「不動産投資で騙される人は多いの?」
不動産投資は資産形成するのにおすすめですが、リスクも存在します。
悪質な不動産投資会社の営業により、詐欺被害に遭うこともあります。
今回は、「不動産投資で騙されやすい人の特徴」や「不動産投資を成功させるために必要なこと」などを解説していきます。
これから不動産投資を始める方は、ぜひ参考にしてください。
不動産業者に「騙された」と思う投資家は多い
不動産投資は高額な取引であり、そのため騙されると損害も大きいです。
この問題は悪徳業者だけでなく、不誠実な営業手法にも原因があります。
一般的に、業者は物件のメリットや収益の可能性を強調し、リスクやデメリットを伝えてくれないこともあります。
これは不動産業界全体の問題であり、投資金額が大きいために被害も大きくなります。
また、投資家自身も情報や提案を鵜呑みにし、勉強や調査を怠ることでリスクに曝されることがあります。
甘い言葉に惑わされず、リスクを軽視せずに、自身で物件を精査し、適切な判断をする必要があります。
不動産投資には、知識が必要であり、書籍やインターネットからの情報収集だけでなく、経験者からアドバイスをもらうことも大切です。
このように、不動産投資で騙されないためには、自身でも知識を身につけ、情報に頼らずに自ら調査や分析を行ったうえで判断することが重要です。
不動産投資で騙されやすい人の特徴
不動産投資で騙されやすい人の特徴は、以下の通りです。
- 表面利回りだけで判断してしまう
- 将来的な家賃下落を考慮していない
- 修繕費を考慮していない
- 自分で状況把握せず管理会社に任せている
それぞれの特徴を解説していきます。
表面利回りだけで判断してしまう
不動産投資の広告などで頻繁に見かける「想定利回り〇%」は、「表面利回り」であり、物件価格を年間家賃収入で割って算出されます。
しかし、危険なのはこの「表面利回り」だけで投資判断することです。
なぜなら、年間の家賃収入からは必ず差し引かなければならない経費があるからです。
例えば、管理費、修繕費、固定資産税、都市計画税、火災保険料、そして空室リスクなどのコストがあります。
投資判断の基準となるのは、表面利回りから経費を差し引いた後の「実質利回り」です。
実質利回りの計算方法は、年間家賃収入から経費を引いた後に、物件価格で割ります。
(年間の家賃収入-年間諸経費)÷(物件価格+購入時の諸経費)×100
要するに、表面利回りは目安であり、実際の収益性を判断するのは実質利回りで考慮することが大切です。
だからこそ、表面利回りだけでなく実質利回りも確認し、投資判断を誤らないようにしましょう。
将来的な家賃下落を考慮していない
総務省統計局の調査によれば、家賃は毎年約1%ずつ減少しています。
この家賃下落の原因は、建物の経年劣化が挙げられます。
さらに、競合物件の増加や空室対策による家賃の引き下げも影響しています。
新築物件は、需要が高いので空室リスクが低いですが、築年数が古くなると競合物件との差別化が難しくなり、家賃を下げざるを得ない場合もあります。
家賃が下がることで、利回りが低下し、収益が悪化します。
このような家賃下落リスクに対処するためには、以下の対策が必要です。
- 長期的な視点で計画を立てること
- 家賃下落を見込んだ収支シミュレーションを行うこと
- 立地条件や競合物件を考慮して物件を選定すること
家賃下落は不動産投資における重大なリスクです。そのため、計画を立ててリスクに備え、対策をするようにしましょう。
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修繕費を考慮していない
不動産投資をする際に、収支のシミュレーションをすることは必須です。しかし、シミュレーションの際に修繕費が見落とされがちです。
不動産会社に作成してもらった試算表には、修繕費が記載されてない場合もあり、あるいは欄外に小さく補足されることがあります。
さらに、修繕費が過少に算定されることもあります。これは相場よりも低い金額で設定されたり、修繕予算の組み方を知らないために軽視される可能性があるためです。
修繕費は建物の設備や状態によって大きく異なります。共用設備が多い物件ほど、維持する設備が多く修繕費が高くなる傾向があります。
修繕費を見落とすと、実際の収益がシミュレーションよりも低くなり、想定していた利回りとかけ離れてしますので注意するようにしましょう。
修繕費を見積もる方法としては、建物の構造や状態を考慮し、過去の修繕履歴を参考にすることが挙げられます。さらに、専門業者に修繕の見積もりを取ることも可能です。
このように、修繕費は不動産投資における重要なコストであり、シミュレーションに記載されている金額が適切かどうかを確認し、必要に応じて専門家に相談することが重要です。
自分で状況把握せず管理会社に任せている
不動産投資の初心者は、管理会社に全てを委ねてしまう傾向がありますが、これはトラブルの元となります。
問題点は、入居付けが不十分で空室が続くことや、管理会社が業務を怠り、建物の状態が悪化することが挙げられます。
