将来の資産形成や安定した副収入源として、不動産投資に関心を持つ方が増えています。中でも「区分マンション投資」は、比較的少額から始められるため、特に不動産投資の初心者にとって魅力的な選択肢の一つです。
しかし、メリットだけでなくデメリットやリスクも存在します。この記事では、区分マンション投資の基本的な仕組みから、メリット・デメリット、そして失敗しないための具体的な始め方まで、分かりやすく解説していきます。
区分マンション投資とは?一棟投資との違いを解説
区分マンション投資について理解を深めるために、まずは基本的な仕組みと、よく比較される「一棟投資」との違いについて見ていきましょう。
区分マンション投資の基本的な仕組み

区分マンション投資とは、マンション一棟丸ごとではなく、その中の一室または複数室を購入し、第三者に貸し出すことで家賃収入を得る投資手法です。一部屋単位での所有となるため、不動産投資の中では比較的少ない資金でスタートできるのが大きな特徴です。
単身者向けのワンルームマンションが主な投資対象となることが多いため、「ワンルームマンション投資」とも呼ばれています。
一棟投資との主な違い
一棟投資は、アパートやマンションを建物一棟丸ごと所有する投資手法です。区分マンション投資と一棟投資では、投資対象や規模、リスクの性質が大きく異なります。
| 比較項目 | 区分マンション投資 | 一棟投資 |
| 投資対象 | マンションの一室または複数室 | アパートやマンション一棟全体 |
| 初期費用 | 少ない(数百万円~) | 大きい(数千万円~) |
| 家賃収入 | 少ない | 多い |
| 空室リスク | 一室空くと収入がゼロになる可能性 | 複数戸あるためリスクが分散される |
| 管理の範囲 | 所有する専有部分のみ | 建物全体(共用部含む) |
| 経営の自由度 | 低い(管理組合の規約等に従う) | 高い(自身で決められる) |
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区分マンション投資の3つのメリット

手軽に始められるイメージのある区分マンション投資ですが、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは主な3つのメリットを紹介します。
比較的少額の自己資金で始められる

区分マンション投資の最大のメリットは、一棟投資に比べて必要な資金額が少ないことです。物件にもよりますが、1,000万円台から5,000万円台の価格帯が中心です。金融機関からの融資も受けやすいため、少ない自己資金で不動産オーナーになることが可能です。そのため、不動産投資の第一歩として選ばれやすい手法といえます。
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管理の手間がかかりにくい
区分マンションでは、エントランスや廊下、エレベーターといった共用部分の管理は、マンション全体の管理組合や管理会社が行います。そのため、オーナー自身が管理する必要があるのは、所有している専有部分(室内)のみです。さらに、室内の賃貸管理業務(入居者募集や家賃集金、クレーム対応など)も管理会社に委託すれば、本業が忙しい会社員の方でも手間をかけずに運用することが可能です。
流動性が高く売却しやすい
不動産は一般的に現金化しにくい資産ですが、区分マンションは一棟物件に比べて価格が手頃なため、買い手が見つかりやすい傾向にあります。売りたいと思ったときに比較的スムーズに売却できる可能性が高い点は、大きなメリットと言えるでしょう。特に、都市部の需要が高いエリアの物件であれば、より高い流動性が期待できます。
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区分マンション投資の4つのデメリット
多くのメリットがある一方で、区分マンション投資には注意すべきデメリットも存在します。事前にリスクを把握し、対策を考えることが重要です。
一棟投資に比べて利回りが低い傾向にある
区分マンション投資は、一棟投資と比較して利回りが低くなる傾向があります。利回りとは、物件価格に対する年間の家賃収入の割合を示す指標です。利回りが低いと、ローン返済や管理費、税金などの経費を支払った後に手元に残る現金(キャッシュフロー)が少なくなり、場合によってはマイナスになる可能性もあります。
空室が発生した際のリスクが大きい
区分マンションを一室しか所有していない場合、その部屋が空室になると家賃収入は完全にゼロになります。収入がない間も、ローンの返済や管理費・修繕積立金の支払いは続くため、自己資金で補填する必要が出てきます。複数戸を所有する一棟投資に比べて、空室が経営に与えるダメージが非常に大きい点は、最大のデメリットの一つです。
月々の収支が赤字になる可能性がある

利回りが低いことに加え、ローンの返済額や管理費、修繕積立金といった支出が家賃収入を上回り、月々の収支が赤字(持ち出し)になるケースも少なくありません。特に新築物件は価格が高く、ローンの返済負担が大きくなりがちです。また、築年数の経過とともに修繕積立金が増額されたり、家賃が下落したりすることで、当初のシミュレーションよりも収支が悪化するリスクも考慮する必要があります。
建物の管理や運営の自由度が低い
区分マンションのオーナーは、あくまで建物の一部の所有者に過ぎません。そのため、建物全体の管理方針や大規模修繕の計画、ペット飼育の可否といったルールは、自分一人の意思では決められません。管理組合の総会での決議が必要となり、自分の思い通りに運営できないもどかしさを感じる可能性があります。
区分マンション投資が向いている人の特徴

