地方の不動産投資は本当に儲かる?メリット・デメリットと成功の秘訣を解説します

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将来の資産形成のために不動産投資を考えたとき、「都心の物件は高すぎる」と感じていませんか。そんな中、新たな選択肢として注目を集めているのが「地方不動産投資」です。物件価格の手頃さや高い利回りへの期待から、多くの投資家が関心を寄せています。しかし、地方ならではのリスクや注意点も存在します。この記事では、地方不動産投資のメリット・デメリットから、初心者の方が失敗せずに成功するための具体的な始め方、物件選びのポイントまで、分かりやすく解説します。

目次

なぜ今、地方不動産投資が注目されるのか?

近年、地方の不動産に投資する魅力が高まっています。その背景には、都市部との価格差や働き方の変化など、複数の要因が関係しています。ここでは、地方不動産投資が注目される主な理由を3つの視点から解説します。

都市部と比べた物件価格の手頃さ

地方不動産投資が注目される最大の理由は、都市部に比べて物件価格が手頃であることです。同じ予算でも、都市部ではワンルームマンションしか購入できない場合でも、地方なら一棟アパートのオーナーになれる可能性があります。初期投資を抑えられるため、不動産投資の初心者や、少ない自己資金で始めたい方にとって大きな魅力となっています。

エリア一棟アパートの平均価格
東京23区約1億1,500万円
地方主要都市(例:仙台市)約6,400万円
その他地方都市3,000万円~5,000万円台

※上記はあくまで一例であり、物件の規模や築年数によって価格は変動します。

 高い利回りを期待できる可能性

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地方の物件は、購入価格が安い一方で、家賃は価格ほど大きくは下がりません。そのため、投資額に対する家賃収入の割合である「利回り」が高くなる傾向にあります。都市部の物件の利回りが3~4%程度であるのに対し、地方の場合は築浅物件で4〜6%、築古物件で7〜8%超える物件も珍しくありません。高い利回りは、早期のローン返済や、次の投資へのステップアップにも繋がりやすくなります。

【関連記事】不動産投資の利回りは何%が最低ライン?収益を確保するための基準と注意点を解説 – 不動産Leap Up!|不動産のお役立ち情報メディア 不動産投資の利回りの最低ラインは?

働き方の多様化による地方移住への関心

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リモートワークの普及により、都心に住む必要性が薄れ、地方へ移住する人が増えています。この流れは、地方の賃貸需要を下支えする要因の一つです。自然豊かな環境や、広い住居を求める層が増えることで、これまで注目されてこなかったエリアにも新たな賃貸ニーズが生まれる可能性があります。こうした社会の変化も、地方不動産投資の追い風となっています。

地方不動産投資のメリット

地方不動産投資には、都市部にはない独自のメリットが存在します。初期投資の低さや収益性の高さなど、投資家にとって魅力的なポイントを具体的に見ていきましょう。

少ない自己資金で始められる

前述の通り、地方の物件は価格が安いため、少ない自己資金で不動産投資をスタートできます。金融機関から融資を受ける際のハードルも、物件価格が低い分、相対的に下がります。初めての不動産投資で多額の借入に抵抗がある方でも、地方の物件であれば精神的な負担を軽減しながら挑戦することが可能です。

【関連記事】不動産投資の自己資金の目安は?購入可能な物件価格や自己資金なしで投資する方法を解説 – 不動産Leap Up!|不動産のお役立ち情報メディア

高い利回りによる収益性が期待できる

地方不動産投資の最大の魅力は、高い利回りが期待できる点です。物件価格に対して比較的に高い家賃を設定できるため、効率的に収益を上げることが可能です。キャッシュフロー(手元に残る現金)がプラスになりやすく、安定した家賃収入を将来の年金の補完や、さらなる資産拡大の元手として活用できます。

項目都市部の物件地方の物件
物件価格高い安い
家賃水準高いやや低い
表面利回り低い(3~4%)高い(4~8%程度)
特徴安定性は高いが、収益性は限定的空室リスクはあるが、高い収益性を狙える

