりも割高な家賃を設定しなければならないなど、無理が生じることもあります。このため、投資家はバランスを取りながら回収期間を考慮することが重要です。

不動産投資の回収期間は計算できる?

はい。不動産投資の回収期間は計算できます。不動産投資の回収期間を計算するためには、まず「CCR(自己資金配当率)」を求める必要があります。

CCRは、物件の購入時に投じた自己資金に対する年間の収益割合を示すもので、以下の計算式で求めることができます。

  • CCR(%)=年間のキャッシュフロー(1年分の家賃収入-1年分の経費)÷自己資金額×100

CCRの計算によって、1年間で自己資金の何%を回収できるか把握できます。このCCRが分かったら、回収期間は以下の式を用いて計算しましょう。

  • 回収期間 = 100% ÷ CCR

購入時の利回りはそのままキープできる?

購入時点で高い利回りを得ても、そのまま維持できるかどうかは簡単に判断できません。というのも、物件の利回りは時間とともに変動することが一般的だからです。

たとえば、物件の築年数が経過すると、入居者の需要が減少する傾向にあります。この場合、入居者を獲得するために家賃の引き下げが必要になるかもしれません。

購入時の高い利回りが持続することを前提に運用計画を立てると、利益が減少した際に必要な出費を賄えなくなるリスクが生じます。不動産投資を検討する際には、家賃が下落する可能性も考慮して適切なリスク対策をしておきましょう。

利回りは物件の値段だけで計算すれば良い?

いいえ。物件の値段だけを考慮して利回りを計算するのは適切ではありません。

不動産投資を運用する際には、さまざまな経費が発生します。たとえば、固定資産税、管理費、修繕積立金など。また、経年劣化により修繕やリフォームが必要になる可能性も考えられます。

当初の収支計画がそのまま適用されるわけではないため、定期的に見直しを行い利回りの計算時にはこれらの経費を考慮することが重要です。

建物の構造は利回りに影響が出る?

はい。建物の構造は不動産投資の利回りに影響を与えることがあります。

主な構造の種類には、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造(RC造)があり、ビルなどの商業物件では鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC造)も見られます。

これらの構造には、建設コストや取得価格の違いがあります。一般的に、木造から鉄骨造、そして鉄筋コンクリート造(RC造)の順に建設コストが高くなり、物件価格も上がるので利回りは低くなるといえます。

ただし、建物の構造だけでなく、立地や物件の状態、周辺環境など他の要素も利回りに影響を与えます。

ちなみに、物件の耐用年数も考慮すべき要素です。通常、木造の物件は耐用年数が短く、鉄骨造、鉄筋コンクリート造(RC造)の物件は比較的長くなります。

耐用年数は経費算入できる減価償却費に大きな影響を与えるため、投資の収益シミュレーションにおいて重要なポイントです。

まとめ

不動産投資は多くの方にとって魅力的な投資方法であり、利回りはその収益性を測る重要な指標です。自身の投資目的やリスク許容度に合わせて、理想的な利回りの投資物件を見つけましょう。

この記事の要点をまとめます。

  • 利回りには「表面利回り」「実質利回り」などの種類があり、投資判断には実質利回りを重視することが重要
  • 副業感覚なら実質利回り3〜4%、本業として運用するなら8%以上が目安
  • 利回りの相場は物件タイプ・エリア・新築中古によって異なり、一概に高い=良いとは言えない
  • 高利回り物件には設備の老朽化・違法建築・告知事項などのリスクが潜んでいる可能性がある
  • 利回り以外にも、立地・築年数・耐震基準・告知事項を総合的に確認することが大切

利回りの基準を正しく理解したうえで、自分の投資目的とリスク許容度に合った物件選びを始めてみましょう。

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