福岡市中央区に位置する六本松は、かつての学生街から再開発によって人気のエリアへと劇的な変貌を遂げました。おしゃれな商業施設と豊かな自然、そして抜群の交通アクセスが共存するこの街に、引越しを検討している方も多いのではないでしょうか。
この記事では、六本松がなぜこれほどまでに人気を集めているのか、そして実際に住むうえで知っておくべきポイントは何かを、良い面も注意点も含めて詳しく解説します。これから始まる新生活のエリア選びに、ぜひ役立ててください。
六本松はなぜ「住みたい街」として人気なのか?

六本松が福岡市内でも屈指の人気エリアとなった背景には、明確な理由がいくつか存在します。単なるブームではなく、住環境としての実力が底上げされたことが大きな要因です。ここでは、その人気の核心となる3つの要素について詳しく見ていきましょう。
再開発が生んだ利便性と洗練された雰囲気

再開発が生んだ利便性と洗練された雰囲気かつて九州大学のキャンパスがあった土地の一部(約2.1万㎡)は、大規模な再開発によって「六本松421」というランドマークへと生まれ変わりました。この施設には、福岡市科学館や大型書店の蔦屋書店、さらにはスーパーマーケットや多彩な飲食店が入居しており、街の雰囲気を一変させました。
以前の少し雑多な学生街というイメージから、洗練された大人の街、そしてファミリーが安心して過ごせる街へと進化を遂げています。この再開発により、日常の買い物から休日のレジャーまでが駅周辺だけで完結するコンパクトシティのような機能を持つようになりました。街全体が明るく整備されたことで、歩いているだけでも心地よい空間が広がっています。
地下鉄七隈線の延伸による交通革命

六本松の価値を決定的に高めたのが、2023年3月27日の地下鉄七隈線の延伸開業です。これまでは天神南駅が終点でしたが、博多駅まで直結したことで、交通利便性が飛躍的に向上しました。
博多駅へのアクセスが乗り換えなしでスムーズに行えるようになったことは、新幹線を利用する出張族や、博多駅周辺に勤務するビジネスパーソンにとって計り知れないメリットです。この交通インフラの劇的な改善が、六本松の住みやすさを向上させる強力な後押しとなりました。
参考:事業概要|福岡市地下鉄
大濠公園が徒歩圏内にある豊かな自然環境

都会的な利便性を持ちながら、福岡市民の憩いの場である「大濠公園」が徒歩圏内にあることも見逃せない魅力です。休日にはジョギングや散歩を楽しんだり、池のほとりでカフェタイムを過ごしたりと、リラックスした時間を過ごすことができます。
また、隣接する舞鶴公園を含め、春には桜の名所としても知られています。都市機能と豊かな緑がこれほど高いレベルで融合しているエリアは、福岡市内を見渡してもそう多くはありません。仕事のオンとオフを切り替えやすい環境が、多くの人々を惹きつける理由の一つとなっています。
参考:西日本鉄道「大濠公園周辺の桜スポット<桜の見頃!大濠周辺お花見散歩>」
実際の交通利便性はどれくらい高いのか?
住まい探しにおいて「移動のしやすさ」は生活の質を左右する重要な要素です。六本松は地下鉄とバスの両方が極めて使いやすいエリアとして知られています。ここでは、具体的なアクセス環境について解説します。
地下鉄で天神・博多へダブルアクセスが可能
先述した通り、地下鉄七隈線「六本松駅」を利用すれば、天神南駅まで約9分、博多駅まで約13分という短時間で移動することが可能です。これまでは天神へ出るには便利でも、博多駅へはバスか乗り換えが必要という心理的な距離感がありましたが、延伸によってその壁は完全になくなりました。以下の表に主要エリアへの所要時間をまとめましたので、通勤や通学のイメージにお役立てください。
| 目的地 | 移動手段 | およその所要時間 | 特徴 |
| 天神南駅 | 地下鉄七隈線 | 約9分 | 繁華街へすぐに出られる |
| 博多駅 | 地下鉄七隈線 | 約13分 | 新幹線・空港利用に最適 |
| 薬院駅 | 地下鉄七隈線 | 約5分 | 西鉄大牟田線への乗り換えに便利 |
| 福岡空港 | 七隈線+空港線 | 約30分 | 博多駅乗り換えでスムーズ |
このように、福岡市の二大都心である天神と博多の両方にダイレクトにアクセスできる点は、六本松に住む最大の強みと言えます。
市内全域をカバーする充実したバス路線網