競合が少なく優良物件を見つけやすい

都市部では、一つの物件に多数の投資家が殺到し、激しい競争になることがよくあります。一方、地方ではまだ投資家の数が少なく、競合が少ないため、条件の良い優良物件をじっくりと探せる可能性が高いです。地元の不動産会社と良好な関係を築くことで、市場に出回る前の貴重な情報を得られるチャンスもあります。

地方不動産投資のデメリット

魅力的なメリットがある一方で、地方不動産投資には特有のデメリットやリスクも存在します。投資を始める前にこれらの点を十分に理解し、対策を講じることが成功への鍵となります。

都市部よりも空室リスクが高い

地方は都市部に比べて人口が少なく、賃貸物件を探している人の総数も限られます。そのため、一度空室になると次の入居者が決まるまでに時間がかかり、家賃収入のない期間が長引く「空室リスク」が高い傾向にあります。このリスクを軽減するためには、入念なエリア選定と、地域のニーズに合った物件選びが不可欠です。

人口減少による賃貸需要の低下

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日本の多くの地方都市では、少子高齢化による人口減少が進行しています。人口が減り続ければ、当然ながら賃貸住宅の需要も先細りしていきます。投資を検討しているエリアの人口動態や、自治体が公表している将来の人口推計などを事前に確認し、長期的に見て需要が維持できるかを見極める必要があります。

リスク要因具体的な内容対策
人口減少少子高齢化、若者の都市部への流出人口が増加している、または減少が緩やかなエリアを選ぶ
産業の衰退主要な工場の閉鎖や企業の撤退複数の産業があり、経済が安定しているエリアを選ぶ
交通の便鉄道路線の廃止やバス便の減少主要な交通網へのアクセスが良いエリアを選ぶ

物件の売却が難しい場合がある

不動産投資の出口戦略として重要なのが「売却」です。地方の物件は、都市部に比べて不動産市場の規模が小さく、買い手の需要も限られるため、売りたいと思ったときにすぐに売れない「流動性リスク」があります。希望する価格で売却できず、値下げを余儀なくされる可能性も考慮しておく必要があります。

失敗しないための地方不動産投資の始め方

地方不動産投資を成功させるためには、正しい手順で計画的に進めることが重要です。ここでは、初心者の方が失敗しないための5つのステップを解説します。

手順1:投資目的と目標を明確にする

まず初めに、「なぜ不動産投資をするのか」「いつまでに、どのくらいの資産を築きたいのか」といった目的と目標を具体的に設定します。例えば、「10年後に月10万円のキャッシュフローを得る」「老後の私的年金として家賃収入を確保する」など、目標が明確であれば、選ぶべき物件や取るべき戦略も自ずと決まってきます。

手順2:エリア選定と情報収集

目標が決まったら、それを達成できそうなエリアを探します。人口が増加している県庁所在地や、再開発計画がある地域、大手企業の工場や大学がある周辺エリアなどが候補になります。インターネットでの情報収集に加え、現地の不動産会社のウェブサイトをチェックするなど、多角的に情報を集めましょう。

情報収集の方法チェックするポイント
自治体のウェブサイト人口動態、都市計画、ハザードマップ
不動産情報サイト物件価格の相場、利回り、空室率
現地の不動産会社市場に出ていない物件情報、地域の詳細な賃貸需要

手順3:現地調査で物件を見極める

気になる物件が見つかったら、必ず現地に足を運び、自分の目で確認することが大切です。物件の状態はもちろん、周辺環境、最寄り駅からの距離、スーパーや病院などの生活利便施設の有無などをチェックします。昼と夜で街の雰囲気が変わることもあるため、時間を変えて複数回訪れるのが理想です。

手順4:資金計画と融資の相談

物件購入にかかる費用は、物件価格だけではありません。仲介手数料や登記費用、不動産取得税などの諸費用も必要になります。自己資金でどれだけ賄い、いくら融資を受けるのか、詳細な資金計画を立てましょう。その上で、複数の金融機関に融資の相談を行い、最も良い条件を引き出す努力をします。

手順5:信頼できる管理会社を選ぶ

地方の物件に投資する場合、オーナー自身が遠隔地に住んでいるケースが多いため、物件管理を委託する管理会社の役割が非常に重要になります。入居者募集、家賃の集金、クレーム対応、退去時の手続きなど、運営の大部分を任せることになります。そのエリアでの管理実績が豊富で、空室を埋める力のある、信頼できるパートナーを見つけることが成功の鍵となります。

