「同棲する時は誰が世帯主になるの?」
「住民票も移した方がいい?」
同棲を始める際、上記のように世帯主や住民票の扱いについての疑問が出てくることはよくあります。
特に初めての経験では不安を感じることもあるでしょう。
そこで、今回は「同棲する場合の世帯主の決め方」や「同棲時の住民票の移し方」などについて解説していきます。
これから同棲を考えている人は、参考にしてください。
- 世帯主とは?
- 同棲する場合の世帯主の決め方
- 同棲で世帯主になるメリット
- 同棲相手と世帯主を決める時の注意点
- 同棲時の住民票の移し方
- 住民票をできるだけ早く移すべき理由
- 住民票を移す際の注意点
世帯主とは?
世帯主は、その世帯を代表する人のことを指します。世帯とは、同じ住所に住んでいて、同一の生計を営んでいる家族や、独立して生計を立てる単身者のことであり、その構成員は「世帯員」と呼ばれます。
通常、世帯主はその世帯の生計を支える人(収入の多い人)が選ばれますが、法的な条件や規定は明確にはありません。
住民登録時には、一人の世帯主を指定する必要があり、この情報は住民票に記載されます。
新しい住居に引っ越す際には、住所変更手続きと同様に世帯主の変更手続きも行われます。
世帯主には、社会保険や税金、選挙など、行政手続きにおける代理人としての役割があります。
同棲する場合の世帯主の決め方
同棲する場合の世帯主の決め方は以下の方法があります。
- 片方が世帯主になる
- 二人とも世帯主になる
それぞれの方法について解説していきます。
片方が世帯主になる
一つ目の選択肢は、一方を「世帯主」、もう一方を「同居人」または「妻/夫(未届)」とする方法です。
同じ住所で同棲している世帯主と同居人が「内縁関係」と認められることで、相手の扶養に入れる可能性があります。
条件は以下になります。
戸籍謄本(または戸籍抄本)や住民票などを提出し、戸籍上で配偶者がいないこと、さらに内縁関係にあることを証明する必要があります。
※内縁の妻など、事実婚の相手方は、民法の規定による配偶者ではないため、配偶者控除の対象ではない。
これにより、健康保険や国民年金などの保険料を負担せずに社会保険の保障を受けられるようになり、同棲でも配偶者同様の待遇を受けることができる可能性があります。
しかし、内縁関係でない一般的なカップルの同棲には適応されないので注意が必要です。
また、この方法には注意点があり、片方を同居人とすると、住民票にその旨が記載されます。
引越し先の企業で働いている場合、同棲の事実が会社に知られてしまう可能性があります。
同棲を内密にしたい場合は、この点に注意する必要があります。
また、同棲が解消された場合、世帯主側の住民票に同居人の名前が残るため、不快な思いをする可能性があります。
そのような事態を避けたい場合は、「世帯主」を二人ともにすることを検討することが望ましいです。
二人とも世帯主になる
もうひとつの選択肢は、両者が世帯主となる方法です。
それぞれが別々に住民票を持ち、自身を世帯主として登録することができます。
双方に安定した収入があり、どちらかが他者の扶養に入らない場合、このパターンが適しています。
この方法では、「片方が世帯主になる」とは異なり、各自が世帯主として住民登録するため、会社が住民票から同居人の情報を知ることなく済むというメリットがあります。
そして、もし同棲が解消されても、住民票に同居人の名前が残ることはありません。
同棲で世帯主になるメリット
世帯主の決め方には、同居している二人とも世帯主になる場合と、同居人の中から一片方だけ世帯主にする場合があります。
ここでは、この二つの方法のメリットについて紹介していきます。
片方が世帯主になるメリット
片方が世帯主になるメリットは以下の通りです。
- 内縁関係が認められれば世帯主の扶養に入れることができる
- 委任状なしで住民票を取得できる
片方が世帯主となり、相手を同居人または未届の妻(夫)として届け出ることが可能です。
内縁関係が認められれば、世帯主の扶養に入ることで、同棲相手が社会保険の保障を受けられるようになります。
たとえば、生計が一つであることを証明すれば、同棲相手は扶養対象として認められます。
ただし、扶養に入るためには、年間収入が130万円未満であり、かつ世帯主の収入の半分未満である必要があります。
また、もう一つのメリットとして、委任状なしで住民票を取得することができます。