オーナーは、管理会社に任せるだけでなく、自身も物件の状況を定期的に確認し、適切な指示を出す必要があります。
そのためには、物件の状況を定期的に確認し、管理会社とコミュニケーションを取り、問題があればすぐに改善に努めることが大切です。
また、サブリースを選ぶ際には注意が必要です。家賃保証に魅力を感じるかもしれませんが、数年ごとに家賃が大幅に減額されたり、中途解約を申し出られたり、サブリース会社が倒産するリスクがあることに注意が必要です。
契約書類をよく確認し、信頼できる会社かどうかを慎重に判断するようにしてください。
不動産投資で失敗を避けるためには、物件管理とサブリース会社選びに十分な注意を払い、オーナー自身が積極的に情報収集を行い、適切な判断をすることが重要です。
不動産投資を成功させるために必要なこと
不動産投資を成功させるために押えておきたいポイントは、以下の通りです。
- 複数の物件を比較検討する
- 不動産投資のリスクを理解し対策を講じておく
- 自身で収支シミュレーションを作成する
それぞれのポイントについて紹介していきます。
複数の物件を比較検討する
不動産投資はエリア選定と物件選びが重要です。重要なのは、複数の情報源から情報を収集し、物件を比較検討することです。
一つの情報源に依存すると、情報の正確性を判断するのが難しくなります。
将来有望なエリアや魅力的な物件は、すぐに市場に出回ることはありません。
また、不動産会社は自社の物件をアピールするためにセールストークを展開しますが、他の物件と比較して何が優れているのかを検討する必要があります。
例えば、築年数が古い物件は、リフォームや修繕でコストがかかりやすいため、実際の利回りが低下する可能性があります。
また、都心と比べて郊外の物件は、入居者が決まりにくく空室期間が長くなるリスクがあります。
これらのリスクを考慮しながら物件を選定することが大切です。
複数の不動産会社の提案を受ける際には、セカンドオピニオンを求めるなど、慎重に検討することが大切です。
不動産投資のリスクを理解し対策を講じておく
不動産投資は、様々なリスクを把握し、対策を講じることで成功確率を高めることができます。
不動産投資には以下の主なリスクがあります。
- 空室リスクは、入居者が決まらないことや近隣に新しい物件ができるなどの理由で空室が発生し、家賃収入が得られなくなるリスクです。空室が長期化すると、運営が安定しなくなり、失敗する可能性が高くなります。
- 家賃滞納リスクは、入居者が家賃を支払わないことによって家賃収入が得られなくなるリスクです。滞納が発生した場合は回収が必要であり、入居者の審査が甘いとこのリスクが高まります。
- 修繕リスクは、不動産の経年劣化に伴って修繕や改修が必要になるリスクです。床や壁紙、設備などの修繕には多額の費用がかかる場合があります。修繕費用を想定したシミュレーションを行うことが大切です。
このように、不動産投資のリスクは見えやすいので、事前に対策案を考えておくことでリスクを抑えて運営することができます。
リスクの少ない投資
自身で収支シミュレーションを作成する
不動産投資は株やFXなどと異なり、長期的な賃貸事業になります。賃貸事業を健全に運営するためには、数十年にわたる計画が必要です。
多くの投資家は家賃収入を重要視して、経費を見逃す傾向があります。購入時は、様々な経費がかかるので、赤字からのスタートになることが一般的です。
また、空室期間を想定して、空室時のキャッシュフローを含めたシミレーションを行うことも重要です。
シミュレーションの作成時には条件を厳しく設定することが大切です。都心のマンションでも家賃下落や設備修繕などのリスクを考慮する必要があります。
シミュレーションには、家賃下落率や税金、修繕費などを含めるようにしてください。
シミュレーションの作成方法はExcelなどを使って自分で行うことも可能です。難しい場合は、税理士に相談するようにしましょう。
このように、不動産投資で成功するためには、リスクを把握し、条件を厳しく設定したシミュレーションをすることが大切です。
注意すべき不動産会社の特徴
不動産会社の中には、悪質な業者が存在するのも現実です。
騙されないためにも以下の特徴の不動産会社には注意するようにしてください。
- 取り扱っていない物件を広告に載せている
- 物件のメリットのみ説明してデメリットを伝えない
- 高利回りをやたらとアピールする
それぞれの特徴について解説していきます。
取り扱っていない物件を広告に載せている
実際には取り扱っていない物件を広告に掲載することは、「おとり広告」と呼ばれます。
このような広告には、存在しない架空の物件や既に成約済みの物件が含まれていることがあります。
おとり広告を出す会社は、広告を見た顧客を引き付けて他の物件を紹介し、契約を促すことを目的としています。
しかし、宅地建物取引業法などの規制によって、おとり広告は禁止されています。
それにもかかわらず、物件が既に売却済みであるにもかかわらず広告に掲載されたり、誤って架空の物件が掲載されたりすることがあります。