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成功の鍵を握る物件選びのポイント

どのような物件を選ぶかが、地方不動産投資の成否を大きく左右します。長期的に安定した収益を得るために、物件選びで重視すべき3つのポイントを解説します。

人口動態と将来性を確認する

目先の利回りの高さだけで判断するのは危険です。そのエリアの人口が今後どのように推移していくのか、自治体のウェブサイトなどで必ず確認しましょう。人口が維持または増加傾向にあるエリアは、将来にわたって安定した賃貸需要が期待できます。また、駅前の再開発や新しい商業施設の建設計画など、街の将来性を高めるプロジェクトがあるかどうかも重要な判断材料です。

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地域の賃貸需要に合った物件を選ぶ

その地域でどのような人が部屋を探しているのか、賃貸需要を正確に把握することが大切です。例えば、大学の近くであれば学生向けのワンルーム、工場の近くであれば単身赴任者向けの1Kや1LDK、郊外のファミリー層が多いエリアなら2LDK以上といったように、ターゲットに合った間取りの物件を選びましょう。地域の不動産会社にヒアリングするのが最も確実な方法です。

ターゲット求められる物件の特徴
学生大学に近い、家賃が手頃、インターネット無料
単身の社会人職場に近い、駐車場付き、コンビニやスーパーが近い
ファミリー間取りが広い(2LDK以上)、小中学校が近い、公園が近い

災害リスクが低いエリアを選ぶ

日本は自然災害が多い国です。不動産という大きな資産を守るためにも、災害リスクの確認は欠かせません。国土交通省や各自治体が公開しているハザードマップを利用して、投資を検討しているエリアが地震による倒壊リスク、洪水や土砂災害のリスクが低いかどうかを必ずチェックしましょう。

【関連記事】不動産投資の物件選びのポイントは?種類や初心者におすすめの物件を紹介 – 不動産Leap Up!|不動産のお役立ち情報メディア

地方不動産投資で後悔しないための注意点

最後に、地方不動産投資を進める上で特に注意すべき点を3つ挙げます。これらのポイントを押さえておくことで、思わぬ失敗を避けることができます。

出口戦略を事前に計画する

物件を購入する段階で、将来どのように手放すか(売却するか)という「出口戦略」まで考えておくことが重要です。5年後、10年後にどのくらいの価格で売却できそうか、シミュレーションしておきましょう。流動性が低い地方の物件では、希望通りに売却できない可能性も視野に入れ、長期的に保有し続ける選択肢も考えておくと安心です。

特定の企業や大学に依存するエリアのリスク

一つの大きな工場や大学の存在だけで賃貸需要が成り立っているようなエリアは、注意が必要です。もしその工場が撤退したり、大学が移転したりした場合、賃貸需要が一気になくなり、空室だらけになってしまうリスクがあります。複数の集客施設が存在し、需要が分散されているエリアを選ぶ方が、長期的に見て安定した経営が可能です。

リスク評価エリアの例
単一の大学や工場のみに依存する「企業城下町」
県庁所在地だが、主要産業が一つに偏っている都市
複数の産業や商業施設、大学などが集まる多様性のある都市

 駐車場の有無を確認する

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都市部では駅からの距離が重視されますが、車社会の地方では駐車場の有無が入居の決め手になることが非常に多いです。特にファミリー向けの物件では、1戸あたり1台、場合によっては2台分の駐車スペースが確保されていることが重要なアピールポイントになります。物件に駐車場がない場合は、近隣で月極駐車場を確保できるかどうかも確認しておきましょう。

まとめ

地方不動産投資は、少ない自己資金で始められ、高い利回りが期待できるなど、都市部の不動産投資にはない魅力があります。しかしその一方で、空室リスクや人口減少といった特有の課題も存在するため、事前の入念なリサーチと慎重な物件選びが成功の鍵を握ります。本記事で解説した始め方のステップや注意点を参考に、ご自身の投資目標に合った地方不動産投資に挑戦してみてください。

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