メリット・デメリットを踏まえると、区分マンション投資はどのような人に向いているのでしょうか。
まずは少額から不動産投資を始めたい人
「いきなり大きな借金をするのは怖いけれど、不動産投資には興味がある」という方にとって、少額から始められる区分マンション投資は最適な選択肢です。まずは一室からスタートし、経験を積みながら徐々に規模を拡大していくというステップを踏むことができます。
副業として手間をかけずに収入を得たい人
前述の通り、管理会社に業務を委託すれば、オーナー自身が行う作業はほとんどありません。本業に支障をきたすことなく、副収入を得たいと考えている会社員や公務員の方に向いています。
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長期的な視点で資産形成をしたい人
月々のキャッシュフローは少なくても、ローンを完済すれば家賃収入がそのまま自分の資産となります。短期的な利益を追求するのではなく、生命保険の代わりや、将来の私的年金として、長期的な視点でコツコツと資産を築いていきたいと考える人にも適しています。
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失敗しないための区分マンション投資の始め方7ステップ
ここでは、実際に区分マンション投資を始める際の具体的な流れを7つのステップで解説します。
ステップ1:情報収集と学習

まずは書籍やインターネット、セミナーなどを活用して、不動産投資に関する基本的な知識を身につけましょう。メリットだけでなく、リスクや失敗事例についても学ぶことが重要です。
ステップ2:資金計画を立てる
物件価格の他に、登記費用や不動産取得税、仲介手数料などの諸費用がかかります。自己資金をいくら用意できるか、どのくらいのローンを組むのか、無理のない資金計画を立てましょう。
ステップ3:不動産会社を選ぶ
物件探しから購入、その後の賃貸管理まで、不動産会社は長く付き合うパートナーとなります。実績が豊富で、親身に相談に乗ってくれる信頼できる会社を選びましょう。複数の会社に相談してみることをお勧めします。
ステップ4:物件を選ぶ
不動産会社の担当者と相談しながら、具体的な物件を探します。立地や築年数、利回り、周辺の賃貸需要などを総合的に判断して、慎重に選びましょう。必ず現地に足を運び、自分の目で物件や周辺環境を確認することが大切です。
ステップ5:購入を申し込む
購入したい物件が決まったら、不動産会社を通じて売主へ「買付証明書」を提出し、購入の意思を伝えます。この段階で価格や条件の交渉を行うこともあります。
ステップ6:売買契約とローン契約
売主と合意に至ったら、重要事項説明を受けた上で売買契約を締結します。売買契約締結後、速やかに金融機関に不動産投資ローンの本審査を申し込み、承認が下りたらローン契約(金銭消費貸借契約)を結びます。
| 契約の種類 | 内容 |
| 売買契約 | 物件の売買に関する契約。手付金を支払う。 |
| ローン契約 | 金融機関からの融資に関する契約。 |
ステップ7:物件の引き渡しと賃貸管理
ローンの融資が実行され、売買代金の残金を決済すると、物件の鍵が引き渡され、所有権が移転します。その後、賃貸管理会社と契約を結び、入居者の募集を開始します。
参考:建設産業・不動産業:<消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ-国土交通省
区分マンション投資を成功に導く3つのコツ
最後に、区分マンション投資で失敗するリスクを減らし、成功確率を高めるための重要なコツを3つ紹介します。
賃貸需要の高い立地の物件を選ぶ

不動産投資の成功は、立地で決まると言っても過言ではありません。駅から近い、周辺に商業施設や大学・企業があるなど、将来にわたって安定した賃貸需要が見込めるエリアの物件を選ぶことが最も重要です。空室リスクを最小限に抑えることが、安定した収益につながります。
自己資金の割合を高め、借入金を少なくする
「フルローン可能」という言葉に魅力を感じるかもしれませんが、借入金が多くなればなるほど、月々の返済負担は重くなり、金利上昇リスクも高まります。できるだけ自己資金を用意し、借入金の割合を抑えることで、収支に余裕が生まれ、安定した経営が可能になります。
信頼できる不動産会社をパートナーにする
特に初心者にとっては、物件選びから融資、賃貸管理まで、あらゆる場面で不動産会社のサポートが必要になります。目先の利益だけでなく、長期的な視点でオーナーの成功を考えてくれる、誠実で専門知識の豊富な不動産会社をパートナーに選ぶことが、成功への近道です。
まとめ
区分マンション投資は、比較的少額から始められ、管理の手間も少ないため、不動産投資の入門編として魅力的な手法です。しかし、空室リスクや収支が赤字になる可能性など、事前に理解しておくべきデメリットも存在します。成功のためには、十分な知識を身につけ、慎重に物件を選び、信頼できるパートナーを見つけることが不可欠です。