固定資産税は、毎年1月1日時点で住宅やマンション、土地などの不動産を所有する方が納める税金であり、地方税の一種です。納付先は、居住している自治体となります。
マンションを購入する際には、固定資産税も含めたシミュレーションを行い、購入について判断することが大切です。
この記事では「マンションの固定資産税の計算方法」のほか、以下について詳しく紹介していきます。
- マンションの固定資産税の計算方法
- マンションの固定資産税を支払うまでの流れ
- マンションの固定資産税に関する注意点
福岡市中央区小笹の新築分譲マンション!
固定資産税とは
固定資産税は、土地や建物、償却資産など、自分の資産である不動産にかかる税金のことです。
具体的には、畑や宅地、店舗、工場などの土地、住宅やマンションなどの建物、機械や備品などの事業資産が対象です。
居住の有無に関わらず、固定資産税課税台帳に登録された所有者が税金を支払う義務があります。
マンションの固定資産税の相場は?
一般的に、広さが約75平米程度のマンションの固定資産税の相場は、新築物件では年間約10万円から30万円、中古物件では年間約10万円から20万円とされています。
ただし、これはあくまで目安であり、実際の税金額は物件を所有している地域や物件の状況によって異なります。
また、同じ建物内でも部屋ごとに税金の金額に違いが生じることもあります。
そのため、具体的な金額を知りたい場合は、物件が所在する市町村役場に問い合わせしましょう。
マンションの固定資産税の計算方法
マンション所有者は土地と建物の両方で固定資産税がかかります。
【固定資産税の税額の計算式】
固定資産税 = 課税標準額×1.4%(標準税率)
税額は評価額に基づく「課税標準額」に1.4%の税率がかけられますが、軽減措置や経年減価の影響もあり、必ずしも課税標準額=評価額とは限りません。
評価額と課税標準額の決定方法について、詳しく紹介していきます。
固定資産税の評価額を確認
固定資産税評価額は、国が定めた「固定資産評価基準」に基づいて、市町村が3年ごとに算出します。
確認方法は以下の通りです。
- 固定資産税納税通知書を確認する:毎年4〜6月に市町村から届く納税通知書に評価額が記載されています。
- 固定資産評価証明書を取得する:市町村役場で手数料を支払い、「固定資産評価証明書」を取得することで確認できます。
- 固定資産課税台帳を閲覧する:市町村役場で予約をして、「固定資産課税台帳」を閲覧することでも確認できます。
マンションの場合は、建物と土地の評価額を確認する必要があります。土地の評価額は、固定資産税や都市計画税の算定に影響しますので、忘れずに確認しましょう。
課税標準額を算出
マンションの場合、固定資産税の課税標準額は、建物と土地の両方を考慮する必要があります。
通常、建物の評価額は土地の評価額よりも高くなる傾向があります。
課税標準額は次のように算出されます。
・建物の課税標準額: 建物の固定資産評価額を1/6して算出します。
・土地の課税標準額: 土地の固定資産評価額を1/3して算出します。
仮に、あるマンションの固定資産評価額が以下のようであったとします。
建物の固定資産評価額: 1,500万円
土地の固定資産評価額: 700万円
この場合、課税標準額は次のように算出されます。
建物の課税標準額 = 1,500万円 × 1/6 = 250万円
土地の課税標準額 = 700万円 × 1/3 = 233.3万円
これらの課税標準額を合算します。
250万円(建物) + 233.3万円(土地) = 483.3万円
この483.3万円が、マンション全体の固定資産税の課税標準額となります。
※課税標準額が土地30万円、建物20万円の場合、固定資産税の対象外となります。
その後、この課税標準額に市町村の税率を適用して、具体的な固定資産税が計算されます。
税率をかける
固定資産税は、土地と建物の両方に対して「固定資産税課税標準額×税率(1.4%)」で計算され、その合計が支払い額となります。
例)固定資産税課税標準額が483.3万円の場合
固定資産税課税標準額483.3万円×税率(1.4%)=67,662円(年間の固定資産税)
自治体によって税率は異なることもありますが、一般的には1.4%が適用されます。
課税標準額は、税金の算出において基本的な対象金額を指し、この金額に税率をかけることで税金が確定します。
この課税標準額は固定資産税に限らず、様々な税金の算出に用いられます。
固定資産税における課税標準額は、「固定資産税課税標準額」と呼ばれ、土地と建物それぞれに対して別々に計算されます。
実際のマンションの固定資産税のシミュレーション
実際に新築のマンションを購入した場合の固定資産税の税額を、購入金額ごとにシミュレーションしていきます。
例として福岡市の鉄筋コンクリート造の新築マンションを購入した場合で考えます。
建物でも、土地でも、基本的な計算式は「固定資産税=課税標準額×1.4%」と計算します。
※土地の課税標準額には、住宅用地に対する特例が適用されており、その税額は通常の1/6となっています。
この特例には期間の制限がなく、将来も同様に適用されます。一方、建物の課税標準額は新築のマンションの場合、5年間は通常の1/2となります。
【50㎡】3,000万円の新築マンションの場合
【条件】
3,000万円の新築マンション
※建物と土地の割合は建物を70%、土地を30%と仮定。
建物の評価額:3,000万円 × 70% = 2,100万円
土地の評価額:3,000万円 × 30% = 900万円
【課税標準額の計算】
建物:(2,100万円 × 70%) × 1/2 × 1.4% = 102,900円
土地:(900万円 × 70%) × 1/6 × 1.4% = 14,700円
よって、合計の固定資産税は、102,900円(建物)+ 14,700円(土地)= 117,600円となります。