世帯主一人が登録されている場合、相手の承諾を得ることなく住民票を取得できるので、手続きがスムーズに行えます。
急に住民票が必要になった時にも、簡単に取得できるのは大きなメリットです。
二人とも世帯主になるメリット
二人とも世帯主になるメリットは以下の通りです。
- 会社や周囲に同棲がバレにくい
- 転居の際に手続きが簡単
住民票に相手の名前が記載されないため、同棲していることが会社や周囲に漏れるリスクが軽減されます。
また、住民票の履歴に同棲相手の名前が記載されないため、過去の恋愛遍歴を隠すことができます。
万が一、別れてしまった場合でも 両者が自身の住民票のみを異動すれば良いため、手続きが簡単です。
しかし、賃貸契約によっては、両者が世帯主になることができない場合があるので、事前に確認してから契約するようにしてください。
また、会社によっては、同棲している場合は「住宅手当」が支給されないこともあるので注意が必要です。
上記の注意点を考慮し、自身の状況や優先順位に応じて、両者が世帯主になる方法を検討することが重要です。
同棲相手と世帯主を決める時の注意点
同棲相手と世帯主を決める時の注意点は以下の通りです。
- 家賃補助は世帯主のみ適用される
- 結婚したら世帯変更届が必要
それぞれの注意点を把握して、トラブルを避けるようにしましょう。
家賃補助は世帯主のみ適用される
家賃補助とは、会社が従業員の家賃の一部を補助する制度であり、一部の会社では「住居手当」とも呼ばれます。
これは福利厚生費であり、受給条件は企業によって異なりますが、一般的には以下の条件が多く見られます。
・住民票で世帯主であること
・賃貸契約の場合は契約者であること
特に重視されるのは、住民票で世帯主であるかどうかです。
また、賃貸契約で契約者であるかどうかも判断基準の一つです。多くの企業では、住民票と賃貸契約のどちらも確認されます。
同棲している場合、片方が家賃補助を受けられますが、多くの企業で家賃補助の二重受給は禁止されています。
このような行為が発覚した場合、返金の義務が生じる可能性があります。
さらに、会社からの信頼を損なうことにもなりかねないため、慎重に行動することが重要です。
結婚したら世帯変更届が必要
両者が世帯主である場合、同一住所に二つの世帯が存在します。
この状況で注意すべき点は、同棲から結婚に至る際の手続きです。
結婚後、世帯が自動的に統合されるわけではありません。
まず、婚姻届を提出すると法的には夫婦となりますが、住民票上は依然として別々の世帯となっています。
このため、婚姻届を提出してから14日以内に世帯変更届を役所に提出する必要があります。
世帯変更届を提出しないと、住民票上で夫婦が別々の世帯として扱われ、行政サービスや税金の申告などで不便が生じる可能性があります。
例えば、配偶者控除の適用や世帯単位での医療費控除などの手続きがスムーズに行われなくなる可能性があります。
また、運転免許証やパスポートの更新時に、新しい姓や住所が住民票と一致している必要があるので、世帯変更が行われていないと、手続きが滞ることがあります。
このことから、結婚後は速やかに世帯変更届を提出し、住民票を更新するようにしましょう。
同棲時の住民票の移し方
ここでは、同棲で住民票を移すときの手続き方法や期限、必要な持ち物について紹介していきます。
転居先の地域によって、手続き方法も異なるので注意が必要です。
同じ市区町村に引っ越しする場合
同じ市区町村内で引っ越しする場合の住民票移動手続きは簡単です。
なぜなら、転居届を提出するだけで住民票を更新できるからです。
具体的な手続きとしては、まず引っ越し後14日以内に、市区町村の役場で転居届を提出します。
この際に必要な持ち物は、本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)、印鑑、そして国民健康保険証やマイナンバーカード(所有者のみ)です。
これらを揃えておけば、手続きはスムーズに進めることができるので準備するようにしてください。
このように、同じ市区町村内での引っ越しは、手続きが比較的簡単で、必要な書類も少なく済むので安心です。
別の市区町村に引っ越しする場合
別の市区町村に引っ越す場合は、まず現住所の役所で転出届を提出し、転出証明書を受け取ります。
転出の手続きには、本人確認書類と印鑑が必要になります。