地下鉄だけでなく、西鉄バスのネットワークも非常に充実しています。六本松は国道202号線をはじめとする主要幹線道路が交差する結節点であるため、市内各方面へ向かうバスが頻繁に行き交います。特に、地下鉄ではカバーしきれないエリアや、みずほPayPayドーム福岡(福岡ドーム)方面、シーサイドももち方面へ向かう際にはバスが重宝します。
本数が非常に多いため、朝のラッシュ時でも待ち時間が少なく、ストレスフリーで利用できるのが特徴です。地下鉄とバスを使い分けることで、福岡市内のほぼ全域へ快適に移動できる環境が整っています。
日々の買い物や飲食店の充実度は?
毎日の生活を支える買い物環境や、休日の楽しみとなる飲食店のラインナップも、住みやすさを判断する上で欠かせないポイントです。六本松エリアは、日常使いのお店から話題のグルメスポットまで、バランスよく揃っています。
駅周辺に集結するスーパーとドラッグストア
六本松駅周辺には、日々の食材調達に困らない環境が整っています。駅直結の「六本松421」内には質の高い食材を扱うスーパー「ボンラパスTREZO」が入っており、仕事帰りに立ち寄るのに非常に便利です。また、駅から徒歩約5~6分の場所には24時間営業の「サニー梅光園店」もあり、帰宅が遅くなった際や急な買い出しにも対応できます。
さらにドラッグストアやコンビニエンスストアも駅周辺に複数点在しているため、日用品の買い物で遠出する必要はほとんどありません。生活に必要な施設が徒歩数分圏内に凝縮されているため、非常に効率的な生活を送ることができます。
行列ができるパン屋やカフェの激戦区
六本松は、実は福岡市内でも有数の「パン屋激戦区」としても知られています。「アマムダコタン」をはじめとする全国的にも有名なベーカリーや、こだわり抜いたコーヒーを提供するカフェが路地裏に点在しています。
休日の朝に美味しいパンを買いに行ったり、お気に入りのカフェで読書を楽しんだりといった、丁寧な暮らしを実現できる街です。また、昔ながらの定食屋や居酒屋も残っており、新旧のお店が入り混じる独特の食文化を楽しむことができます。外食派の方にとっても、飽きることのない魅力的なエリアと言えるでしょう。
気になる家賃相場は高いのか?

人気エリアである六本松ですが、実際に住むとなると気になるのが家賃相場です。利便性が高いぶん、家賃も高いのではないかと不安に思う方もいるでしょう。ここでは周辺エリアとの比較を交えて解説します。
中央区内での比較とコストパフォーマンス
六本松の家賃相場は、福岡市中央区の中では「やや高め」の部類に入りますが、天神や大名といった中心部に比べると割安感があります。一人暮らし向けの1Kや1Rであれば4.7万円台から5.2万円台、ファミリー向けの2LDK以上であれば10万円台から15万円台が目安となります。以下の表で、近隣エリアとの相場感を比較してみましょう。
| エリア | 1K・1R相場 | 2LDK相場 | 特徴 |
| 天神・大名 | 7.2万〜7.7万円 | 15万〜20万円 | 中心部のため非常に高額 |
| 六本松 | 4.7万〜5万円前後 | 12万円〜20万円 | 利便性と家賃のバランスが良い |
| 別府(隣駅) | 5.0万〜6.6万円 | 15.5万〜16.4万円 | 六本松より少し下がるが便利 |
このように、中心部の利便性を享受しながらも、天神エリアよりは家賃を抑えられる点が魅力です。コストパフォーマンスを重視する方にとって、非常に賢い選択肢となり得ます。
【関連記事】福岡市の家賃はなぜ安い?住みやすい理由やおすすめエリアを紹介!-不動産LeapUp!|不動産のお役立ち情報メディア
エリアによる家賃の変動傾向
一口に六本松と言っても、場所によって家賃相場は異なります。駅直結や大通り沿いの築浅物件は人気が高く家賃も強気な設定ですが、少し駅から離れたり、築年数が経過した物件であれば、相場よりも安く借りられるケースがあります。
特に、一本路地に入った住宅街には、リノベーションされたおしゃれな物件や、管理が行き届いた手頃なマンションも見つかります。自分の優先順位が「駅近」なのか「広さ」なのかを明確にすることで、予算内で満足度の高い物件に出会える可能性が高まります。
治安は良く安心して暮らせる街か?
長く住む場所を決めるにあたって、治安の良さは最優先事項の一つです。六本松は全体的に落ち着いたエリアですが、場所や時間帯による雰囲気の違いについて理解しておくことが大切です。
【関連記事】福岡市中央区は治安がいい?治安事情や住みやすい理由を紹介!-不動産LeapUp!|不動産のお役立ち情報メディア
再開発エリアと住宅街の治安状況