【60㎡】4,000万円の新築マンションの場合
【条件】
4,000万円の新築マンション
※建物と土地の割合は、建物を70%、土地を30%と仮定。
建物の評価額:4,000万円 × 70% = 2,800万円
土地の評価額:4,000万円 × 30% = 1,200万円
【課税標準額の計算】
建物:(2,800万円 × 70%) × 1/2 × 1.4% = 137,200円
土地:(1,200万円 × 70%) × 1/6 × 1.4% = 19,600円
合計の固定資産税は、137,200円(建物)+ 19,600円(土地)= 156,800円となります。
【70㎡】5,000万円の新築マンションの場合
【条件】
5,000万円の新築マンション
※建物を70%、土地を30%と仮定。
建物の評価額:5,000万円 × 70% = 3,500万円
土地の評価額:5,000万円 × 30% = 1,500万円
【課税標準額の計算】
建物:(3,500万円 × 70%) × 1/2 × 1.4% = 171,500円
土地:(1,500万円 × 70%) × 1/6 × 1.4% = 24,500円
合計の固定資産税は、171,500円(建物)+ 24,500円(土地)= 196,000円となります。
マンションの固定資産税を支払うまでの流れ
ここでは、マンションの固定資産税の通知時期、支払い時期、支払い方法について解説していきます。
固定資産税の支払いを忘れないために把握するようにしましょう。
通知方法・時期
マンションの登記が完了すると、各自治体から不動産の評価が行われ、春頃に固定資産税の「納税通知書」が送られてきます。
毎年の1月1日時点で保有している不動産が課税の対象となります。
通常、固定資産税の納税通知書は、4〜5月に交付されます。
ただし、発送日は自治体によって異なり、締め切りに余裕がない場合もあります。
法律で納期限の10日前までに交付されるよう定められていますが、納期限が近づいても納税通知書が届かない場合は、自治体に問い合わせましょう。
支払い時期
固定資産税は、国税ではなく、市町村(東京23区内は東京都)が課している地方税です。
支払い時期は居住地によって異なるため、各自治体のホームページや窓口で確認する必要があります。
東京都を含む多くの自治体では、通常、年4回に分けて支払うことが一般的です。
支払いは6月、9月、12月、2月に行われますが、一括での支払いも可能です。
※福岡市の場合、4月、7月、12月、2月の4期に分けて納付します。
ただし、国民年金のように一括払いをしたからといって割引されることはありません。
支払い方法
基本的に固定資産税の支払いには、以下のような方法があります。
・現金払い
・口座振替
・ペイジー(Pay-easy)
・クレジットカード
・スマートフォン決済アプリ(PayPay・LINE Pay・楽天ペイ・ファミペイなど)
・電子マネー(nanaco・QUICPay・Suicaなど)
固定資産税の振込用紙が年に数回送られてきます。1回の送付には5枚の用紙が含まれています。これらを利用して、銀行やコンビニで支払いを行います。
振込用紙には一括払い用と4回払い用の2種類があります。
一括払いすれば、残りの4枚は不要ですし、逆も同じです。自治体によっては口座振替(自動引き落とし)も利用できます。
また、一部の自治体ではクレジットカードや電子マネーでの支払いも可能です。
支払い方法を選択する際には、ポイントと手数料の比較を行って、コストを最小限に抑える方法を選ぶことが大切です。
マンションの固定資産税に関する注意点
マンションを購入すると、固定資産税の支払いが毎年あるので、滞納しないようにシミュレーションを行うことが大切になります。
マンションの固定資産税に関する注意点は以下の通りです。
- 固定資産税を含めたシミュレーションをする
- 納税通知書の内容を確認
固定資産税を含めたシミュレーションをする
マンションを購入する際、住宅ローンの返済だけでなく、固定資産税などの支払いを忘れてはいけません。
返済シミュレーションを考える際には、固定資産税を加味することが大切です。
さらに、マンションの保有には管理費や修繕積立金、駐車場代などのランニングコストも発生します。
これらを固定資産税や都市計画税を考慮し、購入後の費用計画を立てるようにしましょう。
納税通知書の内容を確認
納税通知書が届いたら、まずは「課税明細書」の「地目」を確認し、土地の利用形態を把握するようにしましょう。
固定資産税の軽減措置が受けられず、軽減される前の税額が算出されてしまう場合があります。
小規模住宅用地と一般用住宅地では軽減のルールが異なるため、土地の面積と軽減措置の適用を確認することが大切です。
同様に、建物の減額適用も確認するようにしてください。
新築住宅や長期優良住宅など、建物の特性により軽減措置が異なるため、適切な割引が適用されているかを確認することが必要です。
このように、マンションにかかる固定資産税に、軽減措置が適用されているかも、併せて確認するようにしましょう。
まとめ
本記事では、「マンションの固定資産税」について解説してきました。
マンションの固定資産税の相場は、新築物件では年間約10万円から30万円、中古物件では年間約10万円から20万円とされています。
また、マンションの固定資産税は1年分を4回に分けて支払うことができ、支払い方法もクレジットカードや電子マネーでも支払うことができます。
マンションの固定資産税の計算方法は以下の通りです。
固定資産税 = 課税標準額×1.4%(標準税率)
マンションを購入する際は、ローンの返済だけでなく、固定資産税の支払いを加味したシミュレーションをするようにしましょう。
福岡でマンションの購入を検討している方は、えんホールディングスへぜひご相談ください。
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