このように、取り扱っていない物件を広告に掲載している不動産業者には注意するようにしてください。
物件のメリットのみ説明してデメリットを伝えない
悪徳業者とは、顧客の利益よりも自身の利益を優先し、不正な手法を利用して取引を行う業者のことです。
彼らは単に取引を成立させることに焦点を当て、顧客のニーズや関心事を無視する傾向があります。
このような業者は、顧客に対してメリットだけを強調して情報を提供し、デメリットやリスクを隠すかごまかすことがあります。
これは、顧客に物件の購入を急かすための手法です。
一方、信頼できる業者は、顧客との長期的な信頼関係を築くことを重視し、正直で透明性のある情報提供を心がけます。
優良な業者は、物件のメリットだけでなく、デメリットやリスクについても客観的かつ丁寧に説明し、顧客がよく理解した上で適切な判断を行えるようにサポートしてくれます。
このように、不動産取引を行う際には、信頼できる業者を選ぶことが重要です。
口コミや評判、業界の信頼性などを考慮し、慎重に業者を選ぶようにしてください。
高利回りをやたらとアピールする
不動産投資において、利回りは重要な指標の一つです。利回りとは、投資した金額に対する収益の割合を示し、不動産投資の場合は物件購入額に対する年間家賃収入の割合を指します。
一般的には、高い利回りが良い投資物件とされますが、その利回りの信憑性を確認する必要があります。
一部の不動産業者は「利回り20%」などと高利回りを強調して宣伝することがあります。
しかしこれらの業者の紹介する物件にはいくつかの落とし穴が潜んでいます。
例えば、実際の利回りではなく、満室時の想定利回りであることがあるほか、古い物件なのに修繕費や維持費を考慮していない場合があります。
さらに、事故物件や欠陥がある物件である可能性もあります。
初心者の投資家に高利回り物件を勧める業者は滅多にいません。
そのため、業者の宣伝に飛びつく前に、しっかりと物件や業者の背景を調査し、慎重な判断をすることが重要です。
不動産投資で詐欺被害に遭った時の対策
不動産投資の詐欺被害に遭った際は、早急な対策が必要になります。
不動産投資で詐欺被害に遭った時の対策は、以下の通りです。
- 弁護士に相談する
- 消費生活センターに報告する
- 宅地建物取引業保証協会に相談する
それぞれの対策について紹介していきます。
弁護士に相談する
詐欺事件に関与した犯人が逮捕されても、被害額を取り戻すことは簡単ではありません。
取り返すためには、民事訴訟を通じて法的手続きをする必要があります。
ただし、相手の情報がわからない場合や、相手の財産が不足している場合は、被害額の回収が難しくなります。
さらに、訴訟費用や弁護士費用がかかるため、結果として損失が増える可能性もあります。
したがって、被害額の見込みや訴訟の可能性をよく考慮し、弁護士に相談することが重要です。
消費生活センターに報告する
消費生活センターは、悪質商法や詐欺被害などに関する相談を受け付け、専門の相談員が助言やあっせんを行って問題解決を支援する公的機関です。
消費者ホットライン「188」に電話すると、最寄りの消費生活センターの案内が受けられます。
あっせんは、裁判とは異なり、非公開で行われます。
当事者同士の話し合いを通じて問題解決を目指す手法であり、あっせん委員が双方を仲介し、和解を促します。
特に若者の相談者に対して、消費生活センターの相談員は積極的にサポートをしてくれる傾向にあります。
宅地建物取引業保証協会に相談する
「宅地建物取引業保証協会」や「不動産保証協会」は不動産投資に関するトラブルや苦情を受け付ける場所です。
不動産会社が加入する団体であり、ほとんどの不動産業者がどちらかの保証協会に加盟しています。
これらの保証協会の特徴は、相談者が損害を受け、自主解決が難しい場合に「弁済業務」を提供することです。
弁済業務とは、保証協会が不動産会社の代わりに損害額を保証し、裁判手続きを必要とせずに被害者に支払いを行うものです(一定の上限あり)。
保証協会が認定した事例に関しては、被害者が損害額の払い戻しを受けることができます。
まとめ
今回は、「不動産投資で騙されやすい人の特徴」や「不動産投資を成功させるために必要なこと」などについて紹介してきました。
不動産投資は、悪質な業者の営業により、詐欺被害に遭うこともあります。
不動産投資を始める際には、自分自身も知識を身につけ、情報に頼らずに自ら調査や分析を行い、リスクを理解した上で判断することが重要です。
- 表面利回りだけで判断してしまう
- 将来的な家賃下落を考慮していない
- 修繕費を考慮していない
- 自分で状況把握せず管理会社に任せている
- 取り扱っていない物件を広告に載せている
- 物件のメリットのみ説明してデメリットを伝えない
- 高利回りをやたらとアピールする
不動産投資は、リスクとリターンが伴う投資です。騙されないためには、知識を身につけ、慎重に判断するようにしてください。
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