- 本人確認書類(運転免許証、健康保険証、マイナンバーカードなど)
- 印鑑
- 転入先住所がわかるもの(賃貸借契約書、引越しの見積書など)
次に、引越し先の役所で、引越し後14日以内に転出証明書と転入届を提出して、住民票の移動手続きが完了します。
転出届と転入届は、本人または代理人が提出する必要があり、転入届の提出期限を過ぎてしまうと、延滞金が発生することがあります。
このように、引越しが別の市区町村である場合、二段階の手続きを行う必要があるので注意するようにしてください。
住民票をできるだけ早く移すべき理由
住民票の異動は、引越し後14日以内に完了させなければなりませんが、住民票をできるだけ早く移すべき理由は以下になります。
- 役所からの郵便物が届くようになる
- 市民向けの公共施設が利用できる
それぞれの理由について紹介します。
役所からの郵便物が届くようになる
役所からの重要な郵便物は、住民票の登録住所に送付されます。
もし旧住所が実家なら、家族に受け取ってもらうこともできますが、実家まで取りに行く手間がかかります。
また、銀行口座や携帯電話の住所変更、各種保険の手続きなど、住民票の変更に伴う手続きは多岐にわたります。
これらの手続きを怠ると、サービスの利用に支障が出たり、思わぬトラブルに繋がる可能性もあります。
役所からの必要な郵便物を確実に受け取るためにも、同棲を始める際には住民票の登録住所を速やかに変更することがおすすめです。
しかし、住民票を移しただけですべての郵便物が届かないことに注意しましょう。
すべての郵便物が届くようにするには、転居届をお近くの郵便局窓口、ポスト投函、インターネット等で提出することで、届出日から1年間、元の住所から郵便が転送されます。
市民向けの公共施設が利用できる
同棲の際に、住民票を移すことで、その地域の市民向けの公共施設を利用することができます。
市民向けの公共施設は、自治体が運営する図書館や運動場などです。
これらの施設では、市民は無料で利用できる場合もありますが、市外の人は有料であったり、市民だけが利用できることもあります。
これらの公共施設を積極的に活用したい場合は、住民票を移すことがおすすめです。
住民票を移すことで、市民としての権利を活用でき、公共施設を無料、またはお得に利用することができます。
住民票を移す際の注意点
住民票を移す際の注意点は以下の通りです。
- 住所変更に伴う諸手続きが面倒
- 同棲をやめた時に再度移し直す必要がある
それぞれの注意点について解説していきます。
住所変更に伴う諸手続きが面倒
住民票を移した際には、運転免許証やキャッシュカード、クレジットカードなどの住所変更も必要になります。
これらの手続きを行うため、住所変更が面倒と感じる方も多いです。
住所変更を怠ると、重要な書類が旧住所に届いてしまうため、必ず手続きが必要になります。
また、新しいクレジットカードが届かなくなったりすることもあるため、注意が必要です。
今では、WEBで住所変更できるものもありますが、銀行口座などは、住民票が必要になり、平日の窓口でしか手続きできないこともあります。
このように、住所変更に伴う諸手続きが多いので、住民票を移さなければならない同棲はよく考えてから始めることをおすすめします。
同棲をやめた時に再度移し直す必要がある
同棲をやめた際には、再度住民票の移動手続きが必要になり、手間がかかります。
パートナーとの信頼関係や、将来の不測の事態に備えておくことは大切です。
一度同棲を始めてしまうと住民票を移さなければならないため、同棲を解消する際は再度移し直す必要があります。
同棲を解消する際には住民票の移動手続きが必要になるので頭に入れたうえで、同棲を始めるようにしましょう。
まとめ
今回は同棲時の世帯主の決め方や住民票の移動手続きについて紹介しました。
世帯主とは世帯を代表する人であり、選定には条件はありませんが、役割や責任があります。
同棲時の選択肢として、片方が世帯主となる方法や両者が世帯主となる方法があり、それぞれメリットとデメリットがあるので話し合って決めるようにしてください。
- 内縁関係が認められれば世帯主の扶養に入れることができる
- 委任状なしで住民票を取得できる
- 会社や周囲に同棲がバレにくい
- 転居の際に手続きが簡単
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