基本的には、六本松は治安が良く、女性の一人暮らしやファミリーでも安心して暮らせる街です。かつての学生街の賑やかさは残しつつも、再開発によって街全体が明るく整備されたため、清潔感があり見通しの良い場所が増えました。駅前には交番もあり、日常的にパトロールが行われているため安心感があります。ファミリー層が多く住んでいることもあり、地域の防犯意識も比較的高いと言えます。
大通りと路地裏の夜間の雰囲気
国道202号線(別府橋通り)などの大通り沿いは、夜遅くまで交通量があり、街灯や店舗の明かりも多いため、夜道の独り歩きでも過度な心配は不要です。しかし、一本路地裏に入ると、古い住宅街や静かな小道が続く場所もあります。
特に駅から南側のエリアや梅光園方面へ向かう道の一部には、夜になると人通りが少なくなり、暗く感じる場所も存在します。物件選びの際には、昼間だけでなく夜の雰囲気も確認し、最寄り駅から自宅までのルートに街灯が十分に設置されているかチェックすることをおすすめします。
住む前に知っておくべき注意点はあるか?
ここまでは六本松の魅力をお伝えしてきましたが、住んでから「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、あらかじめ知っておくべき注意点も正直にお伝えします。
駅から離れたエリアにある坂道の存在
六本松エリアの地理的な特徴として、「坂道」の存在が挙げられます。駅周辺や大通り沿いは平坦ですが、駅から南側(輝国、笹丘方面)や動物園方面に向かうエリアは、急な勾配の坂道が続きます。
地図上では駅近に見えても、実際には急坂を登る必要があり、徒歩や自転車での移動がハードに感じる場合があります。電動自転車があれば解決できることも多いですが、毎日の通勤・通学ルートに坂道が含まれていないか、内見の際に実際に歩いて確認することは必須です。
人気エリアゆえの交通渋滞と騒音
交通の要衝であることはメリットですが、かつては渋滞が発生しやすいというデメリットもありました。六本松交差点では慢性的な渋滞が課題でしたが、令和元年(2019年)11月に右折レーン増設工事が完了し、平日朝ピーク時の最大渋滞長が約290m減少(整備前:約310m→整備後:約20m)するなど、渋滞は大幅に改善されています。
ただし、朝夕のラッシュ時には一定の交通量があるため、バス移動をメインに考える場合は時間に余裕を持った行動が推奨されます。また、大通り沿いの物件では、車の走行音や緊急車両のサイレン音が気になる可能性もあります。静かな環境を最優先したい方は、大通りから一本入った場所や、窓の防音性能が高い物件を選ぶなどの工夫が必要です。
参考:国土交通省九州地方整備局福岡国道事務所「国道202号六本松交差点右折レーン増設工事完了後の交通状況について」
六本松での暮らしはどのような人におすすめか?
六本松は、都会の刺激と自然の癒やしの両方を手に入れたいと願う人に最適な街です。仕事はバリバリこなしつつ、休日は公園でリフレッシュしたり、近所のおしゃれなカフェで過ごしたりといった、メリハリのある生活を望む単身者やカップルには特におすすめです。
また、教育環境や治安も良好なため、子育て世帯にとっても長く住み続けられる安心のエリアと言えます。家賃は決して最安値ではありませんが、得られる生活の質を考えれば、十分にその価値を感じられるはずです。
【関連記事】福岡市で家族と住むならどこがおすすめ?住みやすい理由や子育て支援制度を解説!-不動産LeapUp!|不動産のお役立ち情報メディア
まとめ
この記事の要点は以下の通りです。
・六本松は再開発と地下鉄延伸により、天神・博多へのアクセスが抜群の洗練された街に進化した。
・駅周辺にはスーパーや人気飲食店が充実し、大濠公園も徒歩圏内という理想的な住環境がある。
・南側の坂道や大通りの交通量といった注意点はあるが、利便性と治安のバランスは非常に高い。
六本松は、福岡での新しい生活を豊かで快適なものにしてくれるポテンシャルを秘めた街です。ぜひ実際に足を運び、その空気感を肌で感じてみてください。